期末テスト前に授ける高校での学習方法/大学進学方法を明確にした学習をしよう!
漫然とした学習で、希望進路に不敵な学習をしている生徒が多い。親もなんとなく良い成績を望んでいる場合が多い。教師もどの生徒にも共通テストだ推薦入試だと言って個別に適切な指導はしないし、学校や同僚の手前「この科目に絞れ」とも言えない。
適切な学習をしていれば行ける大学にも行けなくなる生徒は非常に多いです。
大学進学方の多様化により、学習方法が不明瞭化している現状
国公立大学の入試方法では推薦入学は多くはありません。基本的に一般受験が中心になります。そして国公立大学の場合は共通テストがあり、科目数は5教科で理社が2科目ずつの7科目+情報での他教科です。そして、二次は多くは文系では英国数の3教科、理系では数理英の3教科で理科2科目の4科目です。
一方私立では、一般受験の場合、基本的に文系は英国社、理系は数理英でこちらは理科1科目の3教科です。ところが、入試形式が複雑で、共通テスト利用の場合、5教科でもいいし一般受験と同じ3教科でもいいことが多く、その上英検などを代用として英語得点にする場合もあります。
さらに、私立では推薦入学の入学者数が増加してきてています。多くの私立大学では推薦入試と付属高校からの進学を合わせると、およそ半分の大学生が一般受験の経験なしに入学していることになります。推薦入試の場合も、学校の成績で合格が決まる指定校推薦と、学校の成績や英検などの資格の上に得意分野をアピールする自己推薦もあり、その入試方法か複雑極まります。
この状況で、高校生はどう学習に取り組むか頭を悩ませることになります。頭を悩ませなかったら、おそらく有名大学に合格するだけの能力がその時点でありません。
国公立大学志望者の場合何を考えるべきか
入試では基本的に内申点などは関係ありません。共通テストと二次の本番勝負です。だから、そのテストに対応した学習をすればいいわけです。
ところがここで大きな問題が生じます。というのは、学校で教えられたことを基本的に丸暗記していれば高得点が取れる学校のテストと、応用問題に対応するために自己学習を積み上げていかなければいけない国公立大学の入試用の学習は別物だからです。テスト形式を見ても、学校のテストは小問が20問も出題されそれを50分で解くような学習が要求されます。一方模試では、数学に代表されるように、応用問題の大問が5~6問出題されるだけです。その対応策は全く違うわけです。
私はいろいろな進学校の生徒の成績や大学進学を見てきていますが、例えば最上位の公立校や上位の私立のトップクラスの生徒はこの両方の学習に対応できます。だからトップ層は模試の偏差値もたかっく、京都大学などに進む場合が多い。ところが、その次の大阪大学や神戸大学レベルになると、学校の成績と模試の偏差値が合わない生徒が多くで出します。どちらかの学習方式に振らないと対応しきれなくなって来るからです。
この学校の学習と入試に対応できる学習の差を分かっていない生徒そして親も多いです。だから、目の前の定期テストの点数を上げることに血眼になって、模試の偏差値はダメダメのE判定ということも出てきます。
だから、そういう場合は、学校のテストなどで、特に入試に関係ない科目などで、高得点を取るために無駄な暗記学習を放棄して、国立大学の2次試験に対応できる学習に全振りすべきなのです。そして、主要教科で充分な学習を身につけた後で共通テスト対策をして行くというのが、王道的な学習方法です。
そのため、ミドリゼミではこういう学習を推進しています「高校数学の学習方法/学力別」「共通テスト・センター入試で成功した生徒と失敗した生徒の差」「ミドリゼミの高校2年生の夏休みの数学の学習/高校の範囲を学習している私立中学の学習」「大学入試は高校2年生の夏休みが勝負/学校の学習と入試問題の差を埋めるために」
私立大学志望者の場合
国立大学では入試に向けた学力一本やりの学習をすればいいのですが、入試方式が複雑な私立の場合は一概には言えなくなってきます。
その代表的な例が、一般受験に向けての学習なら3教科の学習でいいが、指定校推薦や推薦入学を考えると全教科の学習をしなければならないという迷いです。もちろんこの状況は、推薦入学の増加と一般受験の減少という入試状況から生まれてくるわけです。
大学生との場合、関西では関関同立や産近甲龍を志望する生徒の場合、特に文系の学部を志望する生徒の場合、全教科ことに数学を学習する余裕も学力もない場合がほとんどです。ところが、指定校推薦だけでなく共通テスト利用の入試方式もあると学校の先生などから言われて、全科目を学習しなければならないと思い込んでいる生徒がとても多いです。
