中学受験塾・中高一貫校は10年後、大量倒産する!/少子化だけが問題ではない
理由1.中学受験した子供が親になっている
30年前、中学受験するなんて子供は特別に頭が良く灘や甲陽に挑戦する子供か、あるいは裕福な家で「子供に苦労させたくない」と関学や甲南の付属に進む子供が多かったです。
ところが20年ぐらい前から、そして本格的には10年ぐらい前から、私立が増設され、猫も杓子も中学受験するようになりました。理由は、自分達が子供の時に灘や甲陽に進み東大に進んだ同級生を見ていたので「ウチの子も!」となったんです。
そんな親目当てに中学や受験塾が作られ「経済格差は学力格差」などと煽って、勘違いした親は「中学受験するウチの家って、イケてる?」とインスタ映えを自慢するようになった。それに煽られて、より多くの「そんなん中学受験してもムダやろ」という子供の親まで巻き込まれることになった。「経済格差は学力格差という大ウソ/教育業界の広告戦略に載せられる親たち」
悲惨な中学受験経験者の多くが親になる
そして、裾野が広がった中学受験では、ほとんどの子供は親が期待する、自分達が期待する大学には進めなくなった。それどころか、同じレベルの学校が多く作られ、分散して数少なくなった優秀な生徒の学力を上げるために学校では下位の子供など落ちこぼれようが構っていられない授業をするようになった。
そのせいで、公立で普通の授業を受けていたら落ちこぼれずに進めた大学にさえ、難しい授業に苦労して苦労した挙句進めない子供が大量に出てきている。だって、灘や甲陽などの最上位の学校を除けば、その次のレベルでも上位2~3割で大阪大学や神戸大学などの上位国立、真ん中ぐらいの半分の生徒が関関同立、下位なら甲南も危うい。これが、名門と名前を轟かし、中学受験で合格したら親が泣いて喜ぶ進学校の実態です。
その進学校では上位国立大学の進学実績しか宣伝にならないから、上位の生徒に合わせた授業を進め、半分は理解不十分になり、4分の1は落ちこぼれる。苦労して苦労したあげく、普通に公立高校に行っていたのと大差ないことになる。この上位クラスの進学校に中学受験で進めるのなら、普通に公立中学で勉強していても神戸高校や御影高校には進める。進学実績は神戸高校や御影高校の上半分と変わりません。「進学校に進んで、4年半も高校の学習をして、なぜ多くの生徒は関西学院大学にも合格できないのか?」
逆に、無駄に速く難しい授業をされて、御影高校なんかで普通の授業を受けていたら理解できたことでも分からなくなり、落ちこぼれて御影高校で普通にやっていれば進めた甲南にも進めない生徒が進学校では下位4分の1になる。落ちこぼれなくても、半分の生徒は御影高校で普通に真面目にやっていれば入れる関関同立に進むことになる。
これが「名だたる進学校」の実態です。苦労して苦労して悲惨な体験を積み重ねた結果です。正直、灘や甲陽の真ん中以上、六甲のトップレベルにいないのなら、中学受験など意味はない。「進学校や進学塾への誤解/何度も書いてきたことですが・・・」
中学受験が悪い目に出た生徒など、よい目に出た生徒より多い。この受験システムの被害者の若者や子供が親になった時、自分達の親とは正反対なことをするはずです。「子供時代楽しみを全て奪われ、苦労して苦労した挙句この体たらく。中学受験が諸悪の元凶。おぞましい!」と考える多くの若者が親になる。
理由2:そもそも中学受験する金がなくなっている
日本の経済は坂を転げるように開発途上国に落ちて行っています。開発途上国に落ち、通貨価値が下落し、非正規が街に溢れ平均給与300万円になって、カップラーメン300円、吉野家の牛丼1000円になる世の中で、中学受験させて私立に中学から放り込める家庭がどのくらい残るでしょう?「日本のレベルは1972年に落ちている/5年後は1960年代=開発途上国レベルに戻る?/円安こそ最悪の既得権益だ!」「この10年とこれからの10年は違うんじゃないのか?/SDGsなんか吹き飛ぶ日本の近未来」
少なくとも、公立中学の80%、私立でも70%の生徒では将来難しいと思います。だって、阪神間では進学校として誰もが羨む神戸高校や六甲クラスで、上位3割でやっと神戸大、真ん中では関学ですよ。
今でも20歳代の40%は非正規雇用です。この経済状態で改善すると思いますか?ということは神戸高校や六甲クラスの進学校に入ってもかなり多くは非正規雇用になるかもしれない。それより下位の進学校ならどうなると思いますか?
中学受験に邁進しても、結婚・子作りできない若者が大半になるということです。そんなことなら、中学受験と私立に使う金は親には貯金してもらって、その分遺産で相続した方がマシっていうもんです。
昔に戻るんじゃないでしょうか?
日本がまだ豊かでなかった昭和、中学受験と言えば灘と甲陽、六甲それに神戸女学院ぐらいしかなかった時代に戻るんじゃないかと、時々妄想します。