もうちょっとちゃんとした授業をやれ2/比較級もまともに教える教師はいない

文型を教えないから、比較級も分からない。

He likes Lucy than she.とHe likes Lucy than her.の違いを明確に説明できた高校生を私は知りません。まともに教えた学校の教師も塾の講師も、誰一人として知りません。

ここで一番肝なのは、thanが接続詞であって、その後ろには単語ではなく文章が続くはずのものが、主文のHe likes Lucyと同じ部分は省略されているということを教えないからです。だから最初の文章はheと同じ主語のsheだけが残っているので、彼女がルーシーを好きなのより、彼はルーシーを好きです、になります。後者はLucyと同じ目的語のherだけが残っているので、彼は彼女よりルーシーが好きです、となります。

こんな簡単なことも出来ないのに、大人になって英会話習って喋れるようになると思います?

何故こんなことになっているのか?

それは、教科書では、He likes Lucy than Kelly.という文章しか乗っていないためです。代名詞をのherやhimを使うと、上のように文法的な説明が必要なので、Kellyなどの名詞を使って、その説明を省けるようにしているんです。

だって、中学校では文型も文法もキチンと教えずに、構文の和訳をして、みんなで本文を音読して終わりでしょ? そのいい加減な英語の授業で、不定詞も分詞も関係詞も、重要な文法は一通り習います。高校で学習するのは、中学校で習った重要文法の特別扱い編、例えば不定詞なら原形不定詞などです。丁寧に教え直しなんかしません。それに、枝葉の仮定法や分詞構文、名詞構文などが加わるだけです。

だから、進学校に進んで、 I am as tall as him.なんて書く生徒が大量発生する。thanと同じで後ろのasは接続詞だから、主格のheでないと文章が成り立たないと分からないんです。文章の途中や最後の代名詞は目的格だと条件反射しているからです。

また、そういう安易な学習の結果。ほとんどの生徒は「比べるところをthanの後ろに書けばいい」と解釈しています。だから、I want to play tennis more than TV.はバカな生徒がやることですが、I want to play tennis than watching TVなんて平気で書きます。I want to play tennis more than to watch TV.にしないと文章は成り立ちません。だって、wantの後ろの目的語を比較しているわけでしょ? want は目的語に動名詞を取れないのは、中学生2年生でも知っています。

こんな状況で、英語の教科書はアホほど難しくなります/より徹底した文法の自己学習を

こういう重要文法を教えずに、生徒が英語が書けないのままの状況で、教科書改訂で4月から中学で学習する文章量と単語数だけは倍近く増えます。で、どうなると思います?

今の英語でもアップアップな生徒が大多数なのに 落ちこぼれる生徒が増えるだけで、目も当てられない状況になるはずです。乗り切った生徒も、文法はまったく教えられない従来の授業で文章量と単語量が増えるだけです。

私は英文法の重要性を、講師という仕事をしてから実感しています。文法をまともに学習し直さずに、学校の授業レベルの知識しかない生徒で有名大学に進んだ生徒はいません。だから、私の塾では文法の問題集を生徒に買わせてすべてやり切ることをノルマにしています。この文法問題集をキチンとやって、関学に行けなかった生徒はいません。

そして、私がオッサンになって、「海外旅行、ひとりで行かな好きなとこ行かれへん。」と思い出して、英会話を習い始めてから、さらに実感しています。文法力がなければ、どう文章を構成すればいいのか分からないため、暗記して決まりきった文章しか話せない「ワンフレーズ英会話」しかできずに、一生喋れません。私が塾で講師をして文法を一から学び直さなければ、英会話などできなかったでしょう。

だから、程々の英語力の大人が英会話習っても、I love you than he.と口説かないといけないところを、I love you than him.なんて彼女に言って、「コイツ、あの男と変な関係? バイなの?」って引かれるのがオチですね・・・お下品だった? お下品なことを言えるくらいでないと、英会話はできるとは言えませんよ。

因みに、文法力があると、2年くらい毎日30分もお話すると、日常やビジネス会話程度は楽しめるようになります。「日本では、奥さんがダンナの預金口座も給料も管理していて、ダンナは小遣いを奥さんからもらうんだ。だから、日本の男は奥さんに頭が上がらないんだ。男女平等なんて言う表面上の理由ではなく、日本の奥さんは最強なんだ。」と私が言うと、男女平等をモットーとするヨーロッパの女性は、口をそろえて言います。「それ、最高じゃない。」

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。