審判の日が始まる
今日から始まるアメリカ企業の決算
今日から来週にかけて、主要なアメリカ企業の1-3月期の決算発表が始まります。今回の騒動で暴落した株価が、この決算シーズンに合わせて4月に入って急騰しました。さて、このまま上がって元に戻るのか、あるいは決算後に二番底に落ちていくのかは誰にもわかりません。みんな、固唾を呑んで今回の決算を見守っているわけです。
もちろん決算が悪いでしょうが、限定的です。3月の半ばまではまだコロナの影響はありません。問題は今後の見通しを各企業がどのように発表するかです。日本の就活も、今週と来週の結果を持って大きな影響を受けることになるでしょう。
実経済と乖離した金融
アメリカでは1割の外食産業がすでに廃業したと言われています。3週間で失業保険の申請が1600万件を超えています。その中で、暴落した株価だけが上がっています。アメリカの中央銀行が無制限の金融緩和を発表したからです。町には失業者が溢れ、株を持っている金持ちだけが救われている状況です。リーマン・ショックのときは、不良債権で儲けていた金融機関はダメージを受けましたが実経済のダメージはありませんでした。けれど、金融恐慌を防ぐために中央銀行が垂れ流したマネーで株や不動産だけが値上がりし、給料は上がらずに富の二極化が進行しました。実経済が傷ついている中、また金融緩和が行われる今回は、それ以上の格差の進行が起こる可能性もあります。
もう一つの重大事を忘れている
アメリカとロシア、サウジなどの産油国が先週原油減産で合意しました。一時期はロシアとサウジが減産を拒否し増産に走って原油価格は1バレル20ドル付近まで暴落しましたが、この合意報道を受けて30ドル近くまで急騰しました。ところが、今回の減産発表にも関わらず、今週に入ってまた20ドルまで下落しています。減産しても供給が需要よりはるかに多いからです。それに、どの国も貯蔵はもう満杯で、これ以上は買えません。
アメリカのシェールオイル企業は40~50ドルないと採算割すると言われています。上場企業でも破綻する企業が出始めました。採算ラインはロシアで30~40ドル、一方サウジでは10ドル以下です。ところが、原油に財政も頼り切ったサウジは国家予算を60ドルで見積もっていて、このままでは国が破綻します。ロシアはまだ強がっています。原油価格が高い時に金などをしこたま買い込んであるそうです。
アメリカはこのシェールオイル企業の債権を銀行が持っていたり、例の悪名高い証券化ビジネスで優良債権とごちゃ混ぜにして他国の金融期間に売りつけたりしています。この証券CLOの半分以上を買っているのが日本です。特に農林中金7兆円以上、三菱UFJも4兆円以上買っています。リーマン・ショックの後はあまり悪質なこの手の証券はないそうですが、ホンマのところは誰にもわかりません。何しろ、アメリカが文句の言えないポチ日本にやることですから・・
だから、コロナは実経済を殺し、ひょっとしたら原油が金融を殺し、とんでもないことになるかも知れません。
こんな事塾とは関係ないやんって・・ことはないんです
なぜなら、リーマン・ショック後、やはり塾の生徒は減少したからです。残業代カットやリストラが吹き荒れたんです。そして、若者は採用する気もない会社のオヤジにイビられに行くような圧迫面接を何十社受けても落とされ続けるという悲惨な事になりました。
あの時も、日本は他国より少ない金融支援などをして不況を長引かせました。アメリカ発の不況でアメリカは果敢な金融支援でさっさと景気回復して、渋った日本は円高にも見舞われ、失われた20年を30年に先延ばししました。今回日本銀行は株を買って日経平均を底上げしていますが、やはり蓋を開けると政府の実経済への支援はショボいみたいです。株は上がっても、アメリカ以上に企業は音を上げているはずです。
それに、あのとき不良債権を日本の金融機関は買っていなかったんです。今回は、日本が爆買しています。さて・・これからどうなるのやら・・。
あのときの経験から子供たちに言えること
まじめに勉強してひとつでもいい大学に行くこと。専攻するなら、企業でも企業の外に出た時になんとか個人でも食える分野にすること。それが出来ない子供は、栄養士や建築士などの資格ではなく、看護師などの確実に食える資格を取ること。