体験授業で一番驚いた親子/過保護極まれり
まず、お母さんだけが説明会に来られました
結構前の土曜の休塾日に、お母さんが塾に来られ、3時間近くでしょうか、お話をされていきました。とても熱心なお母さんだと、私は単純に思っていました。
それで、体験授業の日程を、学校が偶然早く帰れる日の午後4時に約束して帰られたのですが、当日の時間直前に「延期要請」の電話がありました。そこから私は「?」と思い始めました。その電話によると、「子供が電車に急いで乗る時に足を挫いたから、医者に行かせたいので今日は行けない。」と言うものでした。
私は熱心に参加している運動系のクラブ活動も行けないだろうと思い、「じゃあ、クラブもお休みされるんですね。放課後の時間もあるでしょうから、次回も授業後に体験授業を・・・」と話を始めると、医者にも行っていない状況で「いや、クラブは行きます。」とおっしゃるんです。
そんな大したことはないことが分かり、私は思いました。最初の休日にわざわざ開催した長時間の説明会、そして通常なら同じ日に体験授業もしてしまうのですが、子供の都合に合わせこれまたわざわざ別の日に設定した体験授業、それをクラブには参加できるねん挫?で直前に別の日に変えろという・・・それを、さも当然のようにおっしゃる。そりゃあ、医者に行かせたいのは分かりますが、わざわざ準備している私は釈然とできませんでした。
私はこの時点で、「医者に行くと言って子供自身が塾に来ることを嫌がって、逃げ回っている。」か、「自分の子供中心に世界が回っていると思っているヤバい親か?」と思ったのでございます。
で、体験授業の初っ端で、私は断ることを決めました
それで、また開催日を変えて開いた体験授業で、お母さんは中学2年生の男の子を連れてきました。大抵のお母さんは子供を私に預けて帰ります。午後6時には終わるんですから、近所の子供で男の子でこの学年だと「終わったら、帰らせてください。」が普通です。女の子でも「じゃあ、2時間後に迎えに来ます。」程度です。
それで、私が「お預かりします。授業が終わったら連絡しましょうか?」と言うと、そのお母さんは塾で待っているというのです。それで、私は「じゃあ、ソファアに座って、コーヒーでも飲んでいてください。」と言うと、子供の横に座り「ここにいる。」と言うんです。私はそんな親を見たことがなく、「この熱心な親は、体験授業を全部観察するつもりなのかな?」と、少々唖然としました。
一方で、子供はボケ~と、無表情に座っています。普通の子供なら嫌がるはずです。私は状況が呑み込めず、「じゃあ、数学でもやろか。問題集出してくれへんか。」と子供に言うと、子供は前を向いたままボ~っとしていて、お母さんがカバンから問題集を取り出して机の上に並べ始めたんです。
因みに、この子供は進学校に通っています。どんな形で中学受験の勉強をさせたのか容易に想像つきます。その結果、子供のご機嫌をうかがって、勉強していただく日常になっているのです。あの捻挫の件も、きっとこのお母さんが脇目も振らずに、子供のことしが眼中になく決めたんだと思いました。
私は、解く問題を子供に指示して、お母さんを少し離れたところまで引っ張て行き、「いつも、こんな調子なんですか?」と聞きましたよ。もちろん、こんな失礼なことを聞いたのは、この時点で「この親子はない。」と断ることを決めていたからです。
その結果、進学した学校で何が起こっているのか
この子供は、そんな調子で親からは王様扱いされて中学受験を乗り切ったと思うんですが、進学校の学習進度は早くお母さんの王様扱いだけでは対応しきれなくなった。自主的に目標を持って学習しないとついていけなくなったんです。
それで学習につまづいて私の塾に母親が連れてきたんです。けれど、このお母さんは、自分が子供を抱え込んでいる限りは、どの塾に連れて行こうが、進学校に合格させようが、今の状態から改善はないということがまるっきりお分かりになっていない。
子供を突き放して、自主的に頑張る自立を求める時期に来たことが分かっていない。そして、中学の途中から高校の難しい学習が始まる進学校では、その切り替えの最後のチャンスだともわかっていない。
恐らく、父親は分かっていても、このお母さんにそんなことを言おうものなら、夫婦を終わらせるような喧嘩になるので、この親子の中に入り込めないんでしょう。
最近この手の男の子が増えました
こういう母親が丸抱えするのは、ほぼ全員男の子です。同性の女の子に対する母親の目は結構シビアです。
女から相手にしてもらえない男を量産しているのはお母さんだと、きっと気づいていないんでしょうねぇ。「嫁も私が選んでやる。」くらいに思っているんでしょう・・・けどね、あなたが若い頃、金持ちでも名家でもない家の頼りない男の子にそんな母親がついていたらどう思ったんでしょうかね?
結局、私が「もうこの年齢になると、自分から勉強し出す子供じゃないと無理です。」「母親なんか煩いというぐらいの男の子でないと、モノになりません。」と言うようなことを連呼したもんですから、向こうからお断りの電話がありました。
私の感想は一言です。愚かすぎます。