私立高校は公立高校より有利なのか?高校無償化の影響を考える

今年度の兵庫県の公立高校の志願状況の最終結果です

特に目を引くものは神戸市で一番偏差値が高い長田高校が定員割れしていること。神戸市と芦屋が学区制を取っていた時期、長田高校は西側のNO.1でした。一方で中央部と東側・芦屋のNO.1の兵庫高校と神戸高校の人気は以前高い。

一方で、西側のNO.2の星稜高校は人気上がっており、東側のNO.2の御影高校は大幅な定員割れになっています。

一概に高校授業料無償化で公立高校の人気が下がったとは言えませんが、長田高校と御影高校だけは大幅な生徒減になった。特に御影高校は0.79倍と悲惨な状況です。

長田高校と御影高校の定員割れの理由は?

ここからは、私の全くの憶測です。

神戸の西には須磨学園という、最近進学実績を上げてきている私立高校があります。「長田高校より須磨学園のⅢ類の方が大学進学実績はいい」と、高校無償化の影響で長田高校は食われたのではないか? その一方で、2番手の星稜高校は競争率が増加している。「須磨学園でも普通のコースだったら公立でもいいよね」ということなんだろうか? 一概に、神戸市が30年ほど前に西北部に切り開いた西神ニュータウンで高齢化が始まり、少子化が極端に進行したからとも言えません。

一方で、旧制中学からの伝統ある神戸高校のネームバリューは神戸の東側や芦屋では特に高く、この高校に進める公立中学の生徒では高校無償化でも私立に食われなかったのだと思います。その上、「神戸高校」という響きは、単純に長田高校や兵庫高校より上に聞こえます。

それに、神戸市の西北部のニュータウンのように極端な少子化はありません。芦屋でもマンション増加で少子化の傾向はほぼない。しかも、須磨学園に匹敵する私立がありません。阪神間で優秀な生徒は私立の併願校に雲雀丘を受けます。ただ、ここは須磨学園ほど強烈に進学を意識して締め上げる高校ではありません。それほど進学校としてのイメージは強くない。もちろん須磨学園にも通えますが、それでも「やっぱり、神戸高校よね!」と言う信仰は高く、神戸高校の志望者は減っていない。

一方で、御影高校の場合、「神戸高校に行けなければ、須磨学園や雲雀丘とか私立の方がいいかも?」と私立に流れたのかもしれません。芦屋などでは、雲雀丘だけではなく、西の須磨学園や大阪の私立を併願校にすることも多いです。利便性の高い地域なので通学に時間的に無理はないからです。中高一貫校では平気で京都まで通っているぐらいです。だから、「神戸高校じゃなかったら私立に」と言う選択肢は広い。

まあ、どこに行っても同じでけどね!

高校から公立に行こうが私立に行こうが関係ありません。私立だからと特別な授業があるわけでもなく、授業進度も同じです。数ⅡBは高校2年生で終わり、理系の数Ⅲや理科は高校3年生まで残ります。

これは、中学受験で入る中高一貫校の私立が、中学の学習を前倒しで終わらせて、数ⅡBを高校1年生で終わらせ、数Ⅲを高校2年生で終わらせ、理系であっても1年間余裕を持って受験勉強に専念できるのとは全く違います。文系進学では公立高校などでも高校2年生でほぼカリキュラムを終えるので、中高一貫校に比べてそれほど不利な点はありません。一方で、理系は高校から公立に進もうが私立に進もうが決定的に不利です「「国公立大学医学科合格者は中高一貫私立ばかり」という新聞記事が出た/でもその理由までは書いていないので説明します」「公立高校の専門学科、グローバル・サイエンスや総合理学は有利なのか?」「「国立大学の理系には公立高校から現役では難しい?/中学受験は必須

まあ、私立の中高一貫校に行かせたところで、この早い授業についていけずに落ちこぼれる生徒も多いので、一概に有利だとは言えませんけどね。特に文系なら、公立高校でも2年生でほぼ授業は終わるので、大学受験の準備は十分できます。だから、算数や数学が得意ではないのなら、中学受験の意味は大きくはないと思います。「経済格差は学力格差の理系/でも文系志望なら公立も私立も関係ない」。

アッ、「ウチの子怠け者で、成績は多様良くてソコソコの進学校には進めるけど・・・」という場合は、公立に行こうが中高一貫校に行こうが同じです。どこの進学校に行っても、「オレってできるんだ。今はダメでもイザとなれば!」といい気になって怠けだして、高校の学習についていけなくなり落ちこぼれます「最上位の進学校で失敗する生徒の最大の原因=思い上がりと勘違い」。

いや、私立だから特別な授業がある!という皆様へ

でも、「私立だから、特別な授業や指導方法があるんじゃない?」と期待している親御様、私の20年以上の個別指導経験で、そんな私立高校は一つもありませんでした。私立公立関係なく、教師の資質によります。その優れた教師が私立に多いという経験もありません。「高校無料化で私立が人気です/でも本当に私立と公立に差があるんでしょうか?/早生まれの子供には公立で浪人をお勧めします」。

私立が7時限目の授業でをしている場合もありますが、私立の7時間授業の学校と比べても、同レベルの公立高校と同レベルの進学実績を残しているだけで大きな差はありません「公立高校と中高一貫の私立の難易度と大学進学の比較」。授業数を多くしたところで、生徒が消化しきれる授業数を超えていて、無理があるのではないかと私は思っています。7時間授業で縛るより、その生徒に合わせた復習の自己学習時間を持たせる方が効果的だと最近は実感しています。

