教育業界と似通っている業界 Part3 親の責任
では、なぜこんなビジネスがまかり通るのでしょうか?原因は2つあります。
教育業界に食い物にされる理由 初心者だから
まず以前も述べましたが、少子化でお子さんが1人か2人しかいないご家庭では、子育て初心者のままあれよあれよという間に子育てが終了してしまうということが原因です。上の子の子育てを振り返る暇もなく、次の子の受験だなんだと振り回されている間に子育てが終わってしまう。
失礼ですが、慌てふためいて目が回っている初心者の手をひねるぐらいプロの業者にとっては簡単なことです。特に、学習業界は、評論家から塾学校まで揃って「子供を信じて・・」と親のうれしいことを言いつつ、一方で「経済格差が学力格差、教育への投資こそ・・・」などと煽っていればいいのですから、たやすいことです。
教育業界に食い物にされる理由 情報を取らずに噂話に引っ張られるから
もう一つは、そういう煽りの情報を親がキチンと裏を取らないことが原因です。経験がないのなら調べればいいのに、調べもせずに人の話に振り回される。
例えば、小さな子どものお尻を引っ叩いて無理強いする中学受験について、 「公立より私立」という噂話しにひっかきか回され、「○○中学目指して頑張りましょう!」という塾のウソに取り込まれて思考停止状態で子供のお尻を引っ叩いている方が非常に多い。 似通った学力の子供がどの中学に、どの順位で受かるのか考えてますか?そして、その順位だとどの大学に進めるのか考えていますか?上位の強力で意欲的な学力優秀者を蹴落として這い上がるのは大変だと理解できていますか?より頭の良い子が、より意欲的に頑張ってるのを追い越すのが絵に描いた餅のようにできると思いますか?
私はそういう方の話を聞くと、「アホやなぁ、塾に騙されて。そんなん無理に決まってるやん。・・・そのぐらいの子供なら普通に公立中学に行って真面目に勉強して、相応の公立高校に行って少し頑張っても結局同じ大学になるのに・・」とよく思っています。実際に「難しい。」ともアドバイスします。そこで、「ウチの子なら・・」という親に嫌われることになります。大学進学が終わって一息ついた頃に「あの小さな塾の言う通りやったなぁ・・・」など思い出してもらっても、ウチは儲けにならないんですぅ~(T_T)。
また、その公立高校受験の内申書なんかも、中学の教師の言うことに振り回され、尾ひれの付いた噂話に戦々恐々となっている方が多いです。教師が「1,2年の成績も調査書に書く。」と子供に脅しをかければ塾に走り込み、一方で「クラブ活動も調査書に書き込む」「クラブ活動していれば、入試で有利になる。」といえば学習に支障をきたすほどのクラブ活動も頑張らす。
教育委員会や学校のホームページで進学情報や進学実績は簡単に分かる
確かに調査書には1,2年の成績も書き込み、クラブ活動も書き込める欄はありますが、点数化して採点に用いられることはありません。そんなことは兵庫県の教育委員会がホームページで公表している要綱にキチンと書いています。https://www.hyogo-c.ed.jp/~koko-bo/R2senbatu/R2senbatsuyoukou.pdf (Chromeが設定の加減でご覧になれない場合はEdgeなど他のブラウザーで見て下さい。)合否判定に使われるのは3年生の成績のみで、それも実務的には1,2学期の成績のみです。クラブ活動も生徒会活動も、教師の印象も、遅刻や欠席の回数も全く関係ありません!
クラブ活動で唯一有利になるのは、「クラブ活動の特別枠」を採用している学校が「顕著な内容」があると認定した場合だけです。頑張ってクラブ活動しているだけでは無理なんです。その生徒を入れれば全国大会で活躍できて学校の宣伝になるっていうレベルじゃないと。昨年度、この制度を使って合格したのは、兵庫県下全域の高校でたった28人です。それに、そもそも芦屋や西宮の普通高校でその制度を採用している学校はありません。殆どが生徒集めで困っている地方の工業高校なんかです。教師のウソではないが実質ではない話に載せられて、学習に支障をきたすほどクラブ活動させられるのはあまりにも愚かです。 クラブ活動の特別枠 についても、兵庫県教育委員会はきちんとホームページで公表しています。https://www.hyogo-c.ed.jp/~koko-bo/R2senbatu/tokubetsutoriatukai.pdf
誰でも読める情報すら取らないで、脅しと噂話に振り回されて右往左往して塾に大金を払い、クラブ活動で疲れ切って帰ってきた子供は塾で居眠り半分でボ~って授業を聞いているんです。
本当にお子様が大切なら、どこにでも公表されている受験データや教育委員会のホームページくらい読んで、きちんとご自分で判断されるべきです。何も難しいことではありません。
子育てには、親の愛情と社会人の冷徹な目の両方が必要
自動車や電化製品なんか買うときはカタログを穴をあくほど見るのに、いちばん大切な子育てやより大金をつぎ込む株式投資それに家購入は、噂話に振り回されて裏も取らずリスクも考えない方が多い。未来の可能性に目が曇った方は、「家族」で「大切」なワンちゃんの「躾」や「フード」と騒いで高い値段で安物フードを買わされている半盲目の飼い主と同じ臭いがするんです。
大変失礼な話で申し訳ありませんでしたが、500人以上の子供にほぼ毎日個別指導と進路指導をしてきた私が率直に感じることです。進学に関しては、お子さんへの親の愛情とともに、会社で仕事を行うときのデータ収集や管理と部下を評価するときの客観的な視点も同時に持たなければ、必ず失敗すると思います。