I like soccer more than baseball. I am as tall as Lucy. 英語教科書の重要文法の秘密/英会話できない原因は中学にあり

この二つの例文に、巧妙な秘密が隠されているのが分かります?

この2文は中学2年生の比較級の例文で学習します。中学校ではこの例文しか教えませんし、高校では比較級の基本文法は中学で習ったことになっているので、枝葉の慣用表現的なものしか教えません。それで、英会話も出来なくなります。

まず、I like soccer more than baseball.ですが、これは野球とサッカーを比べているのが明確なので、「野球よりサッカーが好きです。」で「比較級はmoreやerをつけて、~よりで~す。」とだけ教えられます。それ以上のことを学校で教えてもらった方いますか?

じゃあ、I like Lucy more than him. とI like Lucy more than he.の違いを教えてもらったことはありますか?マシな塾でやっと教えてもらえる程度で、私が知っている周辺の塾で教えているところはないです。

thanは接続詞で以後の文章で主文と同じところは省略されているんです。 I like Lucy more than (I like )him. とI like Lucy more than he (likes Lucy)ということで、「彼よりルーシーが好き」と「彼がルーシーを好きなのより、私の方がルーシーが好き」という意味の差があります。

でもこれを教えるには、接続詞のみならず主語や目的語と言った文型を教えなければならず、それは中学校の指導要領外なので教えないんです。だから、比較の文章では徹底的に代名詞の使用を避けるんです。文型の理解なしで教えられる文章しか教科書に載せないわけです。

こういう英語の基本を教えている学校は、私立・進学校込みでひとつもない。

そこで、I am as tall as her. なんて書く生徒が大部分を占めるわけです。だって、文の先頭の主語以外sheなんか使うことは教えられていないからです。as tall のasは「~と同じ」という副詞でも、後ろのasは接続詞や関係詞で I am as tall as she is tall.なのだということが分かっていない。

だから、英会話を学習して女性を口説こうにも、 I love you more than him. なんてことを言いだし「彼よりあなたを愛してます。」なんてことになって、「コイツ、バイなの?」と振られることになります。

20年以上に及ぶ私の経験上、こういうことを教えている学校は、進学校の中高一貫校でも公立トップ校でも、もちろん公立中学でも、ひとつもなかったです。

日本語で言えば「私が彼女を好きです。」と「私を彼女が好きです。」の差を教えていないに等しいです。

同じようなことがすべての英語表現で起きる

例えば、不定詞の形容詞的用法では I have something to eat.しか教えません。だからほとんどの生徒は形容詞的用法は目的格として修飾している用法だと思っている。だから I go to school to teach English.を「英語を教えるために学校に行く。」と副詞的用法で訳します。主格として学校を修飾する「英語を教える学校に行く。」とは誰も訳しません。「正月に考える数英難問2題/6÷2(1+2)/ I go to the school to teach English.から『「原子力・天然ガスは「持続可能」 欧州委が方針』をこじつける

こんな愚かな教育をしておいて、訳の分からない表現ばかり載せて教えもせずに、教科書の難易度だけを上げて「英語を話せる日本人に!」ってなこと文科省はやっている。「階層固定化を進める文科省/英語の教科書改訂から

と言うことは、当然英会話を習ってもムダです

もちろん、このレベルの英語力では、接続詞・関係詞・不定詞・分詞という英語の修飾句はまるで使えないレベルです。すべて、主格・目的格・文型がキチンと理解できてないと使えません。

だから、「世界に羽ばたくのに必要な英語力・英語教育とは?」に書いたように、片言の英語を話して海外旅行に行こうにも、もちろんビジネスをしようにも、偏差値65程度、英検準1級程度の英文法力がないことには、高い金を払って英会話なんか大人になって習っても無駄なんです。

だって、有名曲の題名も分からないでしょう

クリスマスシーズンの有名な曲は、「ダイ・ハード」と言う有名な映画のエンディングで流れる Let it snow.です。これ訳せますか? この時期の高校1年生なら全員訳せるはずです。「雪よ降れ」です。

letは使役動詞で、itは目的語でsnowは原形不定詞で、it snowsを許してやるという意味の命令形になっているわけです。これが訳せいないと、英会話で必ず習う Let me know. も Let me understood.も分からないし、中途半端なワンフレーズ丸暗記英会話だとLet me understand.などとやりかねない。

Let me know. は「私が知ることを許してくれ」で「お知らせください」の慣用表現です。 Let me understood. はunderstandの過去分詞で受け身になっているのでmeはunderstoodの目的語になっています。「私を理解されることを許してくれ」になって、「自己紹介させていただきます。」です。一方 Let me understand. は「私が理解することを許してくれ」になって、「教えて下さい」になります。

このようなことが十分理解できない原因はletや原形不定詞・分詞の理解の際に、主格や目的格と言った文型の基本を中学でも高校でもキチンと学習していないから区別できなくなることが原因です。だから、文型の理解の上に立つ比較級も使役表現も出来ないということになるわけです。このようなことがあらゆる表現で必要になります。

だから、高校程度の英語力はほぼ完全に抑えているレベル=英検2級は楽勝、準1級が望ましい、でないと英会話など習っても無駄なんです。

同じよう表現では有名なビートルズ曲ありますが、こちらは時代的により抽象的な表現なので、ほとんどの高校生にはムリです。「Let it be は「なすがままに」でいいのか?/高校1年生では和訳はできても、理解はできない」にも言えます。

だから、ワンフレーズ英会話が流行る

だから、偏差値65以下=ほとんどの大人のために、「海外旅行、このフレーズ」とか「ネイティブっぽいビジネスフレーズ」などという、文法力なしで英文を丸暗記させようとするテキストが大流行りなわけです。でも、完璧におぼえられる訳でもなく、会議の冒頭で「 Let me understand !」なんて言って、外国人は「??? 何教えて欲しいんや」になるわけです。

それで、怪訝な顔の外国人相手に「ヤバい!」と緊張して舞い上がって終了です。

もちろん、その場その場で伝えることが違う内容を、相手が理解できるように文章を組み立てることは不可能です。自分の原稿棒読みは出来ますが、質疑応答などできるはずもない。rやl、bやvと言う日本人で問題になる発音などより、キチンとした文章を話せるほうが100倍大事です。

最悪なのは、rとlの差も分からず、間違がったワンフレーズ英会話を巻き舌でそれっぽくっ話そうとする脳ミソスッカラカンの大人です。

当塾で中2に教えること

定員を1名だけ増やしました/どうしても採りたい生徒が来てくれたからです」の通りです。

このレベルの内容を理解できない中学生は採りません。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。