私的にめっちゃ高く評価する指揮者のモーツァルト
最強の古典音楽の指揮者だと思います。
アーノンクールも最近亡くなりました。古楽器オケの、古楽器らしくない演奏です? 普通の古楽器の演奏だと、ガット弦の響きをもっと前面に押し出すんですけど。それでも、やはりガット弦の響きを出すために、遅めの演奏です。ピッチも低いです。
でも、面白い響きやフレージングがあちこちにあり、アーノンクールの演奏は凝っていて面白いです。しかし、彼が晩年に残したベートーベン全集ほどではないです。ベートーベンは本当に素晴らしいです。交響曲、協奏曲、合唱曲すべて超一級です。ヨーロッパ室内管弦楽団とのやつです。こちらはモダン・オケで普通のナイロン弦です。モダンオケの方が、表現力や奏法に柔軟性があって、アーノンクールには合っているように思います。
この曲は最先端の都会のウィーンではもう人気がなくなっていたモーツァルトが、まだ人気を保っていた田舎町のプラハに招かれてドン・ジョヴァンニというオペラを演奏するときに作ったものです。だから、モチーフやフレーズはドン・ジョヴァンニのものが多く使われています。
オケが上手いのならコレ
今のモダン・オケの古典音楽の演奏のお手本みたいな演奏です。弦はナイロンですが古楽器のピリオド奏法を効果的に取り入れます。その奏法の独特の響きを引き出すために、これも遅めの演奏です。それにしても、このアンサンブルの精緻さ、各奏者のレベルの高さ・・・もうね、ため息が出ます。
奇跡的なマッケラスのラスト・レコーディングから10年、もはやこのレベルがスタンダードとなったんです。オケの進歩はすさまじいです。それにしても、このオケはハイドンからマーラーまで、何をやらせても素晴らしいです・・・こんなオケが近所にあったらなぁ。
動画はないですが、演奏だけならこれがNO.1だと思います。
死を目前に、マッケラスが残した奇跡です。29番からのもう1セットのCDもあります。SACDで克明に録音された2組のCDは私の宝物です。私はこの演奏の前に平伏します。これもナイロン弦で、古楽器的なピリオド奏法とモダン楽器の迫力が奇跡的な融合を見せて、とてつもない生命力にあふれた演奏になっています。
因みに、宝物の制作風景です
癌で亡くなる数カ月前、闘病中の録音だと思います。35番の録音風景ですな。この映像が残っていることに感謝します。それにしても、オケのメンバーの若いこと・・この若さをマッケラスは最大限に生かしたのかもしれません。彼がこのオケと晩年に残した演奏は、どれも超一級です。
この人も好きです
38番はなかったです。この人とアンドラーシュ・シフがやったモーツァルトのピアノ協奏曲全集は素晴らしいです。協奏曲も動画はないです。演奏はオールドスタイルで、オケも上手くはないですが、どうですかこの瑞々しい音楽。これぞモーツァルトです。
私的には、モーツァルトの最上って、K300~400番台前半だと思うんですが、なぜか晩年の曲ばかり高く評価されるんですよね。そりゃあ、作曲技術は極限まで上がっていますが、この伸びやかな音楽はなくなるんですよ。晩年モーツァルトの人気がなくなったのは、時代に取り残されただけでもないと思うんです。
老いなど、微塵もないジジイたち
どうですか、ジジイたちの生命力に満ち溢れた音楽。