ジェンダー・イコールとグローバル化は女性の貧困を生む/男性より女性に学歴が必要な世の中
育休など整備されていない環境では女性は中年で貧困化する
こういう統計では年齢とともに増加する女性の非正規が、まともな稼ぎがある夫がいて塾代や学費の捻出のためにパートをしている奥さんのことなのか、離婚やシングルマザーで家庭の大黒柱として働いているフルタイムの非正規のことなのか、全く区別されていないんです。
けれども、コロナ下では女性の自殺率が、私が知る限り史上初めて増えました。これはコロナが非正規雇用を直撃し、大黒柱として働いていた女性が男性同様に自殺を選択しなければならなくなったことを意味します。
これには、子育ての結果正規社員を退職して非正規になった女性で離婚したシングルマザーになった女性、学歴がなく最初からサービス業などで非正規を転々としていた女性が食えなくなったということです。この裏側には未婚率の増加と3割にも達する離婚率の増加があります。
女性の大黒柱化はいいことなのか?
日本経済が斜陽化して男性の収入が高い間は女性の自殺率の増加はありませんでした。安定した夫の給料で生活が困ることはなかったからです。仮にシングルマザーになっても、水商売などする覚悟があれば、ソコソコの収入は確保できた。ところが、男性の貧困化でそういうところに金を使える男も減ってきて、最後の逃げ場もなくなった。数少ない逃げ場は、非正規の若く美しい女性も殺到していて勝負できない。
経済が斜陽化して男性の給料が下がり、女性も働かなくては生活ができなくなったからこそ男女同一賃金などの法律が整備されて生き、女性の「働くのなら平等じゃないと!」という主張は、経済の斜陽と女性の貧困と一致しています。
アメリカで女性が権利を主張しだしたのは70年第半ばからです。60年代はアメリカの女性はほとんど専業主婦だった。70年代からアメリカの製造業が日本にどんどん駆逐され80年代に決定的になります。そのころ日本は世界の絶頂にいました。その当時アメリカの中産階級が崩壊して、男の非正規労働化と賃金低下が起こり、女性が経済的に自立を求められた時期に当たります。同じことが2010年代から、その日本が中国やアジア諸国にやられているわけです。
私は男性優位などと主張するつもりはありません。だって男性社会だった80年代こそ、女性を手に入れようと男が女に一番がヘコヘコしていた時期なのですから。今のように「結婚しても働いてもらわないと。」と言う男などいなかったし、そんなことを言えば女性は手に入らなかった。厳しい社会環境が作り上げた昨今の男女平等なるものがいいものだとは到底思えないのです。
学習時間と非正規労働者の見事な一致
文科省やベネッセの調査では高校2年生では学校の宿題以外に1分たりとも学習していない生徒が30%に上ります。このほとんど勉強していない層と20歳代前半の非正規労働が40%弱というのは、妙に呼応した数字だと思うのです「中堅私立大学、全入時代/大学は高学歴の判別ではなく、ダメ人間の判別に使われる?」。
最初から就職もせずにサービス産業などで非正規になってしまう。あるいは中小企業に勤めて同僚や同じような就職の学生時代のカレと結婚して子供ができて退職し、夫だけの稼ぎになって生活苦から離婚して、非正規になって余計に貧困に陥る。一方で、高学歴者は高給の同僚や同じような高給の学生時代のカレと結婚し、子供ができても育児休暇などが充実していてそのままパワーカップルを続ける。こういう対照的な二極分化が進んでいると聞きます。
「いい男が周りにいない」という非婚化の大きな原因は、いい男がいない環境に自ら進んで行ったことのあります。その大きな原因が低学歴あるいは二流大学などを出てまともな就職をしていないことにあります。
女性の貧困化など簡単に避けられます
ベネッセの調査では、学校や塾から帰って来て毎日2時間以上勉強している高校生は上位2割ほどです。この調査対象は分かりません。ベネッセの調査ですから、上位の進学校は入っていないかもしれません。けれどベネッセの模試を受けている生徒と同じ対象だとすると、上位2割ということはベネッセの進研模試で偏差値60以上、産近甲龍以上に当たります「ベネッセ教育総合研究所、子供の実態基本調査」。
私の経験からでは、学校に行って塾に言ってそれから2時間というのは、受験期でもない限り上位の生徒しか無理です。学校の宿題を1時間程度かも知れません。逆に、塾のない日なら3時間程度は学習できるでしょう。この程度の学習をしない生徒は産近甲龍には進めません。そういうことも均しての毎日2時間だと思うのです。
それほどの能力がなくてとびっきりの進学校には行っていなくても、毎日2時間も均して学習していればソコソコの有名大学に進めて、ソコソコの会社で、ソコソコの人生が送れるはずです。