「マイペース」に逃げる親子とそれを餌にする大手予備校のシステム

当塾を20年間以上経営し、多くの受験生の努力とその結果を見てきました。 その中で、難関大学(国公立や関関同立以上)に現役で届く層と、途中で失速して落ちていく層には、はっきりとした学習計画のついての「決定的な違い」があります。

それは、「マイペース」という言葉の解釈です。

1. 本来のマイペースと「怠惰の言い訳」

大学受験、特に公立高校からの国公立大学(理系)や関関同立以上の現役合格には、絶対に動かせない「入試当日という期日(デッドライン)」が存在します。

合格から逆算すれば、高校生が基礎学習を終えて、受験科目の入試演習に入るための「現実的なタイムリミット」は、日程数から決まっています。

ここでは数学の例を挙げて例えば、国立大学を志向するのなら

  • 高校3年の9月には共通テストの準備に入らなければいけない。共通テストの過去問を中心とした学習になる。なぜなら、癖の強い共通テストに慣れて高得点を狙うには、7年分程度の学習をしなければいけないから。一教科のテストを受けるだけで90分、答え合わせを見直してそれだけで3時間程度の学習が潰れてしまう。もちろん二次テストの学習も並行して行わなければいけないのですから、1日一教科の過去問を解くだけで。で精一杯です。 それにその間違えた原因がその分野の学力不足にあるのなら、その分野全体をもう1 見直さなければいけない。1年分の9教科の過去問題をするのに二週間近くかかります。7年分を学習するのに4カ月近い計算になる。だから9月の後半には始めないと間に合いません。
  • ということは、高校3年生の夏休み終了時には、難問も多い国立大学の二次試験の入試問題をほぼほぼ解けている必要があります。 9月からは共通テスト中心の学習になるのですから、ここから本格的にチャート式レベルの基礎学力から入試レベルの学力に上げることなど到底できるわけがないのです。ところが、もちろん国立大学の二次試験の問題なのですから、チャート式ができる程度のレベルでは歯が立ちません。このレベルの高難易度の問題に慣れ学力を上げるのには1年近いトレーニングが必要になります。
  • ということは、どう考えても高校2年生の夏休み終了時あるいは遅くても秋には、理系なら数Ⅲ、文系なら数ⅡBC[の数学を終えている必要があります。
  • ここでお分かりでしょう。私立の中高一貫校が中学校の学習を中学2年までに終えて高校の学習を中学から先んじて学習するのは、この準備期間を取るためです。どんな難関の公立高校であったとしても数三の学習は高校3年生の半ば過ぎに終わります。チャート式が終わった基礎学力しかない時点で目の前には共通点数がそびえ立ち、一方で難関の国立大学の入試問題などを見たら「一体全体どうしたら解けばいいんだろう」というような状況です。
  • ですから必要があります、特に公立高校の国立大学の理系志望者は、学校の授業などを無視したペースで予習をしていく必要があります

本来、目標に向かって進む受験生が使うべき「正しいマイペース」とは、この動かせないスケジュールとノルマに対し、自分の弱点や処理能力を踏まえ、「最も確実にやり切るために自分で負荷をコントロールするペース」を指します。

ところが、努力の経験値が乏しい生徒が口にする「マイペース」は違います。 彼らの言うマイペースとは、目標からの逆算ではなく、単に「今の自分が痛みやストレスを感じずに済む、心地よいペース」のことです。

期日に間に合わないペースは、戦略でも何でもありません。ただの「怠惰」に過ぎません。

学習スケジュールに関しては「上位国立大学に必要な学習・スケジュール」「神戸大学や大阪大学/上位国立大学合格への道」「国立大学の理系には公立高校から現役では難しい?/中学受験は必須」「国立大学か、関関同立か、産近甲龍か、簡易判別法」「あなたは理系に行けますか?/文系でも国立大学に進めますか?」などをご覧ください。

2. 「目標は下げないが苦しみたくない」という子供を餌にする予備校

ミドリゼミでは、生徒の理解度に合わせて教え方の工夫はいくらでもしますが、「入試までに必要なスケジュールの変更と合格に必要な学習の総量」を削ることはしません。

そんなことをすれば、生徒は不合格になって、後々後悔をすることが目に見えているからです。だから私はマイペース=自分の心地よいペースでしか努力できないどういう生徒には、その心地よいペースに合った志望校への変更=はっきり言って志望校を下げることを提案します。

ところが、そんな厳しい要求に不満を抱く高校生が多い。私立への変更もしたくなく、国立大学だと高望みを続けながら努力もしたくない子供が実に多い。そうしたら、そういう子供はどうするか?それをOKだと言ってくれる予備校や塾がないか探し回ることになります。

