勉強する理由? 学歴と修行はそっくり

学歴と修行の類似点

学歴が関係ない世界では、修業を重ねて一人前になる職人さんの世界があります。華やかな美容師の世界から、料理人そして男の汗の世界のガテン系まで、職業は違えども例外なく職人さんの世界には修行がつきものです。

私は、若い時にはこの修行について不思議に思ってきました。美容師なら、掃除や洗濯に始まり慣れるとシャンプーを任されます。けれど、肝心なカットなんかまるっきり出来ずに安い給料でこき使われます。料理人にしたって、皿洗いに玉ねぎ刻みなど下働きばかりで料理法なんか教えてもらえません。ガテン系にしたって、荷物運びや雑用ばかりです。なんで、こんな役にも立たないアホらしいことを延々とやらないといけないのか?

けれど歳を取るに連れ分かってきました。修行期間とは見習いの「習得」のためにあるのではなく、見習いがその役に立たないことをやり遂げられる忍耐があるか親方が見定める期間であるのだと。そこで「コイツは辛抱があるから、この世界で生きていける。」と思った人間を技術を教えるステージに上げていくのです。

これって、役にも立たない勉強や受験を辛抱させ、それを乗り切った者を採用する「学歴主義」と似てませんか?

でも、学歴の方が楽だと思う・・

そんなこんなで視野の狭い私も、学歴を選んでも修行を選んでも、辛抱の門という通過儀礼をくぐらなければ大人には認めてもらえないと分かったわけです。

でもね・・職人さんの世界は「修行」と称して雑用係を安い給料でこき使う世界でもあります。みんなそうしてきたんだから、一人前になった職人は若いものを安くこき使えるという運動部のシゴキのような暗黙の特権です。一方で、生徒や学生は金を払う側で一応「お客様」です。そこまで酷い目に合わされることはない。

よほどその世界で生きたいという覚悟があるなら別ですが、夢程度の思いでは簡単にへし折られてしまいます。そんなシゴキ半分イジメ半分の世界に行くくらいなら、素直に勉強したほうがマシだと思うんですが・・・。

修行の非効率が暴かれた

この職人オブ・ザ・職人の牙城「寿司職人」に革命が押し寄せています。たんまりと授業料を払えば3ヶ月で一人前にするという学校が大流行なわけです。まあ、まともに考えれば、回転寿司のロボットでも握れるスカスカなおにぎり握るのに、皿洗い5年、焼き物10年の修行して、さらに10年で少しずつ握らせてもらって、もう枯れ果てた頃に一人前・・なんてどう考えてもオカシイわけです。

ということで、寿司職人自身が「優秀なセンサーでオーブンが上手に焼く焼き物に、なんで習得に10年もかける必要があるねん。上手く焼けてるかどうかなんて、炭火でも目の前で見てたら分かるわい!」それに、「スカスカのおにぎりなんか3ヶ月も毎日みっちり握れば、そりゃあできるようになるわな。」とぶっちゃけて、この学校を作ってウハウハ儲け出したわけです。

素人の私でも非効率だと思う

そりゃあ、素人の私でも思いますよ。魚の見極めも、きれいな目で油の乗ったプリプリした魚を見極めるのって、そんな難しいか?それに、大概の寿司屋は魚なんか業者がおろして運んできますよね?朝から魚市場行って、深夜まで寿司握ってたら体壊しますから。 その上、カウンターで客の相手しながら握るのに精一杯で、大きな魚おろしてる時間もない。ヘタに魚おろしたら、女性客に「グロい」って引かれかねない。

ご飯もジャーが炊きますし、多くの寿司屋は自分が炊くよりもっと上手く炊く業者から購入します。すし酢も焼き物のタレも、プロの職人が作った業務用の素晴らしいのが出来合いであります。自分でわざわざ作る意味が見いだせない。

企業でも、業務からソフト開発まで全部するわけがない。ソフト開発なんか優秀な外注にお願いしたほうが、よほど効率的なわけです。職人さんだけに「違う!苦節〇〇年の味が・・」と幻想を見る時代は終わっています。

となれば、10年以上もタダ同然でこき使われ大切な人生を浪費するんだったら、100万円払って3ヶ月学校に通うほうがよほど有意義です。

修行の既得権益がなくなる?

