数学の解答が分からない理由/数学の苦手を克服するには?
数学の解答の解説が分からない理由:基礎編
解答の公式の代入や式の展開を見て「アア~、そうなんだ。」と書き写す生徒は、例外なく数学ができません。
これは、数学の解答に重大な問題があるのです。数学の解答には「こう解きま~す」という式が書いてあるだけです。問題や式の特徴から、どこに目をつけて、なぜその公式を使うのかと言う一番肝心な「ポイント」が書いていないからです。だから、そのポイントを理解できていないと、解答を書き写したところで、丸暗記したところで、問題文を少し変えられればできなくなるのです。そして、多くの数学では授業でも「こう解きま~す」と解答丸写しの板書をされるだけなので、学校の授業でやった問題と少し違う問題集の問題が解けなくなります。
私には、何で「ここに目をつけろ!」という教え方を授業で教えないのか、参考書に書いてないのか、よく分かりません。
解法のポイントが書いてない・教えられない理由
ひとつは、授業をやったり、参考書を書いている側の人たちが、そういうことを意識しないでも自然にできた理数系であり、多くの生徒がどこでつまずくのか理解できていないことにあると思います。同じことはスポーツでも起こります。「こうすればできるじゃん」とコーチに言われたことができないのと同じです。コーチが自然に出来た「こうすれば」が一般人にはどうすればいいのか分からず、自然に出来たコーチは「どうすれば」を教えることが出来ないんです。「スポーツ・インストラクターから学ぶ「教えること」「学ぶこと」」
もうひとつの理由として、どの問題集、どの授業、どのスポーツ教室も同じようなタイプの人間が教えているので、内容や教え方で差がなく、品質向上の競争が起こっていないと言うのがあるからです。これは教育業界の大きな問題でもあります。教えられる能力の人間は出来ない人間の悩みが分からないし、悩みが分かる人間は教えられるだけの能力がないので、この問題は積み残されたままで何も改善がされていません。
教えられる側の問題点
教えられる側も、書いてある通り、言われた通りするだけで、何も考えていないからポイントを把握できないのです。「この公式はこの条件とこの条件を使う。この問題はこの条件とあの条件が書いてあるから、どうすればいいんだろう?」などと考え、違う公式を引っ張り出すのか、あるいは式などを変形して使えるようにしろと言う問題なのかも考えずに「できません~ん」「教えて下さい!」しかしないからです。
数学は、この自分でどこまで考えたかが勝負であり、暗記物の英語などより遙かに学習に時間がかかります。だからほとんどの生徒は出来るようになるまで自己努力することなしに「できません」と言う状態から抜け出せません。「この問題ではこういう条件からこう考えたが、どこに判断ミスがあるのか?」「式をこう展開していって行き詰まった。どこに考え違いがあるのか。」程度の質問ができるところまでまず自分で考えない生徒は、数学の学力など誰が教えても向上はしません。
「教えてもらえば」と安易に考える親御さんにも問題があると思います
「教えてもらえば数学も・・」とお考えのお母さん、数学得意じゃなかったんじゃないですか? 数学を出来るようにした経験がおありなら上に書いたようなことは分かっているので、「教えてもらえば、出来るようになる。」は言わないはずです。
それだけでなく「ポイントを教えてもらえば。」も言わないと思います。いくらポイントを教えてもらっても、それが「ああ、そうか・・」と飲み込める状態にまで自分で鍛えていないと、ポイントを丸暗記して、違ったポイントが出されたら出来ないことを繰り返すだけだからです。
数学もスポーツと同じで教えられただけでは上手くなりません。「こうしたらできる」と自分で納得するまで、自分を追い込んで鍛え上げることが必要なのです。これができない生徒は、全員私立文系です。
当塾の教え方
当塾では、このポイントの把握が理解できる状態にできるよう、春休みや夏休みに、半年分ずつの予習をしてもらいます。一問一問自分で考えて、自分で解いてもらいます・・・もちろんその過程で、解き方やつまずいているポイントは親切に教えますよ。こういう学習は時間がかかるので、長い休みにド~ンと時間を取ってするしかないんです。だから、夏休みに遊びたいと思っている生徒は、私の塾では採りません。
一度苦労して、数学のアプローチの仕方を身をもって知れば、その後は「ああ、こう考えるのね。」と解法を見ればポイントを把握できる状態になります。数学の得意な生徒が、それほど学習時間を取らなくても成績が良いのは、一度必死の努力をしてこのステージに上がったからです。「高校生の学習」「数学の学力を上げる最良の方法」
真面目に勉強していても数学ができない生徒の言学習/学校の課題の問題
この自分で考える時間をド~ンと取らずに、授業の予習や復習を細切れのようにする生徒です。学習時間が短いので、学習内容は解法を読んで真似ることしかしないため、毎日真面目に学習していても、いつまでもポイントを把握できるステージに上がれる学力が身につかないのです。
そして、この細切れの学習を助長しているのが学校の宿題、とり分け進学校の膨大な宿題です。生徒は宿題に追われ、解法を見て「こう解けばよい。」と暗記する小走りの学習しかできず、いつまでもポイントを把握できるステージに上がれないんです。これが、進学校で勉強してもしても、公立高校の生徒並みの成績と進学先になる大きな理由です。「真面目に勉強している生徒の学力が下がっている不思議/学校と塾の過当競争が生み出す悲劇」「進学校とはどういうところか?/優秀な生徒を搔き集め、チャート式も理解させられず多くは関関同立で精一杯、そういうところです」
進学校の数学の教師は、最初に書いたように、この状況が分かっていない。「やったらできるのに、何で出来ないの? それは自分の責任でしょ?」程度しか、数学が得意で教師になった人間は分かっていないのです。