リスニングは喋れることしか聞き取れない/でも語学などこの10年で不要になる
なぜセンター入試で英作文はないのか?
もちろん、マークシートで採点できないからです。英検やTOEICでも、英作文は少なく、長文と文法のマークシート、それにリスニングが中心です。
では、なぜこんなテストで英語力が測れるのでしょう?
それは、語学は喋れること以外は聞き取れないからだと思います。発音を聞き取れたとしても、単語の意味や構文の構造が分かっていないと理解はできないから、内容は聞き取れない。単語や構文・文法の構造が分かっていれば、冠詞などの細かいミスはあったとしても、大体英作文ができる。
だから、リスニング、長文読解そして文法問題のマークシートだけで便宜的に英語力を測るのだと思います。
だから、リスニング教材を聞き流すだけでは英会話はできない
リスニングと同時に、読解と文法学習そして英作文を学習して喋りたいことを文字に起こせるレベルでないと、英会話もリスニングも上達はしません。どなたか、英語を聞き流しているだけで聞き取れるようになった方はいますか? 文法の知識もあいまいなまま、英字新聞も読めないレベルで英会話に行ったからと、自分が考えることを相手に伝えられるようになった方はいますか?
私はムリだと思います。一方で、英語の偏差値が65くらいある高校生なら、大学に行って安いオンライン英会話でも毎日30分もすれば1年少しで日常会話くらいできるようになると思います。ろくにしゃべれない一流企業の社員を現地に放り込んで半年もすればなんとか仕事で英語語を使っているのも、彼らがソコソコの英語力を受験英語で身につけていたからです。
逆に、ロクな英作文もできない中学生に英会話をいくら教えても無駄だと思います。ワンフレーズ英会話とか、聞き流すだけの英語教材は、このことが分かっていない層へのビジネスです。「どうせすぐに飽きて、投げ出すさ。」ということが分かっているので、「熱心にやったけど喋れないじゃないか。」などと言われることもないわけです。
文法より英会話という人種とは?
こんなことも分かっていないんでしょうか? イヤ、分かっていると思います。けれど、努力も忍耐も学力もない大多数の人間に語学の教材や英会話を売りつけるには「努力せずに文法力もないアンタはムリ。」などと言えるはずもありません。「大丈夫です~、CDを聞いていれば聞き取れるようになります~」「英会話でキレイな金髪のお姉さんと楽しくおしゃべりしていれば、コミュニケーションもばっちりです~」と言わないと客はつきません。高い教材を買っても、英会話に行っても、受験期と同じでどうせ数カ月で放り出すんですから、ウソをついてもバレる前に相手は辞めます。
でも、分かっていないお偉いさん方もいます。「ネイティブは文法など知らなくても喋れる。」という、脳みそが腐った連中です。言語中枢の発達期に、1日10時間以上も聞き取り、話すことを夢中でトライしている幼児と、脳みそが固まっていて1日に2時間も英語学習に取れない中学生や高校生それに大人を比べてどうする? 固まった脳ミソには、理論だてた理解がないと整理ができないので文法は必須です。特に、文字も文法体形も全く違う英語学習では文法は絶対です。
あるいは、文字どころかスペルや文法さえも似通っている近隣の言語を学ぶ西洋人が「文法なんて必要ない、とにかく喋れ。」と言っているのを真に受けているマヌケかもしれません。多くのヨーロッパ言語はラテン語から派生したロマン語です。共通の文法やスペルを持って、感覚的に理解できるのは当然なんですから。西洋人が文字も文法の体系も全く違う日本語を学べと言われたら、「文法なんて関係ねぇ」って言うでしょうか?
でも、この10年で語学など不必要になる
この数年、グーグルもアップルもアマゾンも音声入力をスマートフォンや音響機器で揃えています。なぜでしょう?
もちろん便利に使うためですが、もう一つ理由があります。それは、さまざまな言語の様々な単語や文章の音声データをさまざまな声質の人から集めるためです。この膨大なデータはグーグルなどのAIによって自己学習されていきます。
10年以内に、相手が喋るのに合わせた速度の同時通訳がスマホで可能になるとも言われています。もちろん、ドキュメントの翻訳など瞬時です。
語学の壁も、語学学習に要する時間も必要なくなり、本来の能力とコンテンツで勝負する時代が来ます。現地の人と交流したい人は別ですが、ビジネスや旅行で使う程度の英語なら不必要になると思います。