安易に理系を進めるな!/文転などロクなことにはならない
安易に理系を進めて履けない理由
入試レベルの数学の恐ろしさを知らずに安易に理系を推す親が非常に多いです。理系を選ぶ子供の安易な選択を止めない親はもっと多いです。入試の数学は、学校の定期テストとは別物ですよ。特に上位国立では、完全に別世界です。学校の数学ごときで困っている子供が進路希望は理系だと夢を語っても絶対に理系に行かしてはなりません。
文系の親は、まずその恐ろしさを知らない。一度上位大学の理系の過去問でも見て下さいな。私の言っていることが理解できますから。特殊な人間しか解けないと思うことでしょう。
数学が得意でもない人間が理系を受け、文系なら行けたかもしれない大学より相当下位の大学に進むことになるのなら、理系に進んでも技術系の就職などありません。高校の数学も出来ない人間がどうして技術職になれるんですか? 就職の際に「理系なんか無理していくんじゃなかった」と言うことになります。看護師や医療技術の資格を取ると言うのなら話は別です。工学やの生物系の技術職で一流企業に就職したい場合の話です。
数学という科目は得意不得意で、解けるか解けないかハッキリとした科目です。英語のように得意な生徒は80点、国立レベルでは多少不得意でも60点ということはありません。入試レベルの数学では80点と30点の差が出ます。国立大学の配点を粗っぽく言うと、共通テスト900点満点、二次の英数理科は、300点、300点、理科は2教科で150点ずつで合計900になります。300点満点で換算すると、150点の差がつくんですよ。共通テストも合わせると、200点の差がつくこともあります。これをひっくり返すのは無理です。
私立の理系なら英数理の3教科受験です。300点満点に換算して数学の得意不得意の差50点分をどこでひっくり返します? ボーダーライン上の生徒が50点ひっくり返せますか?無理です。
この事実に気が付いて高校2年生の後半から文系に変える(文転)する生徒では
文転をする生徒は、ほとんどと言ってもいいくらい、大学受験に失敗します。
理由は簡単です。まずこういう生徒は難しい数学を学習しきれなくなったから文系に「逃げる」わけです。そんな逃げを打つヤツは、文系に転向しても、様々な形で言い訳をして逃げを打つからです。要するに、自分に甘いんです。失敗するに決まっています。そんな自己判断力もない高校生が、今度は頑張るはずがない。本人が頑張ると言ったところで、その頑張りはたかが知れている。
また、文転したからといって学校がクラス変更を認めてくれることは少ないです。そんな勝手気ままを許していれば、教師の配置からクラス編成までメチャクチャになって学校組織が維持できません。すなわち、文系だと言いながら、数学や理科に毎日数時間を使わなければいけない。文系の生徒はその時間に英語や古文を学習しているわけです。数学を途中で投げ出す根気も学力もない生徒が、「じゃあ、その分を家で埋め合わせる。」ほど学習するなんてことはあり得ません。
親も悪いです
こういう文転をする子供の親御さんは、こういう数学の恐ろしさを実体験として知らない方が多いのだろうと思います。数学の苦労を知っていたら、高校1年生で二次関数もままならずに進研模試で偏差値50台の子供に理系など勧めないと思います。私なら全力で阻止します。
塾に来る親子を見ていると、数学の恐ろしさも分からずに「子供の希望だから」と理系を薦める親がとても多いです。私が止めてもそのまま理系に進む場合は、まず全員失敗します。
高1の文理選択時にこの問題をスラスラ解けない生徒は、全員私立の文系です。