それに7時間授業を毎日していても、私立高校で中高一貫校並に早い時期に学習を終える高校は知りません。だって、同等以上の能力の生徒が進む中高一貫でも、簡単な中学の学習は二年間で終わらせることができても、難しい高校の学習には三年間かけるんです。中高一貫校と同じ7時限目授業をしても、それ以上のスピードで高校の授業を進める無茶をすれば、余計に復習の時間が無くなって落ちこぼれるだけだからです。

私は、最近、私立の7時間授業は「ウチはしっかり教えていますよ」という学校の宣伝行為でしかないのではないかと思っています。

いや、それじゃあ、厳しい授業で有名な須磨学園などが進学実績を上げて人気なのと相反するじゃないかということですが、それはこういう高校は上位の進学コースなどには、中学で学年トップの生徒を無試験で合格させたり、授業料免除で引っ張たりして、本来なら公立のトップ校に上位で進む生徒を取り込んで、彼らが進学実績を支えていることが大きいと思います。塾の生徒でも、雲雀丘の最上級コースで授業料免除で一銭も学校に支払わずに奈良県立医大に進んだ生徒がいました。この生徒も本来なら神戸高校に進んでいた生徒です。

優秀な生徒を無試験や授業料免除やらで集めて、彼らが進学実績を作り出して進学実績が上がると、いい方向に回転し出し、より多くの優秀な生徒を今度は有償で公立から誘導し、更に進学実績が上がるというサイクルが回っているだけです。進学校にのし上がるということは、いかに優秀な生徒を集めるかという作戦を遂行して評判を作り、その評判で優秀な生徒を吸引するビジネスが上手く回っているだけです。素晴らし授業があって普通の生徒の学力を上げたからではありません。今、長田高校相手にそのビジネスがフル回転中なわけです。

結局はアナタのお子さんの学力と努力次第

何が言いたいかというと、学校の進学実績など、どういう授業をするかより、どれだけ優秀な生徒を集めるかに99%かかっているということです。別にそれは学校だけではなく塾でも同じです。

阪神間ではトップレベルの中高の生徒が集中する緑色の有名予備校のテキスト見たことありますか? 中学3年生に三角関数、指数関数、対数関数数ページずつですごいスピードで進むようなテキストで、神戸高校レベルの能力では落ちこぼれること必須です。それをアルバイトの講師が授業するのです。授業の内容を塾に来る生徒に聞いても、その早く速い授業で生徒に分からせるような授業が行われていることはありません。

私はここのテストの答案も見たことがありますが、英作文では「これ正解やろ?」という文章が全部バツでした。英作文は10人いたら10通り解答があってもおかしくはありません。でも、正解として塾が模範解答に書いたたった一つの文章ではなかったらバツにするようにアルバイト講師が指導されているからです。灘や神戸女学院の生徒も崇める塾でもこんなものなのです。で、私の塾で「これでなぜダメなんっすか?」と聞いてくる・・・知らんがな。

それでもこの塾の進学実績が飛び抜けていいのは、「東大や医学科に行くための塾」という看板を築き上げて、飛び抜けて優秀な生徒が集まっているという単純で絶対的な理由です。

だから、特別な授業で「あそこの学校に行ったら大阪大学よ!」などは、どこに行こうがありません! 公立に行こうが私立に行こうが、結局はアナタのお子さんの学力と努力次第です。

高校から私立に行かせるメリット:付属校

私が理解している限り、授業料無償化になって高校から私立の進学校に進んでも、せいぜい制服がかわいいとか、校舎がキレイだとかいうこと以上のメリットはありません。ただ、進路指導の相談には、公立高校より丁寧に乗ってくれる学校は多いです。でも、公立より酷い有名私立も私は知っています。阪神間では誰もが名前を知っている大きな学校です。

私立は中学受験で中学から通って、早く高校の学習を終えて大学受験の準備が十分できる授業に落ちこぼれないでついていけて、初めて意味があるのです。

一方で、私立では付属校に進ませる場合は大きなメリットがあります。神戸高校ギリギリの生徒は高校受験では関西学院付属に通るが、神戸高校の下位で入学しても大学受験では通らない確率が高い。

だって、神戸高校でも真ん中少し上で関西学院、神戸高校では上位2~3割にいないといけないからです。今公立中学は、私立中学組が抜けて優秀な生徒が少ない上に、絶対評価でゆるい通知簿がつきます。多くの生徒の通知簿5は親世代の通知簿4と考えていいと思います。だから、学校のトップレベルで神戸高校に入る昔でも通知簿特上の5生徒に、昔なら通知簿4の生徒が敵うわけがない。ということは最上の結果でも関西学院だということです。しかしその能力差から、下位の生徒はそのままの順位で結局産近甲龍もヤバいということが多いからです。「公立高校と中高一貫の私立の難易度と大学進学の比較」「高校無料化で私立が人気です/でも本当に私立と公立に差があるんでしょうか?/早生まれの子供には公立で浪人をお勧めします」。

御影高校はどうリカバーするか?・・・難しいでしょ?

御影高校がこの苦境から脱するには、どうするんでしょう? 公務員の教師相手に毎日7時限目授業を強要するのか? 兵庫県の教育委員会は納得するのか? 無理っすよね。

私の考えでは、高校の志望者数は、今年度少なければ来年度反対に増えます。皆さん穴狙いなのです。だから、何もせずに、「来年になったら志望者が増えるから大丈夫だ」と考えていると思います・・多分。でも、ネームバリューの大きな神戸高校の志望者は御影高校には下げない。下げるくらいなら御影高校より上のネームバリューのある須磨学園や雲雀丘に無償化で行く。だから、穴狙いは「できたら御影高校に」と思っていた葺合高校や芦屋高校志望者の上位層になり、結局学力も進学実績も落ちる予感がします。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。