それに、寿司の味の微妙な差なんか分かる客は殆どいません。ほとんどネタの質=価格で決まります。ということは、ある程度の技術があれば寿司職人の成功の大部分は、細かな技術差より店の運営にあります。外食産業の経験者や才能がある人間が3ヶ月寿司学校に通い職人を雇って店を開けたなら、苦節10年で寿司しか握れない職人に勝ち目はありません。

それまでは「修行」という関門を通った職人だけが開店できた寿司屋は、ある意味修行に守られた既得権益業種だったわけです。厳しい外食産業で、今や「寿司屋の親父」だけで通る世界はもはやありません。本当の実力主義の黒船がやってきたわけです。

まともに考えれば、有名店って言うだけで座って3万円からっていう、ボッタクリキャバクラのような寿司屋の値付は「ブランド構築」=「客に幻想を見させる。」「行くだけでプライドが刺激される=ブランド・バッグと同じ」に長けている以外は答えは見いだせません。某銀座の有名寿司屋なんか、マスコミを使ったブランド構築にかけては一級品ですよね!あの方は、寿司職人以上に、素晴らしい経営者である訳です。

当然、学歴の非効率と既得権益もバレる

学歴も同じです。儲けの少なくなった日本企業は 、効率一辺倒に突き進みだしました。政府も呼応して同一労働同一賃金を法制化しました。

前回も書きましたが、これは正規社員を非正規の給与に近づけていくことでもありますが、年功序列を廃止して職能給を取り入れるということでもあります。もちろん、中年の給料をカットするためでもありますが、何より新入社員を安い給料でこき使って育て上げるという非効率などやってられないということでもあります。

ということは、日本より早く斜陽になり同じ関門をくぐってきた欧米同様、新卒の価値は低くなり、学歴の価値も減少することになるかも知れません。経験者優遇と言う実力主義は、学歴の既得権益を破壊することになリます。

修行と学歴の辛抱から推定される将来性より、即戦力が優先される身も蓋もない世界に突入です。

では本当に学歴の既得権もなくなるのか?

日本はとにかく、学歴・運動部・修行と辛抱が大好きな国民です。でも、同時に非常に変わり身の速い国民でもあります。100万人以上の無抵抗な市民を原爆と大空襲で虐殺したアメリカに、すぐに「ギブ・ミーチョコレート」となびいたんですから。少しは韓国でも見習えと思ってしまいます。

竹中・小泉が「改革」と言い出したとき、まだ正規社員・終身雇用が常識であった日本で、これだけ急速にこれほど非人間的な労働環境が広がるなど誰も予想していませんでした。 私は、それ以上に、正規社員が非正規をいたぶるように平気で差別してこき使うこんな国に、こんなに急速に変わるとは予想もしていませんでした。

変わり身の速い日本では案外学歴崩壊は速いかも知れませんね。日本はアメリカの辿った道を忠実に辿ります。今の中学生が就職する10年先は新卒採用なんか役に立たないって言われているかも分かりませんよね。

実力主義の学歴は日本に来るのか?

アメリカには新卒でも実力主義で高給で雇ってもらえる世界があります。寿司屋の学校と同じく、法外な授業料を払ってでも即戦力に鍛え上げてくれる一部名門大学の経営学修士や理系のドクター・コースです。

でも、日本では難しいでしょう。せいぜい、有名大学の理系の修士を「学歴半分・経験者半分」で採用する程度が新卒の実力主義だと思います。まだ理系は技術は習得できますが、経営学修士なんか下手な屁理屈を学ぶだけで役にも立たないから日本では需要はありません。

でも、それは無理だと思う

アメリカの一流どころの大学の教員は一般社会と行ったり来たりしています。竹中平蔵みたいなのです。それに、一旦社会に出てお金をためてから大学院に戻るビジネスマンも多い。年功序列でなく職能給だからキャリア・アップという言葉がある。だから、有能なビジネスマンが大人を教えるから、社会が管理職も含めて即戦力として望む人材の教育ができるんです。 一旦大学の先生になったら既得権益に守られて安楽に過ごして、外部と交流なんかする気もない日本の大学で、大学出てすぐ院に行く苦労知らずの若者を教えている限りは無理です。

専門技術を教える必要のある理系でも、大学・院からドクター・コースまで進むと、変に大学に染まって使い物にならなくなるから、企業は修士じゃないと雇ってくれないほどです。それ以前に、まともな神経ならマスターコースで大学の研究室と教員に嫌気が差して、さっさと企業に就職します。企業はまともな神経の人間が欲しいわけです。

まあ本当の意味で大学の改革が進まないと無理なんじゃないでしょうか。今の大学改革は、大学の内部にはメスを入れずに「マークシートより記述問題」などと入試問題いじくって、結局は 外部の生徒に負担を押し付けて逃げようとしてるだけですからね。

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