中学受験で第2・第3志望になってしまい、それなら公立中学を選んだ方へのアドバイス
まずは、第1志望に合格できずに良かったと私は思います
中学受験をしても残念ながら第一志望に合格できずに、第2・第3志望の中学には合格した中で、それなら公立中学に進むという方が増えている気がします。理由は、経済的な負担と大学進学実績を考えた場合、釣り合わないということではないかと思います。
それは当然の判断です。また、数多くの子供が第1志望の私立に下位で入って、上位の生徒ばかり考えた授業に落ちこぼれて「公立に行っていた方がマシだった」というような例を長年見てきた私にとっては第1志望に合格できずに良かったのではないかと思えます「働きアリの法則/進学校で7割の生徒はなぜ失敗するのか?」。
第2・第3志望に合格しても公立を選んだ方に/そのメリットを活かそう
中学受験で鍛えられた子供の長所は、まず基礎学力があることです。算数の四則計算の計算力不足で中学の数学で落ちこぼれたり、小学校で学習する時速や%などの単位計算ができずに方程式の文章題でつまずくなどはないはずです。公立中学の絶対評価はかなり甘い基準になっています。通知簿4でやっと真ん中より上、通知簿3では下位の生徒につきます。ですから、通知簿が3で埋まり、まともな高校に進めないことはないはずなんです「公立中学の下半分は終わっている」。
また、通知簿3の生徒のように、小学校時代に一切努力を経験したことがないため、漢字をおぼえる努力でも大きな負担に感じて、学習を教えようにもどうにもならないということもないはずです。だから、中学受験の経験は大きなメリットになります。公立中学で普通に学習していれば、通知簿が4と5で埋ってソコソコ上位の公立高校に進めるはずです。その公立高校は第2志望程度の進学実績を持っていることでしょう。
中学受験経験者のデメリット
最近、中学受験経験者でよくみられる傾向は、親子の距離が近すぎて、子供が独立出来ていないということです。だから、少し難しい学習に立ち向かっていく努力ができない。特に第2志望なら公立中学と変わらない学力の子供の中学受験では、嫌がる子供をなだめすかして、お母さんが横につきっきりで学習を教えてきた方も多いはずです。中学ではその付きっ切りがなくなり、分からない学習にぶち当たってそこで途方に暮れてしまいます。だから集団塾では意味がないし、学生アルバイトが教えている週2回の個別指導もつきっきりの母性まではないので不十分です。
その上、中学1年生の終わりころからは多くの子供は反抗期に突入して、それまで支えてきてくれた親と距離を自ら遠ざけていき、支えがないまま途方に暮れることになります。でも、一人で頑張って切り開いてきた経験がないから打開できないんです。こういう子供が最近増えてきています。
二人三脚で中学受験を乗り切った親は子離れしてください
中学2年生は、私の経験上、子供の扱いが一番難しい年齢です。最上位の子供を除き、公立中学で勉強につまずくような子供では小学生レベルの判断力のまま反抗期が始まり、理屈が通用しません。特に今の子供は思考力が幼く、中学生では小学校高学年レベルの考えしか持ちません。そこで反抗期が始まりますからどうしようもなくなります。
中学受験で親がベッタリだった学習から、上手く子供を独立させてください。中学受験時代に言うことを聞いてくれた経験から「ウチの子は言えばわかる子なんです。」という親が持つ呪縛を早く断ち切って下さ。中学受験してもしてなくても、相手は反抗期に入った子供です。中学受験の経験は役に立たないことも多いです。
また、子供との関係が近すぎて、子供の言うことを盲目的に信じている親も多い。だから、周囲からの助言を聞き入れない親も多いです。親が小学校時代に見てきた素直ないい子だけが子供の姿だと思い。反抗期の子供が家で言っていることを中学校や塾ではやっていないことも分かっていない。だから、できていないから気を付けろと言ってくれる相手に、「あの人はウチの子供を分かっていない。」と悪意まで持つ親も多い。分かっていないのはアナタの方なんです。それでとんでもない成績を取って来ても、「あの塾は子供に合わないから、こっちの塾」と他責にする。どこに行っても、出来ないですよ。中学程度の学習では、集団塾ならどの塾でも教えることに大差はない。
親子の距離が近すぎた中学受験から、子供を上手く独り立ちさせられない場合、非常に残念な将来が待っています。私の経験では、まずできなかった子供には相応の罰を与えられるかどうかで、子供の将来は決まると思います。