10年後、中学受験はなくなっているのではないか?/私立も塾も大量倒産する
中学受験していなかった世代が中学受験に邁進し、その犠牲になった子供が親になる
今の親の世代が子供の頃、中学受験するなんて子供は特別に頭が良く灘や甲陽に挑戦する子供か、あるいは裕福な家で「子供に苦労させたくない」と関学や甲南の付属に進む子供くらいしかなかった。そこまでは行かなくても、今ほど一般的ではなかったです。
ところが私立が増設され、猫も杓子も中学受験するようになりました。学校も受験産業もマスコミも「経済格差は学力格差」などという大ウソを煽った結果、親は中学受験させざるを得なくなった。あるいは、「私立に通っているウチの家族、イケてる?」とインスタ映えを自慢するようになった。「経済格差は学力格差という大ウソ/教育業界の広告戦略に載せられる親たち」「中学受験の本質が生む悲劇/溢れかえる「合格しました!」ツイートの5年後」
そして、裾野が広がった中学受験では、ほとんどの子供は親が期待する、自分達が期待する大学には進めなくなった。それどころか、同じレベルの学校が多く作られ、分散して数少なくなった優秀な生徒の学力を上げるために学校では下位の子供など落ちこぼれようが構っていられない授業をするようになった。進学校とはどういうところか?/優秀な生徒を搔き集め、チャート式も理解させられず多くは関関同立で精一杯、そういうところです」「
宣伝になる上位の生徒のために、他の生徒は落ちこぼれようがお構いなしの授業を進める結果、苦労して苦労した挙句、公立高校でのんびりと学習して基礎さえ理解しておけば進める関関同立にも進めない生徒が、有名な進学校でも半数にも上るようになった。「関関同立でよければ、無理な中学受験は百害あって一利なし/大量の落ちこぼれを生む進学校など不要」
中学受験の犠牲者が親になると
この悲惨な体験をした子供が子供を産み始めています。もう10年もすると、この子供たちが中学受験をする子供の親になるんです。自分の子供に同じような辛い思いをさせようとは思わないだろうし、灘や神戸女学院に行けるレベルにないと中学受験しても大したことはないと思い知っているはずです。わざわざ子供に不必要な苦労を金まで払ってやらせる必要はないと知っているんです。
10年後、中学受験をさせようという親が増えると思いますか?
それに加えて、経済的にも立ち行かなくなり中学受験どころではなくなる
それに加えて、日本の経済力は地に落ちています。「日本のレベルは1972年に落ちている/5年後は1960年代=開発途上国レベルに戻る?/円安こそ最悪の既得権益だ!」と書いた頃より、さらに円安になって、日本の経済力は開発途上国に落ちるようなレベルにまできています。
円安になっても輸出するものがなく、海外移転した工場で儲けてもカネが海外で再投資されるだけで、日本は豊かにならない。輸入物価は上がって、とうとう貿易赤字が慢性的になった。これは会計上の経常収支が黒字でも、実際日本に入ってくる金は赤字だということです。貿易収支が赤字で繁栄する国はありません。為替は金利格差やマネーのバラまきだけを反映するものではなく、長期的な国力も反映する。だから開発途上国の通貨は弱いんです。
その開発途上国で私立の中学や高校に親が喜んで金を払う余裕がある国はありますか? 日本も60年代や70年代は、灘などの特別な私立が少数あるだけで、今のように公立と大して変わらない親の見栄だけのためにあるような私立はなかった。
見栄など金と余裕があるから張れるのです。金がなくなる将来は中学受験などないと思います。それに、少子化がますます進んで、関関同立程度なら今よりも苦労しなくても入れるようになります。今でも学校から配られる問題集ができていれば入れるんですから、将来は教科書さえ分かっていれば入れるようになるんじゃないでしょうか?「「関関同立は難しくなった!」/キチンと勉強していたら、どの学校からでも入れます/昨日もお電話で相談があったんです」
元号名通りの「平成」で平らに成長が止まり、「令和」になって転げ落ち「昭和」に戻るんですよ。