国語と現代国語の学習/「学習の手引き」を見ていますか?

国語の学習方法が分からない

英語や社会のように何をおぼえればいいのかは明確でなく、理科や数学のように何を解けばいいのかも明確ではない国語の学習は何をすれば良いのか分からない人が大半ででしょう。できることと言えば、準拠問題集をやったり、漢字をおぼえたり学校のノートを見たりするしかないでしょう。

だから、「読書」というような馬鹿げた学習が提案されます。しかし、「読書好きの文学少女は国語の成績が悪い・・・では解決策は?」「国語の学習の基本 読書とは違う」の通り、読書などでは国語の成績はあがりません。クラスに一人ぐらいいる読書好きの生徒の国語の成績が良くないことが多いのはその証です。

「読書量」と読解力が関係ない理由

国語の読解力とは読者の好き勝手な感想を聞くことではなく、作者が何を意図して書いたのか正確に読み取る学習です。作者の文章構成の意図を考えずに読者目線でのめり込むだけでは、何百冊本を読もうとも国語の読解力なんて育成されません。楽譜を読んで弾き方を考え自らピアノを弾くこともせずに、プロのピアニストが弾く美しい演奏を何百時間聞いてご立派な感想を言ってもピアノなどいつまでも弾けないのと似ています。

でも、そんな抽象的なことを言われても困りますよね。でも、国語の教科書には何を学習すべきかがちゃんと書き込まれているんですよ。

でも語彙能力と情報量は読解力に必要

じゃあ、読書は全く必要ないのか?と言うとそうではありません。特に小学校時代の読書は必要不可欠です。でもそれは読解力のために必要なのではなく、語彙能力を確保するために必要なのです。だから、「学校推薦図書」のような面白くもない本を無理やり読ませて、子供が嫌がって読書嫌いになってしまうというのは本末転倒です。子供が面白いと思う本、漫画でも雑誌でもいいから、を読ませて、分からない言葉があれば親に聞いてくるくらいの興味を引き出してあげることが肝心です。

この日本人としての必須レベルの語彙能力がないと、中学レベルの説明文がもはや読めなくなります。これが公立中学の通知簿3の下半分で起きていることです。彼らはそれに気が付いても補う努力などしませんから、これ以後教科書だけではなく、物品の取扱説明書も読めないし、ワイドショーを見ても分からないという文盲状態になります。

ところが、この関門をクリアしても高校レベルの説明文を読めない生徒は進学校でも増えてきます。小学校時代も読書はしたし中学でも受験勉強で漢字力や語彙力は維持して来ても読めないのです。彼らは主婦向けのワイドショーを見ても理解できません。学習とクラブ活動と友達とのSNSしかしていないから社会常識や社会知識が不足しているのです。だから、その常識や知識の上に成り立っている文章が読めなくなります。高校で「小説文は読めるが説明文は読めない」という生徒はこれです。

国語の教科書の「学習の手引き」こそ学習の指針

それでは、この語彙能力や社会知識を身につけて上で、国語の読解力をどう学習すればいいのでしょう? 皆さんは見たこともないと思いますが、国語の教科書の文章の後ろ、作者の紹介のさらに後ろに書いてある「学習の手引き」などと書かれている箇所には、その文章でどういう読解力を学ぶのかまとめてあります。「〇〇とはどういうことですか?」とか「この場面の主人公の心情を考えましょう。」などと書かれているはずです。

教科書会社はこのことを考えさせたくて、それに適した作品を教科書に載せています。そして、文科省は各学年ごとに学ばなければいけない読解力の内容をその教科書が満たしていれば検定をOKするんですから、この「学習の手引き」こそ教科書で一番大切な箇所なのです。でも誰も見ていません。

だから、文科省の指導要領に即した読解力育成授業を学校の先生がするには、「学習の手引き」を中心に教える必要があるわけです。「国語の学習 進め方と問題点」の通りです。それに、教師が文科省の指導要領と教科書の文章を見ただけで、「こう教えよう」なんて授業できると思いますか? 数学とちがい「ここはこれを学習します。問題はこれです。」なんて教科書に乗ってないんですよ。無理ですよ。

そういうわけで、教科書会社は教師が授業を進めやすいように「教師用指導書」を用意しています。これは「学習の手引き」の解答と解説を中心に構成されている、いわば教科書ガイドの詳細版です。だから、学校の授業もこの「学習の手引き」を中心に進められているはずです。一度学校のノートやプリントと「学習の手引き」を見比べるとよく分かると思います。

だから、国語の学習は、この学習の手引きを解けばいいのです。そうすれば、文科省が要求する読解能力も克服し、定期テストの問題も解けて、文科省の指導要領の上に作られる入試問題にも対応できることになります。

だから、教科書ガイドを買って復習しましょう

ということで、学校のノートやプリントを見返してください。でもそれだけは分からなかったり、学校のノートなどに乗っていない「学習の手引き」の問題もあるはずです。そのために「教科書ガイド」があります。教科書ガイドには、漢字や語句の説明もありますが、多くはこの「学習の手引き」の答えと解説にページを使っています。だから、読解力を育成するには、教科書の文章がどう構成されているかを解説してある教科書ガイド買って理解を深めればいいんです。

中学生なら多くの塾で使っている教科書準拠問題集もこの「学習の手引き」と似たり寄ったりの問題で構成されています。だから、教科書ガイドをよく読んだ後に問題集を解きましょう。

学校の先生が教科書ガイドを嫌がるのは、①答えが書いてあるので、授業を聞かなくなる。②答えを知っている生徒に授業がやりにくくなる。③教科書ガイド通りじゃん、と教師をバカにする、というような理由です。教科書ガイドを使って、しっかりと復習することに関しては、どう考えても文句はつけられないはずです。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。