勉強しても出来ないんです、という人

もちろん、勉強にも適正、得意不得意があって当然です。そういう話をこれからするのではありません。「自分的には頑張っているができない。」と言っている人の話をするわけです。

先日、体験授業で「テスト勉強がテストまでに終わらない。」だから成績が上がらないという女子中学生が塾に来ました。もちろん、彼女は「だから間に合うようにポンっとできる方法を教えてくれるよね！」と言ってきたわけです。私は彼女に「テストまでに終わらないんだったら、準備期間を延ばすなり、日ごろからもっと勉強時間を増やして準備するなりする気はないの？」と言いました。当然、彼女はこの時点で入塾は希望しませんし、私も来てもらう気はありませんでした。

だって、そんな性根では入塾してもらっても今日教えたことは明日忘れるというようなことを繰り返して、挙句の果てに「教え方が悪い。」と言われることが目に見えていたからです。典型的な公立中学の通知簿3です。

なぜ、勉強しても出来ないのか？

それは、彼女が嫌じゃない範囲、面倒くさくない範囲で勉強してできないと自分の気持ちを言っているに過ぎないからです。だから、「じゃあ、勉強時間を増やせばいいじゃん。」というまっとうな理屈は、彼女には自分の気持ちを分かってくれない不誠実なものに映ります。おそらく中学生なら、「痛いところを突かれた。」という認識さえなしに、「嫌なことを言う塾。」という受け止めしかできないはずです。

だから、漢字は書いておぼえない、応用問題は納得して再現できるまで考えない、そういう楽な範囲の学習を繰り返し、それを一歩も乗り越えようとせずに「できない、なんで？」を繰り返しているわけです。

養老孟子の「バカの壁」というのはこの感情でしか物事を判断できない人間のことであり、この動画で岡田斗司夫が言っていることも同じです。

なぜツイッターやインスタグラム、TikTokが流行るのか？

この動画で言っているように、こういう感情でしか物事を判断できない人間に、A＝B　B＝CならA＝Cというような理屈を言っていても、「こういう理屈で、こうなって、だからこう」という理屈を言ってみても通じません。「面倒くさい」と言って、ワン・ワード、あるいは写真、短い動画を見て「ステキ！」「面白れぇ～」「ムカつく」といういすぎないのです。こういう人が、実際は多くを占める。

だから、文脈が長いブログは受けないし、youtubeの長い動画でさえ受け入れられない。

だから、相談事にこんな回答が増える

また、「子供の声がうるさいと近所からクレームがある。」という明確な原因と解決方法がある質問に対して、「挨拶をして仲良くすれば、相手も気にならなくなりますよ。」などという解決方法が世の中にはあふれかえっています。もちろん「子供の声なんか抑えきれないから、他の解決方法を！」という躾をしたくない人の相談なのですからこういう答えになるのですが、そこには何の因果関係もない回答になっていても「あいさつ」という簡単な解決方法が光輝いて見える方が非常に多いのです。

努力したくない・嫌なことをしたくないという感情から、A＝Bという簡単な理屈もすっ飛ばしてワンフレーズの「あいさつ」という簡単な解決策に飛びつく方が多い。そこでこのブログのように、「そもそも子供をキチンと躾けてるの？」なんて言おうものなら感情から嫌悪され炎上する。

だから、悪い言い方をすればバカ相手の回答やビジネスが溢れかえっているのです。塾の宣伝も同じです。

だから塾も安易なキャッチ・コピーに走る

私のように長々と指導方針や教育現場の現状を説明しても、たいていの人は理解できないし読む気もない。だから、多くの塾は「○○高校進学No.1]だとか「褒めて伸ばす」などというワンワードで理解できるか、心地よい単語を並べるだけの宣伝しかしません。

そのNo.1というのは、無料の体験授業や模試を受けた人数も入ってないと、全部の塾や予備校の宣伝文句を合わせると○○高校も○○大学も定員が数倍になってしまうというのは、よくある笑い話です。そういう簡単な詐欺にも騙される。それに、褒めて育てて今の状況になっている子供に、今さら褒めて育ててどうなるのかということを考える親さえも少なく、うれしく楽しい「褒める」や「伸ばす」という快いワードに飛びつく方が非常に多い。

私の塾は、こういうことを書いて理解していただける方のみおいでいただければいいと思っています。経営は苦しいですが、訳の分からない方に来てもらって訳の分からない状況になって精神がすり減るよりマシです.

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。

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