塾の評価と本質/親目線では分からないこと

対称的な二人の生徒

私の塾に、対照的な生徒がいます。二人とも、志望校を明確に持つ生徒です。

一方の生徒は、私と相談した学習スケジュールをキチンと守り、課題をこなしていきます。私が「そろそろ次のステップに進もか。」と提案した学習も、どんどん取り入れて行きます。この生徒は、在籍するコースで真ん中ぐらいの成績だったのですが、今やトップになっています。志望校もワンランク上に引き上げました。

もうひとりは、苦手な学習から逃げ回り、何度アドバイスしても、注意してもスルーしてしまいます。怒ると真面目にやってそうに見えて、机で俯いているだけです。他の生徒なら20分くらいですむ学習を引き延ばして、1日かけて行います。もちろん、成績は上がりません。

私の労力はどちらに割かれるのか?

もちろん、このできない生徒に多く注がれているんです。「何とかしよう」と子供のためにも、熱心なお母さんのためにも精一杯頑張っているんですが・・・そうでもしないと、この生徒の成績は急降下してとんでもないことになるからです。精一杯教えて、低空飛行がやっとなんです。

これが塾の現実です。成績の悪い子供、努力から逃げ回る子供にを何とかするには、多大な労力がかかる。成果が出ない。実情を分かって下さっているお母さんの塾に対する信頼がなければお預かりできないですよ。努力を知る子供は、それほど手をかけなくてもスルスル上がって行ってくれる。この生徒の家に一度お電話を差し上げたことがありますが、お母さんからは最敬礼口調で対応していただきました。

あなたが塾や学校の経営者なら、どちらを採りたいですか? あなたが学校の教師や塾の講師なら、どちらを教えたいですか?

進学実績も授業料も塾の努力に比例しない/親は分かっていない

塾の看板で努力を知る子供を集められるのが、成功している進学塾です。別に教え方が上手いわけでも、特別なカリキュラムがあるわけでもありません。画一的で適当な授業をしても、優秀な生徒が勝手に成果を出してくれるんです。それで、名門になって、高い授業料を取れる。その生徒たちの進学実績を目当てに、多くの生徒が集まり、需要があるから高い授業料も設定できるんです。この好循環に乗ると手を抜いて教えても、生徒頼みの安楽な経営ができる。

じゃあ、努力を知らない子供を預かると、骨身を惜しんで教えてもすべてスルーされ、全く成果は出ず。親からは「あの塾アカンわ」と吹聴され、塾のランクは下がり、親からは敬遠され高い授業料も取れなくなる。苦労して苦労して、苦しい経営をしないといけない。努力と結果が見合わない。毎日子供に手を焼き、神経と心をすり減らされ、親からは文句を言われ、それで経営も芳しくない。

子育てを考えたらわかるでしょう?

優等生の子供と劣等性の子供、叱ったこともなく順当に育ってくれる子供とヒステリーにならないといけないほど叱らないといけない子供、一つ言えば十を察してくれる子供と十言っても一つもやらない子供・・・子育ての苦労と塾の苦労は同じです。

劣等生で不良の子供のお母さんが手を抜いていたなどと、親の立場で言えますか? 子育ても苦労など、ほとんどが子供の資質によります。放っておいても「僕も塾に行く」と中学受験塾に行き、勝手に勉強して一流校一流大学など普通です。苦労して苦労して尻を叩いて、それでもサボる子供に「コイツどうなってるんねん」と思うお母さんも普通です。

それは塾も普通なんです。塾にだけ特別なメソッドやマジックがあるわけではありません。これが、学習塾と言う形態のビジネスです。授業の質や講師の努力と結果は見合っていないんです。親が一番分かっていない点です。

塾経営は企業とは違う/素人には評価が難しい

塾と言うのは、自分が頑張り良い製品やサービスを作って認めてもらうという通常の企業とは違います。いくら良いサービスを提供しても、そのサービスを受け止めるかどうか分からない子供の成果を通して評価されます。そこには、授業の質や講師の質は反映されないことが多い。

この点こそ、親御さんが一番理解できていない点です。進学実績の良い塾=良いサービス・優良な授業と思っている方は大間違いです。進学実績が優れている点は、優良な生徒を集める手腕があるからであって、優良な授業があるからではありません。

でも最初から優良な生徒なんか来ないじゃないか? 最初は一生懸命教えて成績を伸ばしたんじゃないの? と考える方、それはある意味で正しい。だから、大手の塾より、今から成長しようとしている塾に行った方が賢いかもしれない。生徒集めのため、大手より熱心に子供を教えることが多いのは確かです。

けれど、同時にそういう塾は、独立するときに元の塾から生徒を引き抜くとか、授業料免除などのあらゆる手段を使って、優良な生徒を最初にかき集めるところから出発することも多いです。この辺りで一番の進学塾にのし上がった某塾もそうです。

進学塾の授業が素晴らしい、補習塾の授業がアカンと思っているアナタ、アカンのはアナタのオツムです。進学塾が素晴らしいのは、授業ではなく、経営戦略・生徒集めの手腕であることが多い。

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