中高一貫の進学私立と公立高校の差を埋める指導
通行一貫校と公立高校差
上位の中高一貫校では、学習に時間がかかる高校の数学は中学2年の半ばから始まります。英語も中学3年生くらいから始まります。だから、英数という、最も時間がかかり苦労する主要教科については1年以上のアドバンテージが公立に比べてあります。とても大きな差です。
このアドバンテージは有利に働くのか? いいえ!
ところが、このアドバンテージが有利に働く場合は限られています。
まず、今までも散々書いてきているように、このことは中学2年生のまだ幼い子供、理解力も高校生に比べて発育していない子供に、高校の難しい数学を無理やり教え込むということです。だから、年齢相応の進度で進む公立に比べて落ちこぼれる可能性が高い。
その結果、公立でゆっくりと学習していたなら理解できた基礎が理解できていないまま学校の授業は進まれて、受験期になって理解不足だけが積みあがる。「進学校に進んで、4年半も高校の学習をして、なぜ多くの生徒は関西学院大学にも合格できないのか?」「進学校の生徒が普通の高校の生徒に追いつかれる理由」などに書きました。
その結果、高校3年生で基礎的な問題集に戻って復習しているバカげた中高一貫校はとても多いです「私が見た最悪の学校指導・・中2で青チャート、高3で白チャートを教える進学校」。
その結果、自称進学校の生徒のほとんどは落ちこぼれる
その結果、この辺りでも進学校として認知されている六甲クラスの進学校でさえ、真ん中ぐらいの成績では関学ということになっている。ということは、この授業進度を活かせる生徒は学校についていける生徒、六甲クラスで上位3割、甲陽クラスでも上半分の生徒だけになるわけです。それ以下の生徒には、落ちこぼれる危険性が増すだけでまったくメリットはない。
大多数の生徒が進む関関同立で良いのなら、そんな早い進度で授業を進める必要もないから、その下のレベルの自称進学校で関関同立に進めたらOKの学校なら、こんなバカげたことをすることはありません。3教科受験で学習量も余裕があるから、公立の進度で十分です。その上、入試問題も易しいので、上位国立大学のように高校2年生までに高校のカリキュラムを終わらせて、高校3年生で受験用の難しい問題を解く必要もない。
だから、六甲クラスで真ん中少し上くらいで関関同立に行く生徒には、進学校の学習はデメリットはあっても、まったくメリットはありません。普通の進度で進む神戸高校でも真ん中、御影高校でも上位2~3割にいれば行けるんですから。「関学や同志社に合格する数学の勉強法/誰にでもできてチョー簡単」「関西学院大学に受かる英語の学習方法/関学の合格ラインとは?」の通りです。
関学や同志社でいいのなら、公立高校の進度で十分です。しかも、文系なら数学Ⅲを高2で先取りする必要もないので、落ちこぼれる危険があるこんな速い授業進度はいらない。
でも、神戸大学や大阪大学の文系でいいのなら、中高一貫校に進むメリットはない
六甲クラスの進学校に上位で進んで、神戸大学以上の国立大学の理科系を目指す場合のみです。その場合は明らかにメリットがあります。だって、カリキュラムが終わった3年で受験勉強に専念できます。受験科目が多い国立では、スケジュール管理が大変です。だから、この余裕は大きなメリットになります。「2学期の過ごし方/高校生編・これができていないと国立大学は無理です」の通りです。
一方で、この理屈では文系では公立も私立の進学校も変らないことになります。公立でも2年生ですべてのカリキュラムは終わって3年生で受験勉強に特化するんですから。
というじことで、早くカリキュラムを終える進学校では、3年生で理科系でも入試問題対策をする余裕が出て有利なはずです。数学の難問を解く練習もできます。ところが、神戸大学や大阪大学の並みの学部に進むだけなら、この3年の難問対策は案外必要ないんですよ。 大阪大学などは、普通の生徒が解けない難問も二次で出題されます。けれど、こういう難問はみんな解けないから、進学校で特別に教えても同じです。どうせ本番で解けません。入試の成否は、共通テストと二次の頻出題をいかに確実に解くかにかかっています。
それに、早い時期から始まる難しい授業を速いペースで進められて、神戸大学に進む程度のレベルの生徒では理解不足が結構でてきます。だから、並みの進学校では3年生で、少し難しい程度の問題で復習をしていることが多いんですから。「私が見た最悪の学校指導・・中2で青チャート、高3で白チャートを教える進学校」。言い換えれば、無理な授業をされて基礎が身に付いていないので共通テストや二次の頻出題も解けないという状態を、高校が分かっているということです。の問題です。
だから、当塾の指導はこうなります
私の塾の指導は、マイペースで数英の予習をさせて、公立の生徒でも共通テストに対応できる環境を自分で作って上げることです。無理な内容とペースで落ちこぼれを作って、神戸大は無理でも関学は行けたのにダメになったという生徒を作らないことです。だから、生徒の学力別に進路と学習方針は明確に言い渡します。「高校生の指導」「数学を諦めきれない高校生へ/国立大学の入試では、文系でも数学の不得意は逆転不可能」。
一方で公立高校の国立大学志望者にはハードな学習スケジュールを貫徹させるために結構過酷な学習を課します。 言い換えれば、中高一貫校の学習スケジュールを、落ちこぼれないように注意を払って進めていきます。国立大学に現役で進むには「2学期の過ごし方/高校生編・これができていないと国立大学は無理です」 のスケジュールは絶対だからです。そのスケジュールを守るには「楽しく、有意義な高校生活」はないです。
塾に来る進学校の生徒は、ほぼ全員「神戸大学!」と安易に言うんですが、 「2学期の過ごし方/高校生編・これができていないと国立大学は無理です」 の内容通りのことを生徒と親に私は言います。そして、このスケジュールを守るために、クラブなど辞めろと言います。けれど、大抵の子供はそんな覚悟はありません。
だから、そういう子供には、「国立は無理。関学にしろ。」と1年生の段階で言います。だって、それだけの辛抱も頑張りもないんですから、1年生の段階でもうムリだというのは明らかなんですよ。それに不満を持って辞めることももいます。きっと「大丈夫です!うれしく楽しく高校生活を過ごして、一握りの生徒しか行けない国立大学に進みましょう!」って言ってくれる塾に変わるんだと思うんです。
まあ、偏差値を突き付けられてもそんな甘言にすがるくらいアホなんですから、最初っから上位国立大学など無理です。