数学の解説が分からない理由/スポーツのインストラクターと同じ/数学を勉強しても成果が上がらない生徒へ

数学の解説が分からない理由/数学バカの解説

数学の解答には式が書いてあるだけで、どこに目をつけて、なぜその式になるのかという一番肝心な「ポイント」「考え方」が書いていないからです。

解答には式や証明方法だけ書いてあり、普通の生徒はその式や証明方法にどういう思考回路でたどり着いたのか分からないのです。問題集を書いている人間は生まれつ数学が得意な天才系統の人間です。彼らには「だって、そうなるじゃん。」しか頭にないのです。だから、チャート式などの解説を見ても、生徒が分からないところはまるっきりスルーして、そんなところは分かっているところをことさら細かく解説していたりします。要するに、読んでいる人間が何を分かっていないのか、何をどう説明したらいいのか分かっていない人間が書いているのです。

これと似ているのがスポーツ音楽の解説書です。生まれ持って得意で、最初のステップで苦労せずにスルスルと上手くなった人間が書いているから、初心者の何ができないかまるっきり分かっていないものがほとんどです。説明しようがないから写真などを載せて「こうするんです」とフォームを教えにかかる。それが出来るのだったら、そんな解説書を読むかい!

まあ、それを説明するのが塾の役割なんですが、塾でも解答丸まんま板書して「こう解くんですよ~」っていう授業多いです。理由は参考書の著者と同じ系統の人間だから。これは、スポーツや音楽のインストラクターも同じです。そしてできないと「なんでできないんですかねぇ~」とか言いだす。自分が素人や生徒相手に分かる解説をしていないことが、まるで分かっていない。

「なんでそう解くのか?」を理解できるには、まず数学の解法の理屈を理解して、題意を把握できないとダメ

関学などの基本的な入試問題レベルの「なんで?」は教科書やチャート式に例題に載っているような基本的な解法が埋め込まれているわけですから、解答の式などを見て「アア~、あの話か」→「だから、問題式はああいう形になってるんか・・」と逆算して「題意」を把握できなければ解けないわけです。まあ、例で挙げるなら、今高2が数列をやってますので、こんな程度ですかね? 三項間漸化式 兵庫県立大

この逆算を解説してある入試問題集も少ないんです。数学バカが書いているから「当然アレ使うでしょ。」の姿勢から書いてあります。だから、基本学習をすっ飛ばして「過去問題を解こう」などと言っているレクチャーはクズです。県立大の解説でも、多少数学バカ気味ですが、ポイントも解説してくれています。もちろん、チャート式程度の基礎学力はあるという前提の解説ですが。基礎学力アリの前提のこの程度の入試問題の解説を聞いて「?」の高校生は、私立文系です。数学なんか学習するだけムダです。

これが、国立大学レベルになるとチャート式の重要例題や章末問題などの応用問題が解法に埋め込まれているわけですから・・・以下二つ上の段落と同文。で、バリエーションは大きく広がっていくわけです。こんな程度ですかね? 金沢大 漸化式 もう、ポイントが複数個入っている問題で、それも応用問題レベルのポイントがぶっ込まれています。まさにTHE入試問題の風格です。こういうのを見てビビらなくなることが、理系の登竜門です。

知恵がないと解答をいくらおぼえても無駄

上の金沢大のレベルの問題が解けなくても、解答から問題を見返して「アア~なるほど」と題意を掴めないと、一生入試問題など解けません。ただ勉強して、解答丸写ししているだけではダメなんです。そして、入試問題この「アア~なるほど」ということができるまで、散々泥の中を這いまわる自助努力が必要なわけです。「数学の学力を上げる最良の方法」に書いた通りです。

自分で泥の中を這いまわってチャート式や入試問題集を自力で解いて苦労した後でないと「ホラ、こうなってるやろ~」っといくら教えられても、他人から「こうやろ」って教えられてもほコツなんか掴めませんよ。仕事でも、若手の間に苦労した経験がない人間にいくら仕事を教えても無駄でしょ?「メソッド」や「教育」ってほざいている若手社員にいくら仕事を教えてもモノにならないでしょ?学習も同じですよ・・・だから、受験を通してそのことを分かっている若手を取りたいから、学歴で選ぶんじゃないんですか?「勉強する理由 なぜ学歴が大事なのか?」の通りです。

解答が理解できるようになるには、泥の中を這いまわれ!

兵庫県立大学は、普通の特定方程式の問題から少しだけずらしてあります。こんな問題でも、最初は「ああでもな、こうでもない」と1問1時間程度かけて考え抜くことなんかザラです。チャート式を解説を読みながら解いている「見よう見まね」だけでは、一生解けるようになりません。応用問題のバリエーションは全部把握できないわけですから、解法と言う知識と共に、自分で題意を把握できる知恵の育成が必要なわけです。知識は見よう見まねで手に入りますが、知恵は自分で考え抜かないと手に入らないんです。

だから、数学の学習は時間がかかり、学校や予備校の授業に振り回されるような予習や復習をしていてもダメなんです。夏休みや春休みの長い休みにドカッと時間を取って散々苦しまないとこの壁は超えられません。数学が解けるか解けないかは、この問題ができたとかできないとかいう話ではなく、この壁を越えて「アア~」という知恵が身につけられるかどうかにかかっています。そのレベルが基本的な入試レベルか、国立レベルかと言う話です。この壁を越えられない生徒は、私立文系です。HPの「高校生の学習」に書いてある通りです。

解説的な授業が役立つのは「アア~」から

「アア~」が済むと、人から「ホラ、こうなるじゃん」と難問で解説を受けても「なるほどねぇ~、誰がそんなこと思いつくねん!」」とかいうレベルになって、国立大学の数学のラインに乗ってきます。知恵があるから、知識のポイントをサクッと掴めるんです。まあ、金沢大学の方がそのラインです。ただの漸化式の問題じゃなくって、関数や数列の考え方が組み入れられて捻ってあります。この動画見て「分からん」と言う高校生は国立大学は止めといた方が良いです。

先天的に数学が得意で「アア~」が生まれながらに出来ている生徒以外は、高校1年と2年の春・夏休みに泥まみれになって考え抜く学習なしに、国立大学も理系もありません。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。