成功のカギは「しつこさ」/しつこくなれる資質/80%の子供にはない
堀江貴文とは思えないビジネスの基本/学歴の必要性
堀江貴文は、ビジネスの基本は客を呼び来む営業のしつこさ、資金援助を頼むしつこさであると言っています。我々が彼をイメージするときのスマートさとはまるで正反対の言葉です。また、「成功するまで続ける」ことが大切だと言っています。
学習でも同じで、点数を取ろう、いい大学に行こう、成功しようとすればできない問題、覚えられない単語をしつこく繰り返す「しつこさ」が必須です。そして、自分でできるようになるまで続けるのです。
こうして受験を乗り切ってきたから、高学歴者には実務遂行能力があると評価され、就職もいいのです。口だけで「受験は頑張れなかったかもしれませんが、御社に入社したら頑張りますっ!」という若者など、新卒採用では評価にならないのです。
「しつこさ」の理由
ところが、ここでこの番組は面白い展開を見せます。「じゃあ、そのしつこくなれるのはなぜなんですか? 面倒くさいでしょ?」と堀江貴文に聞くわけです。彼の答えは「しつこくチャレンジすれば成功することを知っているから。」です。これは、できるまで粘り強く頑張れば成績が上がることを知っている成績上位者の経験と同じです。
そして、「じゃあ、そのしつこく、面倒なことをトライできる、最初の一歩は何なんですか?」と司会者が聞きます。素晴らしい質問です。堀江貴文の回答は「分からない」です。そう、これが多くの塾でもやる気のない子供をどうして指導すればいいのか「分からない」と同じなわけです。
結局、最初の一歩は、上昇意欲、プライド、負けん気・・・そういう資質がドライヴィングフォースになり、できるまでしつこく頑張れば成果が得られることを知っていくわけです。でもそんな資質がある人間は限られています。
子供に「しつこさ」を教えるのは難しい
ここで、もう一人の参加者の田中社長が、「でも、従業員に客を呼び込めと言ってもしない。それで売り上げが上がると分かっていてもしない。」「だから、毎日電話をかけてノルマを言いつける。」と言っています。
雇われの身、特にサービス業で雇用されるような若者にとっては、そんな面倒なことなどしないわけです。勤める年齢になって給料をもらってしない人間に、中学生や高校生のころから「自分の将来のために頑張れ!」なんか言ってもしょせん無理なんです。だからこの社長は「ノルマ」を従業員に課し、塾や学校は宿題を課します。「将来を掴み取るために頑張れ!」なんか、たいていの人間にはクソの役にも立たない。
でも、たいていのバカ店長も80%の子供も「やらされ感」だけで終わってしまい、その業務や宿題から成功体験を学んで自分の原動力にはできません。もちろん、きちんと説明をし、こうすればいいからと言って、それでうまくいったとしても「俺ってデキるんだ。もうつべこべ言うなよ!」と思いあがる人間が大半です。しつこく指導して何とか中学受験や高校受験を乗り切らせても、自立時期になった17歳や18歳では「前の受験でもできたし。これからもできるんだからほっとけ!」と言って肝心な大学受験を失敗する生徒は非常に多い。
大半の人間は、人から敷いてもらったレールでは「しつこさ」なんか学ばないし、もちろん自分でレールを敷くことはない。堀江貴文の言うように、この頑張りの原動力は説明がつかないものです。人間が生まれながらに持っている「闘争力」という資質以外の何物でもないからです。少なくとも他人が指導できる要素はとても少ないです。
闘争力がない子供は国立大学は無理
この闘争力がない子供は、神戸大学以上の国立大学への進学は不可能です。
大人が見て「コイツ、もうちょっと頑張られへんのか?」などと思う子供は、せいぜい関関同立です。他人の子供や自分の部下を見ればすぐに分かるこんな簡単なことが、自分の子供のことになるとまるっきり分からなくなるのが親と言う生き物なのです。
だから有名大学を夢見て無理な中学受験をして、進学校に下位で無理やりねじ込んで、落ちこぼれさせて子供を潰すんです「関関同立でよければ、無理な中学受験は百害あって一利なし/大量の落ちこぼれを生む進学校など不要」。
その上最近では、こういう親御さんが爆増しています「この5年間の生徒・親の変化/中流の崩壊は大人社会だけではない」。親心に付け入って甘いことばかり言って客寄せをする教育業界の宣伝を真に受けているのです。
特殊に学習適性がある灘などの最上位0.1%の生徒を除き、上位10%そこらの生徒では、私に「お前、そこまで頑張ったんやからもうエエやないか。」と言わせられない高校生、親に「そこまでやったのなら失敗してどこの大学になろうとも面倒は見る。」と言わせられない高校生に神戸大学以上はない。今までの経験上断言します。