そして、「マイペース=今の自分が痛みやストレスを感じずに済む、心地よいペースで学習していれば合格できるシステムがある」とそういう子供たちを言いくるめる予備校や塾がとても多くなっています。

例えば、「授業=講座を取って聞いていれば分かります。学習の理解確認はテストで行います。そしてフォローも行っていきます」ということで、以下のような多額のパッケージを隠して生徒を呼び込みます。

  • 授業を座って受けているだけで「分かった気」になり、自力でペンを動かす痛みを避ける。
  • 確認テストで落ちても、解説の答えを丸暗記して再受験し、システム上の「合格マーク」をもぎ取って先に進む。
  • 成績が伸びなければ、「努力不足」を指摘されるのではなく「講座が足りないから」と新たなパッケージを追加購入させられる。

ところが、ここで抜けているのはそんな講座を取ったところで受験までのスケジュールと、学力を上げるために必要な努力は全く変わらないということが抜け落ちてるということです。

3.システムはあれば何でも解決すると思っている中下位層

最近は学校でも塾や予備校でも、あるいは会社でも、できないのはそもそも自分の努力や実力がないからだということは考えずに、すべてシステムが悪い、教え方が悪いと他責化する若者が増えています。

特に努力をして何かを成し遂げたことがない若者については、人より人一倍の成果を得るには一人も努力をしなければいけないということが分かっていません。その努力の道筋としては合理的で効率的なものはあるだあろうし、自分に合った方法もあるだろうが、そもそも努力をしないで成し遂げれるようなものはないということがわかっていない若者が大量に出てきています。

私の経験上、上位の国公立大学に進む層は、この効率化(自分にあった正しい努力方法)と努力の関係を正しく理解できて、正しい方法で、自分に合った方法で必死に頑張ろうとします。関関同立に進む層では、自分ができる努力量を考え、その範囲の中で正しい方法で、自分に合った方法で頑張ります。

ところがそれ以下になると、この正しい方法自分に合った方法=の自分が痛みやストレスを感じずに済む、心地よいペースで学習というのが最優先になって、必要なレベルに学力を上げるにはどう努力すればいいのか、あるいはどれだけ努力の量が必要なのかということが理解できていない生徒がほとんどになってきます。

4.学力フィルターの理由

大学の就職状況などを見ていると、おおよそ一流企業というものところにはこの関関同立以上の層でほとんどが占められます。だから。必死で努力する土台がある、あるいはそれなりに自分ができる範囲で努力できる人材というものが一流企業の採用基準であることが分かります。

それこそが学力フィルターでなのです。

いくら「御社に入ったら頑張ります」と言ったところで、じゃあ人生の一大事の入試ではあなたどうだったの?という目線で見れば一発でその人間性がわかるからです。なぜなら、採用する側は、そうして生き抜いてきた人種だからです。システム面接塾などの上っ面だけの若者など面接することすら時間の無駄で、書類選考でフィルターをかけることが合理的だと分かっています。

「そんなことはない。そんなことをしたら学歴フィルターで取りこぼした中にも努力できる人間がいるかもしれないじゃないか!」という怒りを持つ方々、大勢の中からごく少数をわざわざ選びに選び抜かなければいけない非効率なシステムは嫌だったんじゃないんですか?効率的な学歴フィルターのシステムで十分な人材が確保できる一流企業が、なぜそういう非効率なシステムを導入しないといけないのでしょうか?

そんな当たり前のシステムさえわかっていないから、塾や予備校のシステムビジネスにだまされたのです。

5.子供のアホさを助長する親目線

こんな学力フィルターの存在は、企業に勤めている人間であれば誰でも分かっています明確なラインがあるはずです。自分の会社に入ってくる新入社員の学歴を聞けば、明確なラインがあるはずです。

その一般社会では日々この学力フィルターと付き合っている親が、自分の子供のことになると全く違った目線になります。

上にあげたように必要な学習スケジュール=正しい学習スケジュールをいくら説得しても、甘っちょろい子供の方に親がすり寄っていって「もっといいシステムがあると思うんですよ」などと言い出します。自分も受験経験があり会社では若手社員の仕事の様子などを毎日見ている人間がです。会社の若手社員と自分の子供を比べて、こういう親はどう思ってるんでしょうか?

受験勉強でさえ満足に努力できないのに、自分の子供であればどこかの一流企業が拾い上げてくれると思ってるんでしょうか? 自分が企業では一切そんなことはやらずに、そんな学生が来たら鼻であしらってるのにです。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。