ところが、公立高校などの場合は指定校推薦で関関同立などに行ける定員はとても少ないはずです。自分以外の生徒が一人でも手を挙げれば駄目な場合も多く、一般受験以上の博打だと考えていいです。私立の生徒はコレ「私立の指定校推薦・付属校の外部大学推薦などあてにしてはいけない/評価基準が不明瞭」、公立の生徒はコレ「指定校推薦の個別指導」を読んでください。指定校視線がいかに危うく、後味が悪い物なのかいのかお分かりになると思います。
また、いわゆる自己推薦などの入学定員もそう多くはないはずです。共通テスト利用の受験方式にしても、一般入試に近い三教科で受けられる方式もほぼ準備されています。この状況で学力的に余裕のない制度が多くの科目に手を出すことは、主要科目で充分な学習ができないことを意味します。
もちろんこういう状況は高校の先生なら誰でもわかってるはずです。ところが、高校という学習機関の立場上あるいは副教科である自分の科目を学習して欲しいという先生の欲から、全科目学習しろというようなことを指導する先生がとても多いのが現状です。
ですからミドリゼミの場合、よほど全科目を平均して得点を取るのが得意な生徒を除き、指定校推薦などは目指さないように指導して行くのが基本です。私立を目指す生徒の場合は一般入試の文系であれば英国社・理系であれば英理数の3教科の学習だけを頑張れと言います。
じゃあ、国公立コースと私立コースをどう選ぶのか?
もちろん偏差値がまず最初です。進研模試の英語で偏差値が60ないようなら私立です。
英語の学力があっても、数学の偏差値が65ないような場合、上位の国公立は無理です。「最上位公立校内の学力差/1年生の1学期でおおよそわかる大学進学」などに書いてきたように、数学の逆転は難しいからです。ソコソコ頑張って今までの基礎学力もないのに、その穴を埋めながら目の前で進行している学習に対応できるのかというと無理です。
ここで、じゃあ「地方大学」という方もおられますが、地方大学の凋落は激しい。親のイメージとはかけ離れています。その地方の地銀や役所にでも勤めるのでなければ、関関同立の方が就職もいいでしょう。それに下手に下宿されれば、私立の家から通うより高額になりかねない。こういう方は、何とか国立に固執して、成績がもし上がれば神戸大学に・・・と考えているんでしょうが、そんな可能性はとても低いです。スパッと諦めて私立にした方がいいと思います。
それに、私の経験上、おそらく地方大学というレベルでは、3教科でも関関同立も難しいはずです。三教科に絞っていれば行けた関関同立もダメで、三教科に絞っていたなら安パイだった産近甲龍もアカンかった‥ってなればどうするんですか? Fラン大学に行くんですか?浪人でもされれば、私立大学との差額くくらい吹っ飛びますよ。今浪人用の予備校はとても高額です。現役志向の一因です。
でも、こういうバカなことを言う親はとても多いです。親の無知と分別のないこだわりが子供を潰しているんです。
私立の推薦入試をどう考えるか?
私の考えは、上に書いた学習をしていく中で、テスト前には全教科の対策をして、それでいい成績が出て指定校推薦の枠に入っているのであれば挑戦してみればいいのではないかという考えを持っています。なぜなら指定校推薦の枠は非常に少なく、選ばれるかどうかは成績別でもなく教師の恣意的な選別が入ってきます。だから非常に危うい進学方法だからです。特にクラブ活動などでも活躍せず、先生にも反抗的な生徒には絶対にお勧めしません。ただ一部の私立で非常に大きな枠を特定有名大学に持っている場合は別です。でも、そういう私立は阪神間でも2個しか私は知りません。
自己推薦の場合も同様に考えています。上に書いたような努力をして推薦条件を満たす、そして何か特別な活動があったというのなら挑戦してみればいいのではないかという考えです。とうのは、私立大学では一般受験外で半数の生徒を合格させると言っても、付属校からの内部進学や指定校推薦を除いた自己推薦の合格者数は有名大学ではそれほど多くないからです。もちろんテスト直前にその可能性が出てくる生徒には、小論文の学習をさせます「小論文の書き方」「パソコンを使ったミドリゼミの小論文指導」「大学入試の小論文/矛盾のない段落構成のみ必要・特別なワタシを書こうとする間違い」。
一学期の期末テスト前の学習
ですから、高校一年生の1学期の学習はまだ数学も英語も頑張れと言いますが、2年生にもなれば志望大学・学部も決まっているので、その志望に向けた科目だけ十分な学習をするように指導しています。一方で、2年生以上なら、7月にでもある模試で変な偏差値を重要科目で取ってきたら一切の言い訳は聞きません。