中学の数学 最上位の生徒の勉強方法 ミスを減らせ

難問など解く必要はない

最上位と言っても2種類ありますよね。秀才と天才。努力しなければ90点を取れない秀才には、問題で題意把握のやり方を徹底的に教えますよ。そして、代表的な応用問題を着実に解けるようにしていきます。でも、中学レベルでは応用問題のバリエーションも知れたものですから、そんな膨大な塾の宿題も必要ないんです。

でも、頭一つ抜けて、難問や新傾向の問題が出たときに解けるようにしとかないとって? 神戸高校であろうと須磨学園の上のコースであろうと、そんな問題が出たらライバルも解けないんですから大丈夫です。

その頭一つ抜けてるのは「天才」の領域の生徒ですが、常に90点後半を取るこの領域に行くのは普通の優等生ではムリです。努力しても届きません。並のプロ選手(それだけでも大したものですが)が、死に物狂いで頑張ってもイチローにはなれないんです。これが「努力で神戸大と阪大は行けるが、京大は努力で行ける大学ではない。」と私が言う理由です。京大に行くのは神戸高校でもトップの10人程度です。

通知簿5を取るには難問克服より、ミスを無くす

そんなことを無理強いするより大切なのは、ミスを無くすことです。このクラスの生徒が成績を落とすのは、「ライバルができる問題ができなかった」こともありますが、ミスによる失点も多いです。だから、取りこぼしのないように頻出題の解法を教えるのと同時に、どう解いているか?ミスのない計算や式の書き方をしているのか?を日々の学習でチェックするのも大切なことです。提出用のきれいなノートではない毎日の勉強ノートをチェックする指導はものすごく大事なことなんですが、集団式の授業の学校や塾ではできないことです。大学生アルバイトの個別指導ではそんなフォローはできません。ということで式の書き方が合理的ではなくてミスを繰り返して嘆く生徒は多いです。90点をミスで1点切っても通知簿が5から4に落ちて大騒ぎしないといけませんからね。

ミスを無くすノート作り

ちなみに、私がチェックするのは「ノートがキレイ、花マルね!」という学校の教師のチラ見とは別物です。数学では、式の展開がミスがないように合理的に展開しているのか見ます。英語では教師の和訳丸写しになっていれば、「文法通り訳したらそんな意訳にならんだろう!」と怒ります。話は逸れますが、私の経験上ノートのきれいな生徒で学力の高い生徒は見たことがありません。また、テスト前に「きれいなノートをまとめる」生徒でマシな成績を取る生徒も見たことがありません。「聞く」「考える」「おぼえる」ことより、体裁を繕って「やった気がする」で終わっている自分に気がついていないか、理解する必要のない楽な学習に逃げている怠け者が多いからです。

まあ、学校の板書をキレイに写して塾で自慢して来る生徒に「じゃあ、今日の授業のポイントを箇条書きで言え。」と言ってまともに答えられた生徒を見たことはありませんからねぇ。でもね、ノート提出があるから、「黒板に先生が書くことなんか全部教科書に書いてある。ノートなんか取るな。それより、自分で解けるように考えながら聞いとけ!もし、先生が教科書に書いてないことで役に立つことを言ったなら、教科書に書き込めばいい。」って言えないんですよ。講演会で講師の話をろくすっぽ聞かずに必死でスライド写しているバカな大人います?パンフ読みながら聞いていて、「ハツ」と思ったことだけ書き込むでしょ。大事なのは、家に帰ってから、その「ハッ」を検証して行動することです。子供も一緒です。授業をよく聞いて、「今日こんな授業だった。どの問題すればいいですか?」って塾で言ってくれればいいんですが、そんなことできるのは成績上位者のみです。

中学レベルでは、本当に最上位の生徒はすべきことはない

この上のレベルの「天才」では、中学レベルの学習なら、どこの塾に行っても教えることはありません。中学レベルの数学で「分からない」ということはないですから。「塾で教えてもらわないと」と親が思ってる時点で、このレベルではありません。自分で勝手に勉強して、勝手に解法を見つけてます。最初ちょっと将棋を教えたら、いつの間にか周りの大人は太刀打ちできなくなっている子供と同じですから。高校の数学では別ですけどね。整数とか数列とかで、その彼らの「天才」の上に「キチンと努力もしてきたよな?」を試す難問奇問を出す大学が相手になりますから。例えば京大の整数問題など、いくら「中学の数学に分からないところはない」生徒でも、キチンと考え方を教えないと解けません。

私ができるのは、中学レベルでは、その生徒の「天才」に応じて、「この解法知ってるか?やってみるか?」とかいう程度です。まあ、でも入試では関係ないですけどね、そんな問題はそもそも出ないですから。でも、500人以上教えてきましたがこのクラスの生徒は中学では3人しか教えたことはありません。一人は甲陽の上位、もうひとりは山手中学からちょっとした私立高校の特進科に授業料免除で進み、奈良県立医大に進んだ生徒です。最後の一人は、文系科目と副教科がからっきしだったんで、内申書の都合もあって国立の高専に進みました。

その甲陽の生徒でも、中2から高校の学習範囲に入って、学校が難問奇問を「誰も解けんだろ~、いい気になるなよぉ~」とこれ見よがしに宿題に出すので、時々「分からん」と言われて教えてましたけどね。正直、私も困ることもありましたよ。他の生徒を教えながら対応するのがムリで、授業が終わってゆっくりと考えてFAXとか電話で解法を伝えたこともありました。でもね、私も一生懸命考えてなんとか解いて、「これはこういう考えになってるから、こうして・・」と言い始めたら、「そうか!分かりました。」って言って苦労した私の話などろくすっぽ聞かないんですよぉ~(T_T)。

大学入試でも、本当の難問は限られている

まあ、私も最近リハビリのつもりで数学の大学入試問題解いてるんですけどね。「3P^3-p^2q-pq^2+3p^3=2013で自然数(p,q)を求めよ(^2は2乗っていう意味です。)」っていう一橋大学入試の整数問題をこれ書く前に解いたんです。これが、鍛えられた秀才向けの問題です。それに賢いと言っても文系の問題ですから・・・このくらいなら教えながらでも解けるんですけど。この問題は解答は簡単に出るんですが、途中でp+q<3p^2-4pq+3q^2をキチンと証明するかどうかで採点が決まりますねぇ。でもね、こんな入試問題ばかりなら良いんですが阪大や京大の理系の「天才向け」では「チョット待って。・・・・他の生徒教えながらはムリ。明日までに考えとくわ。」ってのもありますからねぇ・・・。中学なんかではめったに無いですけどね。

ちなみに、関学や関大では、一橋のようなレベルの問題は絶対に出ませんから、黄色チャートで十分ですよ。全員解けないから選抜テストになりません。甲南なら教科書で十分です。だから、中学の数学で目先の得点欲しさに暗記学習に走って、高校でそのまま暗記学習して自滅しなければ、多くの生徒は関学に進めるんですよ。私が小難しい理解を中学生に求める理由です。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。