こんな英語を入試に出す大学は狂っている
私、この問題を解説した時に、「文法と訳は分かりました。でも問3が分かりません」と生徒に聞かれて、答えられなかったんです。それで、色々調べて生徒には説明したんですが、こんな入試問題を出す大学って狂っていると思いませんか? まともに訳せた優秀な生徒は全員不正解なはずです。逆に適当に鉛筆でも転がした生徒が合格するかもしれない。
どこの大学とは言いませんが・・・写ってる? 和歌山独り勝ちの世耕さん、それでエエんか?
問3が分かりません!
英語的に頭から読むとはこうなっています(日本語にまとめるのが面倒くさかった)。でもこうして意味を、ここに書いた日本語ではなく英語のまま読み取っていくのが英語の読み方です。これが出来ると速く読める。共通テストの長文で時間切れになることなどない。
(1)より危険な試みはない、企てることより、人の面前で一つのものであろうとする試みを、そしてその人の背後で違うものであろうとする試みを。
(2)もし、まさに意識、そのような二面性を可能にする意識は、あなたがたを下げる、あなた自身の視野で。あなた方は失われるに違いない、すべての高貴な感覚、私たちの性質としての。
(3)我々が、生きるそして行動すべきである、そして戸外で≒人の面前で話すべきである、ことわざが言うように、そして言いそしてすべきである、我々が望むことを、それは全ての人に読まれ知られているかもしれないことだ。
・・・・てなことです。これで意味分かるでしょ?でも、この読み方は文法力がないとできない。英単語を適当に並べるだけの並の高校生にはできません。
でも、並以上に出来る生徒ではこういう読み方をせずにとにかく和訳をして、訳した和訳を前に「内容が何を書いているのか分からない」と言う場合が大半。ミドリゼミでは徹底的に矯正します。和訳など、こういう読み方で意味を把握した後に、SVOMを日本語としてSMOVに直すのに一二点やレ点を打つ作業に過ぎない。
話は戻りますが、特にこの文章は、ひと昔前の有名大学の入試英語のようで、気取った言い回しで書いてあるから、文法を判断しながら読んでいくことが難しい。特に注意すべきは(3)のwhatの関係代名詞が従文の従属節の主語になっていることですね!後はshouldの用法が、前は「~すべき」で後ろは推量っぽいということでしょうか? この大学の受験生のレベルなら、ほぼ読めないと思います。読めたとしても修飾が後ろから二重にかかっているので日本語に直すのが難しい。少なくとも、神戸大学や大阪大学に受かるレベルでないとできない。
で、問3は(3)の部分から筆者が勧められる推測されることを下から選べ、となっています。
①あなた方が本当に感じていることを表現すること
②他人の必要性を熱心に聞くこと
③他人を喜ばすことを言うこと
④他人の陰で悪口を言うこと

正解は①だそうです。
(3)は普通に読むと「みんなに知られてもいいことを人前ではすべきだ」と書いているように思えます。(1)にも人前で二面性がある行動は危険だと書いてあります。(2)でも二面性はアナタの評価を下げると書いてある。
だから普通に考えると「どこでも、自己中心的な行動は慎め。人に見られてもいい規範的な行動をしろ。」ということに思えます。
①の「お前の本当に感じることを表現しろ」など、真逆な意味に思えませんか? 日本では、「本心は隠して、世間の規範に従って行動しないとエライ目に合う」といたるところで教えられます。本心など上司や先輩への不満か、道徳に反するロクなことを思っていないから、陰で友達や家族と言うものなのです。そんな本心を世間様に書いているバカはミドリゼミくらいなもんです。
どちらかと言うと②とか③とかの方が近いように思えます。
生徒にもそう質問されましたが、分かりません!
