塾や講師に必要な能力とは?

難しい問題を解けることが能力か?

例えば、京大などの難問を目の前に突き出されて即解けることが塾の講師に必要とされる能力なのか? そうお考えになる方もいらっしゃるでしょう。否定するつもりはありません。

ただ、私がそういう能力について言うなら、いわゆる理系脳が「数学の難問、理屈抜きで解けました。説明出来ません。」という能力、あるいはネイティブ並の英語力で「こういう訳になりますよね。だって、そうなるじゃないですか。」というだけでは、講師失格だと思います。

難問に即答できる能力より、1日考えても、その難問の基礎となっている考え方や法則から解法を組み立てて生徒に説明できる能力、あるいは違うアプローチもできることを調べて提示できる能力が必要だと思います。私個人の意見ですけれど。

生徒の能力を見抜く力

私が、何より学校の先生、とりわけ塾の講師に必要な力は、生徒の能力を見抜く力だと思います。もちろん偏差値やテストの得点を見れば誰でも分かるということに対してではなく、「この生徒は何がネックになって今の成績になっているのか。」「この生徒を叩けば、どこまで伸ばせるのか」ということを推し測れる能力です。

それは、個別指導などで直接教えると、分かる講師には丸分かりになります。同じ基本問題が分からなくっても、サボっていてわからないだけなのか、あるいは能力不足でどうにもならないのか、さらには能力の問題ではなく「嫌なことはやらない」という性格の問題なのか、分かる人間には丸わかりです。けれど、分からない先生や講師もいるんですよ。

そういう方の言い分「憶測で物を言うな」です。偏差値や得点でしか判断できないなら、私は塾のアドバイスなど無用だと思うんですけれどもねぇ。これは、別に塾に限ったことではなく、お客様商売では何でも同じだと思うんです。長い間の経験と知識から、「確かな推測」をアドバイスできないのは失格だと思うんです。

いい大人が子供のことぐらい何故わからないのか

それは中学校になると、各教科別に板書中心で教えるだけで、生徒との接点があまりにもないから、生徒の全体像を掴む訓練がなされていない先生や塾の講師が多すぎるんじゃないかと思います。

結局、テストの点数や偏差値、通知簿の点数で進学先を機械的にアドバイスすることしかできなくなっている教師や講師があまりにも多い。担任や教室長と言っても、1学期に1回、通知簿や得点を見ながら20分も面談すればいいほうでしょう。そんなんで生徒を見抜く力が育成される方がおかしい。

私は、そういう各教科の担当教師以外に、ほぼ大まかにどの教科も分かる大人が同じクラスに1日中張り付いて子供を観察している事が必要なんじゃないかなと思います。それであれば、各生徒の内情を分かった上で、ある程度的を得たアドバイスが出来ると思います。その上でなら、20人クラスなど大賛成ですが、今の教科ごとにしか教師がいない状況では、ヘルパーの教師をつけたところで、少人数のクラス編成にしても何も改善されないと思います。

塾に必要な能力

もちろん難問を即答できるにこしたことはありません。けれど、学校が子ども一人ひとりに対応できていない今、分からないところを教える個別授業などとは別の意味で、子供一人一人にしっかりと向き合っている大人がいることが塾にいちばん大切なことだと思います。

特に、最近の塾や教育関係から、親をおだてて金を巻き上げようとする情報ばかり発信されて、親はその嬉しい情報に舞い上がって間違った受験選択をしがちな昨今では、一番必要な能力だと思います。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。