amazonやNetflixが授業を配信しだしたら予備校もスタディ・サプリも潰れる/塾に求められる将来

大手受験産業の配信授業の問題点

今配信されている授業は、スタディサプリに代表されるような既存の大手受験産業が配信しているものとyoutubeなどに個人がかなり偏った指向で配信しているものに、大雑把に別れます。

まず大手の受験産業の配信する授業。学校の授業をそのまま配信しているような代物で、生徒に分かりやすく工夫したものでもありません。もちろん、ネットの利点を利用して図や資料などを画面で大写しにしながらより分かりやすく説明する工夫もありません。板書しながら学校の授業をしているオッサンを写しているだけの代物です。

大手の寡占状態で、「より良いものを」なんて全く考えられずに作られている。これは低額のモノだけでなく、バカ高い予備校の衛星授業なんかも同じレベルです。TVのCMで講師の知名度を祭り上げて予備校生や親にありがたがらせているに過ぎない。CMに使う金があるのなら、もう少し番組を工夫しろと言いたい。

そんなことは誰でも分かっていることだが誰もしない。大手が寡占している状況でそんなことをしても勝ち目はないからです。

言うなれば、中途半端な金をかけてドラマやアニメを制作会社が直接作ってyoutubeに配信しても勝ち目はないから、いつまでもTVやメディアの言いなりになって下請けでいるのと同じなわけです。個人や弱小企業が中途半端な金をかけて戦っても勝ち目はないからです。

それで、大手企業のこういう配信が野放しになって、時には高い授業料を貪っている。これは大手配信授業の動画ではないですが、まあこういうレベルの学校の授業並みの授業配信です。分かりやすいわけでも、工夫されているわけでもない。教室で聞いても分かりにくい授業を流しているだけです。

どなたか、この動画見てその辺の高校生が分かるようになると思う方、いらっしゃいます?

個人製作のyoutubeの問題点

個人が作っているyoutubeの配信など、数年かけて50万回再生されたら大喜びという状態です。50万再生というと、広告収入数万円です。まともに大手と戦ったら勝ち目はないので、ニッチな需要に向けたマニアックなものが多くなります。

普通の予備校ではしないような難問の国立大学や医学部の受験問題の解法を自慢たらしく解くような配信がその一つです。多くのyoutuberが財産を投げ打ってドラマやアニメを作らずに、炎上系やペット映像などのTV局が作らない分野で低予算で勝負して、そういうことを喜ぶニッチな視聴者を相手にしているのと同じです。

だから、多くの生徒が望む、「普通の授業を、より分かりやすく」という番組は制作されません。制作側の志向や嗜好に合うものが多い。このような「数学オタク」番組などがその代表です・・・でも、このオッサンは凄いと思いますけど。

この動画を楽しめるなら、上位国立大学理系に進めます。

じゃあ、amazonやnetflixが配信授業をしだしたら?

それでは、amazonやNetflixが大手受験産業など及びもしない予算で、現状の問題点をきちんと把握している人間をプロデューサーとして雇い、個人でyoutubeの授業を作っているような有能な講師や教師を高待遇で雇用し、グラフや資料を提示しながら作れる制作メンバーを確保して動画を作成したらどうなるのか?

そして、amazonやNetflixが月5,000円ほどで5教科、全学年見放題、「予習・復習から、分からない時にチラリと振り返る時まで、いつでもどこでもスマホでご自由に!」なんてやり出し出したら・・・・衛星予備校はもちろん普通の予備校はおろか、学校でさえクラブ活動以外に取り柄はなくなります。

今NetflixなどはTV局から人材を引き抜き、制作会社と直接契約し、専門学校などの授業料を肩代わりして奨学金なども与えて若手のアニメーターなどを育成しています。そして多額の金をかけて番組を制作する。

その結果Game of Thronesなんかを見たら、大河ドラマなど見る気も起らない状況になっている。同じことを教育産業でも大手配信会社がし出したら、受験産業や衛星予備校はもちろん、人手不足から能力不足の講師が授業を教室でしているほとんどの集団授業塾や予備校は潰れるでしょう。

そんなことは、今のTV局を見ていたら一目瞭然です。既存のメディアが寡占システムの上に胡坐をかいてロクでもない番組を作ってNetflixやyoutubeに視聴者を奪われているTVの現在が、寡占システムの上に胡坐をかいてロクでもない授業と生徒指導をしている学校や予備校で将来起きるでしょう。

生き残るのは、上に挙げたようなマニアックな個人のyoutuberでしかない。

Game of Thronesを見たことがない方へ。大河ドラマなど話にもならないです。

ロケ地はドブロブニクだと思いますぅ~。CGで弄ってますが、あの時計台とその前景の提督の館は間違いないっす。

将来、塾や予備校にできること

でも、「現場」を預かる学校や予備校、塾にしかできないことがあります。それは、未熟な生徒を管理することです。

このことは、学校から予備校、塾に至るまでどの教育現場でもできていません。中学・高校・予備校とも担任や教室長と生徒は挨拶ぐらいの関係性で、数カ月に1回20分ほど面談をするだけです。各教科の担当は、100人以上の生徒を受け持って板書をするだけです。

そんな薄い関係性だけで40人もの部下を査定し指導する上司が会社にいますか? 大人相手でも不可能なことを未熟な子供相手に出来るはずはない。それをしているのが学校や予備校です。

個別指導にしたって、授業を担当しているのは大学生で、子供が子供を教えているような状況で、教室長との関係性は学校の担任以下です。

充実した授業がネット配信されるようになればなるほど、性格や学力、進路や将来を考えて、子供を全方位から理解して指導できる能力を持つ大人が子供と長時間相対できる塾が必要になると思うのです・・・という当塾の宣伝でした! 

けれど、半分はそうなると思います。塾は「学習内容を教える」ことから、生徒をマネジメントできることがより重要なことになってくる。言い換えれば、教えている側の大人としての実力が大切になってくると、未熟者の私は思うのです。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。