この問題集の解説も「みんなに知られてもいいことを人前ではすべきだ」と書いてるので正解は①です!で終わりです。この解説アホか?(この問題集、英文の選択は素晴らしいんですが、どの問題も文法の解説がアホ過ぎるわ、訳は意訳すぎるわで使い物にならいので、いちいち私が解説しないといけないです。)
でもAIのGeminiとChatGPTに聞いでも、同じように「みんなに知られてもいいことを人前ではすべきだ」と書いてるので正解は①です!っていうんですよ。もちろん、誰かが私と同じような質問をして「正解は①」と以前書いてあるのを拾ってきたからかもしれません。
そこで、何で①なのかChatGPTに質問してみました。
AIによる正解の理由
ChatGPTは理由を「ラルフ・ウォルドー・エマーソン(Ralph Waldo Emerson)の思想を典型的に表しています。」と答えています。
この思想の特徴は、
- 人間の内面には神聖な理性・直観がある
- 個人の良心を最も重視する
- 社会的慣習よりも「自己の声」を優先する
- 自然は精神の象徴
エマーソンは、
「社会は個人の独立を脅かす」
と考えていたからだそうです。だから、この入試問題は、本心に従った行動=表裏のない行動→それを人前でもすることが社会的にも正しいみたいなことを読み取らないといけないらしいです・・・知らんがな。
日本人には「本心さらけだして世の中渡っていけるんか?アホちやうか」ということになります。こんな問題、エマーソン思想への知識なしに正解できるのはトランプと習近平とプーチンとフォン・デア・ライエンくらいだと思うんですよ?・・・あ、安住さんも入れて下さい!
日本人の誰がそんなこと知ってるねん!
個人主義のアメリカではともかく、協調を重んじる日本では真逆なことを教育され、社会でも経験していきます。だから、この英文をキチンと読めて、日本人としてまともに判断できる優秀な受験生ほど解けなくなる。だから、ソコソコの学力がある塾の生徒は「分からん」になるわけです。
「これ、エマーソンの系統の文章やから、こう答えんとアカンな。」って分かる日本人は、その分野の研究をしている人間しかおらんやろ?そんな日本人が何人おる? その分野の大学院のテストならともかく、近畿大学(言ってもうた)の受験生にいると思うてるんか?
もちろん、これは長い入試問題の英文からの抜粋ですから、なんかヒントになることが実際の入試問題では書いてあるのかもしれません。でもそれがないとしたら、こんなこの大学の受験生の学力に不釣り合いな難しい英文で、しかも特殊な専門知識がないと解けない問題を考えた大学の職員、OKを出した大学って狂っていると思います。
私には、大学のセンセーが「自分の専門の英語を出せて満足。この文章にはエマーソンの考えが表されているんだ!で、答えは①。そんな問題出せるオレって、専門家でエライよね!、自慢出来たら、受験生のことなど知ったことじゃない!!」とやらかした専門バカ丸出しに、大学側が出題内容はセンセー方の聖域なのでチェックできない例にも思えます。
大学入試で時々公平はない
この例は、キチンと学習して英語の学力が高い受験生ほどできないという極端な例です。一方で、その大学の受験生では解くことができない難易度の問題を、延々と毎年出し続ける大学もあります。
関西で代表例が同志社の文系の数学です。それなりの難易度の勾配の問題が何問かあり、学力別に得点がバラつくなどないのです。出来ない問題は全員出来ないし、簡単な問題はほぼ全員出来るので、学力に沿って得点差が開きません。だから、学力がある生徒でも簡単な問題の計算ミス一発でアウトになる。しかも、社会を選択したときと大幅な得点差が生まれる。もちろん得点補正はあるでしょうが…だから同志社の数学は取るな!が関西で受験事情を知る人間では合言葉になっている。
私は、同志社が「国立大学の滑り止めに英数国で受験する失礼な受験生は排除。同志社専願で英国社で受験する生徒以外要らない。同志社には関西NO.1私立のプライドがある。」なんて考えている、あるいは国立大学合格発表前に入学金を納入させられないことになって自棄を起こしたのか?・・・と妄想しております。あくまで妄想ですよ。
こういう問題を出す大学のセンセーは、頑張った自分の子供がこんな問題で落とされ、鉛筆を転がした努力不足な子が受かっていたらどう思うんでしょうか?


