平成から令和にかけて子供の学力は低下している/公立中学男子のお母さんは特に気を付けよう
政府が行った、令和3年度全国学力・学習状況調査 経年変化分析調査が話題になっています。
この調査結果が下のグラフです(汚い写真ですいません)。
ご覧いただくと分かるように最上位を除いて学力は落ちてきています。特に、真ん中を中心にした層は落ち込みが大きいことがグラフから分かります。
これは以前から申し上げている通りです「公立中学は改善されているが、学力が伴っているとは言い難い理由」「公立中学の通知簿3は、教えるのが無理になってきている」「中学1年生の計算問題で分かる「もうダメ」な生徒/でも公立中学通知簿3のデフォルト」。


この原因を識者はどう考えているのか?
私がこのブログを書く端緒となった記事です「子どもの学力低下、背景は複雑?コロナ禍、保護者の変化、測る指標が「古い」説も」。
この記事の中では、
・家庭での学習時間、スマートフォン・テレビゲームの使用時間
・保護者の学習への意識、子どもへの働きかけ
・保護者の意識や働きかけと子どもの幸福感等の関係性
といった観点から意見が述べられています。
これらは関連した事項であると私は考えています。保護者の学習への意識が変化し、子供の幸福感を考えると厳しい指導をしなくなっている。その結果、スマホなどの使用も野放しになっているということだと思います。
これは、私の経験からも同意見で、特にコロナ渦を境にして、親の教育の考え方や将来への子供の責任感が激変していると感じています。学歴社会を肯定している一方で、子供に厳しことは言いたくないし、子供の将来のことを考えると学歴以外でも未来はあると逃げ道を考える方が激増しています。
社会では、弱い立場の雇用者は、社会保険料の増大で、非正規雇用者からも外され請負業者として使い捨てにされている。インフレに応じて賃金が上がっているのは大企業だけで、中小企業で働いている人たちは酷い目に会っている。それは、仕入れが値上がりしても価格転嫁しにくい自営業者も同じであるという状況になっていることは知っていても、自分の子供の子供のことになると、非常に甘い逃げ道を見出して、「嫌なことは言いたくない」と逃げる親が激増している。
本当に、自分の子供のこととなるとこのような社会情勢かをさておいて、甘やかして子供のうれしい顔を見て、それでも将来はどうにかなると考える親が激増している。でも、それは子育てを放棄して、後は野となれ山となれ、しょせんは子供の人生で自分は関係ないと言っている残酷な親であると私は感じています。
親は、社会の現状、受験の現状を知ってよく考えるべきではないか?
今日説明会に見えた親御さんに、「神戸高校や六甲クラスの進学校でも神戸大学は上位3割、真ん中少し上では関関同立も危ない。ところが、こういう進学校に進む子供の親では、神戸高校に入ったら神戸大学が付いてくるというような感覚でいる。大事な子供の将来を決める受験でも進学実績のデータすら見ていない。」と話したら、「その通りだ。神戸高校に入ったら神戸大学に行くと思っていた。真ん中上で関学?」と驚いておられた。
そして「とある大企業では、その企業は上位国立大中心に新卒を採用するが、その子会社になると関関同立中心になる。」と話したところ、それは頷いておられた。
そうすれば、親が知っている社会情勢と受験や子育てがまったく同調していないことになります。
特に公立中学の男子にはそう感じます
以前にも書きましたが、世間的にはこういうデータが確立されています。真ん中を中心とした層は女子が多いことがデータ的に知られています。
この状況下で親が教育熱心で、子供の学力も高い男子はすでに中学受験で私立に逃れている。その結果、その残りの学力が低い男子の多くが公立中学に来て、その層の学力が下がってきています。この残りの層では、子供の能力が高くないことにプラスして、やはり受験などに甘い対応の親が多く、その相乗効果で本当にだらしない男子が増えてきています。女子はそこまで酷くなっていません。
その結果、公立中学の男子などでは教えきれない子供が増えてきている感触を持っています。

ところが、親というものは異性の子供には甘い傾向があり、母親が男の子を甘やかしている場合が多い。その結果、このダメダメな男子のダメぶりが一層深化しえいることではないかと、最近の親子を見ていて思うのです。
その結果、この膨大な中位の女子からは見向きもされなくなっている男子が増えている。女性は、男女平等などと言いながら、自分より学歴が低く能力が劣り収入も低い男子と結婚は望まないし、その男の子供は生みません。豊かな夜会を楽しみたいから晩婚化が進んでいるという解説もありますが、未婚が増えているのが少子化の最大の原因です。その根っこには、女に見向きもされない男が、親が甘やかした結果増えてきていると思うのです。
正直に感じる私の感触
神戸大学以上に進む生徒:能力も高く、目的のためには自制心を持って頑張る。仕事を任せてもキチンとやってくれるだろうと思う。
関関同立:能力はそれなりにあり、仕事には対応できるだろう。でも、その上のクラスとは違い、頑張ってくれるという感触はない。
産近甲龍:仕事をする能力は欠如しているのではないか? 何より頑張ることはないから、仕事は任せられないだろう。
私がこう思うのだから、企業の人事も同じように思っていると思う。昔は手書きの履歴書を書くのが大変で、行きたい企業にしか応募しなかったが、今では学生は片っ端から数多くの企業にネット経由で入社希望する。企業の人事も書類審査レベルで落とさないといけないことも多いと思う。その際のここに書いたような大学名での判断は働くのではないか?と私は思う。
もちろんイメージを悪くしたくない企業は、そんなことは絶対に言わないだろうけど。
だから、最初のグラフで上位の学力が維持されている層の取り合いを企業はしていると思っています。その他の人材レベルは低下していて、企業も雇用しても役に立たなければ給与も上げずに飼殺すジョブ型雇用が一般化しています。ユ〇クロなどその代表です。最上位の下のレベルの人材を雇用し店長でブラック労働させて飼殺す。本社の頭脳集団はヘッドハンティングで最上位大学から外資系コンサルなどに行った人材を雇用し、店長集団は必死で働いても本社機能には加われない。まさに欧米型の雇用形態です。
若者もそれを分かっているからどんどん転職する。けれどこの店長レベルの層が転職してもだんだん悪い雇用条件になるだけです。それで40歳でドン詰まる。
「子供の自主性を・・」と先んじて能力低下が起こった先進国と同じ雇用形態になっているに過ぎない「フィンランド式「自由で創造豊な教育」は下半分で失敗した/フィンランド教育科学庁自ら総括/日本でも同じことが起こっています」。
中位のだらしない子供を甘やかしている親は、この状況をどう考えているのだろうか?