勉強ができる子と出来ない子の差/公立高校の入試の得点から考える。
学区最高位の神戸高校と中堅校の芦屋高校との学校のテストの得点差
神戸高校に進む生徒は、公立中学の定期テストでは平均85~90点という非常に高い得点を取って、通知簿はほぼオール5です。ところが芦屋高校に進む生徒は60点やら70点やらを取り続け、通知簿には3と4が並びます。調査書の点数は神戸高校なら250点満点で230点ほど、芦屋高校なら185点ほどになります。まさにこの通知簿の差なわけです。
学校の成績は全く違うわけです。前者は放っておいても自分から頑張るし、後者は調査書が決まる大切な中学3年生のテスト前でも基本学習もできていないスカスカの勉強をします。でも、後者の生徒にいくら言っても直りません。
だから、親は「もっとキチンと教えてくれる塾に」とか「塾との相性」とか言いだします。
入試当日のテストの差は?
当日の入試結果のデータはまとめられているものは「進研ゼミ高校入試情報サイト」程度しかありませんが、この情報によると、入試当日のテストが平均80点くらいで神戸高校に合格しただろう生徒もいれば、芦屋高校に70点くらいで合格した生徒もいます。中学校での成績差ほど大きな差はないわけです。
では、なぜこのようなことが起こるのか?
中学の学習など冬休みからの2か月でどうにでもなる
芦屋高校に進むような子供は中学3年生の冬休みまで、簡単な同じ問題を間違い続け、「分かれへん」「でけへん」を繰り返して、学校のテストで60点を取り続けます。それでも、「できれば御影高校」と上位の志望校を言い続けます。しかし、中学3年生の12月の親子面談で「芦屋高校と仁川か報徳」と言い渡され、冬休みに過去問題を解いて合格点に足らないということに、多くはなります。
こういう子供は、そこから初めて本気を出します。すると、何と言うことでしょう~! それまで3年近く「でけへん」「分かれへん」と言ってきた問題を、それから入試までの2ヵ月少しですべてクリアして上に書いた点数を取ってきます。それで、神戸高校に行く生徒との学力差は驚くほど埋まるわけです。
毎年、毎年、毎年、例外なく、公立中学で真ん中くらいの成績で「できれば御影高校」って言ってきて、最終面談で「芦屋高校と仁川か報徳」に矯正された子供で繰り返されるこのバカげた通過儀礼を、数えきれないほどウンザリと眺めてきました「中学3年の冬休みまで本気を出さない子供たちの将来」。
この入試前の時期、私は本当に楽になります。ほぼ教えることなどありません。自分で勉強し出せば、中学程度の簡単なことなんかで塾で聞くようなことなどほとんどないんです。「でけへん」「分かれへん」のではなく「やる気がなかった」「真面目に取り組んでこなかった」だけなんです
親の間違いが助長する
中学の学習などこんな程度のものなのです。それを親は「どうしたらいいんだろう?」「学校が悪い?」「塾の相性が合わない?」など考えます。
いや、アンタの子供がだらしないだけなんです。ヤル気を出したらできるのに、親がそんなだから子供はダレているんです。「学校が悪い?塾が・・」なんか言う前に、「公立で通知簿3って、舐めてるんか? 」とスマホを取り上げ、「御影に行かれへんかったら、中学出て働け。本気やからな。大人を舐めるなよ。」と言い渡すことです。
こういう子は反省するのではなく、のど元過ぎれば・・・になる
真っ当な頭なら、「高校受験の反省を糧に」頑張ろうと思うわけです。少しマシなら、大学受験では借りを返すと頑張るわけです。ところが、このレベルの生徒は「ラッキ~、入試前に少し頑張ったら合格できた。オレってデキる子なんだ。」と絶賛自己評価をして、中学時代より酷いことをし出します。その結果がこういうデータです「高2生、3割が勉強時間ゼロ 希望進路で差、文科省調査」。
この高校の時期になると、親の脅しも聞かなくなります。だから、いずれにせよ、どこかで落ちこぼれる。高校や中学も入試で親が尻を叩いても、大抵は高校で本性が出ます。
いや、本性じゃない!教育で直るはずだ!そんなことを書くのは塾の逃げだって? 私は20年以上、子供を直接個別で教え続けてきて、全面的に「努力できる遺伝子」の存在に同意しています「努力できる遺伝子/グローバル化・中流没落が生む選民思想」。それは、こういう状況を散々見てきたからです。
大学入試では通用しない
ところが、高校の勉強は中学より格段に難しく、大学入試前に少し頑張ったくらいではどうにもなりません。2年以上も学校の授業を聞き続けて、「難しいから、もう少しやっとかないとアカンな。」とも思わないんですよ。こういうオツムの連中は。
それで、3年生の夏休みに根性も見せずに投げるんです。定員不足のFランク大学に自己推薦やら学校推薦の願書を送って、自動合格で終了です。
この状況を改善するには?
中学や高校からどうにかしようと思っても遅いと思います。小学校で勝負はついています。そのことについてはここに詳しく書いています「学歴とは何なんだろうか?/少子化と大学の定員から考える」。
解決策は、中学受験するにしろしないにしろ、厳しく教えてくれる中学受験塾に通わせることです「私が親なら行う子育て/簡単で間違いがない/ゲーム・そろばん・公文・中学受験を利用」。保育園の延長で野放しの小学校と甘い親だけでは、上に書いたような子供になり、そのまま反抗期に突入して終了です。学習や受験の前に、キチンと躾をされていないからです。「挨拶をする」などの表面的な話ではなく「努力をする」という躾です。