日本とウクライナの戦争観の違い／「ごめんなさい」で済む生徒の学習観は平和憲法に通じる
ウクライナ人はなぜ徹底抗戦をするのか？／コメンテーターはなぜ「降伏したらいいじゃん」と言うのか？
ウクライナは侵略者に虐殺を繰り返されてきた歴史を持ちます。帝政ロシアの侵略下、ソビエト時代のナチスの侵攻で虐殺が行われました。また、スターリンが穀倉地帯のウクライナから外貨獲得のために穀物を接収し1000万人を餓死に追い込んだソビエト時代の虐殺の歴史があります。ホロドモールと呼ばれています。だから、戦って殺されるのも降伏してなぶり殺しにされるのも同じである、あるいは侵略されるくらいなら徹底的に抗戦するということになるのだと思います。
翻って日本はどうでしょうか？ 太平洋戦争でアメリカに徹底抗戦して、南部の島で補給もなく兵士は見殺し状態で玉砕し、沖縄では上陸作戦で一般市民に大きな犠牲を出し、本土の都市部も絨毯爆撃や原子爆弾で数十万人以上の人間が虐殺されました。それで降伏してみると、朝鮮戦争などの東西冷戦もあって、占領下で日本は厚遇され飛躍的に豊かになっていきました。圧政もありませんでした。軍国主義時代よりずっと良い世の中になりました。だから、日本人は「戦って死ぬくらいなら、さっさと降伏する方が賢い」という歴史観があり、これが憲法9条擁護の強力な後ろ盾になっているのではないかと私は思っています。
戦国時代などのドラマでも降伏した側の悲劇の史実を描かないのは、こうした日本人の感情があるのではないかと思ったりします。
アメリカが占領後に日本で虐殺と圧政を行っていたら、アメリカが武装解除のために作った憲法などとっくに破棄して日本は今頃核兵器を持っていたかもしれません。
この日本人の体験が、学習できない子供の体験と同じです
テストで酷い点を取って玉砕しても、その時に親や塾で爆弾を落とされても、「ごめんなさい」と降伏しておけば、また元の生活に戻れます。親からは「勉強もしないのに、スマホなんか使わせない。」と取り上げられることも、「次にまともな点数を取れるまでクラブなんか休止だ！次酷いことをやってきたらクラブを辞めさせる！！」とも言われたことはありません。ウクライナ人のように降伏した後に酷い目に合ったことがないのです。
こうしてサボりまくって「そんな大学でまともな就職はあるのか？」という大学に進むことになっても、親はお金を出してくれる。「そんな大学に行っても無駄だから、働け。」と言われたこともないんです。
だから、「戦うくらいなら、勉強の努力をするくらいなら、『ごめんなさい』と降伏して、また安楽な生活を楽しめばいいじゃん。」ってなっているのです。
平和ボケした親にも子供にも教育業界は真実の情報を流さない
「あれは冷戦構造で朝鮮戦争などが勃発して、アメリカは日本を厚遇しないといけなかったから偶然そうなったラッキーだった。それに、アメリカの占領が遅れて、千島樺太に引き続き東北ぐらいまでソ連に占領されていたらどうなっていた？ 実際にヤルタ会談でそういうことも話し合われた。日本の北半分は北朝鮮になっていたかもしれないんや！」とは誰も言わない。
「今度占領されるとしたら、中国にやられる。ウイグルやチベットの二次大戦後の中国に占領地域で何が行われているか知っているのか？」とは誰も言わない・・大手メディアは中国が怖いから発信しない。もう半分植民地になっとるがな・・・。
受験業界が高校2年生にもなって「可能性を信じて！」と情報を流し、安易に数学を取ってまともに頑張る気もなく文転を決める生徒に「文転の利点！」なんかのおいしい話ばかりをしているのにとても似ていると思います。「進学校とはどういうところか？／優秀な生徒を搔き集め、チャート式も理解させられず多くは関関同立で精一杯、そういうところです」「文転（文系へ転向）する生徒の末路」などと真実を書かないのは、今のウクライナや中国に対するマスメディアの対応と同じです。
私のような厳しい事実を明け透けに書けば、キチンと出来ていない多くの生徒や親から反感を持たれ、そういう生徒が多くを占める膨大なマーケットから締め出されるからです。それ以外の理由はマスコミの甘い情報にはありません。「いい人はいい塾講師なのか？／私の考えるいい人」に書いた通り、みんな心地良い情報だけを発信していい子になろうとする。
4割が非正規の今の日本で危機感もおぼえずに楽しくクラブ活動をしてまともに勉強もしていない高校生など、今のロシアや中国を見て「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。（日本国憲前文）」という、武装解除目的で作られたアメリカの作文をいまだに安心材料にして安穏としているに等しい。
その結果、平和ボケした子供は「どうにかなるさ！」と二流大学や専門学校に進み、唐突に就職で「オマエなど要らない」「非正規しかない」という現実に直面するんです。きっと「こんなことになるとは思ってもいなかった。」と言うんでしょう。
まあ、秀才を見ていても同じかもしれませんが・・・
沖縄を中国に占領された時に日本国中で同じことが起こると思います。岸田総理を見ていても、いざ中国が沖縄を占領したら、「こんなことになるとは思ってもいなかった。」と言い、「遺憾だ。」としか言えないでしょう。
もし日本が経済制裁でもすれば、中国に駐在の企業戦士数十万人は人質・捕虜に取られる。東大を出て社長をやっておられる方も「私の在任時は多分起きないから、関係ない。」としか思ってないんで、中国にすり寄って業績ばかり上げようとする。
中国に投資して金儲けしても、日本円にもドルにも替えられず、儲けた金は中国に再投資するしかないんですが、帳簿上の売り上げだけは増えて、日本の金はなくなり、富は中国に移転される・・・こんなバカなことを繰り返して日本はこの30年間凋落の限りを尽くしてきたんです。下の表の通り、日本が失った富がどれだ中国に流れたかは、一目瞭然です。
ウクライナの初動ミスと進路指導ミス
ウクライナの大統領も同じようなもんですけどね・・・ロシアが兵力の半分にあたる十数万人の兵士を国境に集結させ、アメリカから散々「ロシアは攻める」と言われても、「そんなアホな・・」としか最初は言ってませんでしたからね。まあ、今はキエフで頑張っておられ神格化されてますが・・でも、それまでの判断が間違っていなかったら何百万人も難民にせずにすんだかもしれません。
ロシアが国境に膨大な軍隊を集めて侵攻直前でもこんなことを言ってたんですから。いくら勉強せいと言ってもボケェ～っと漢字も計算も出来ないことを続け、志望校を下げられ、中学3年生の冬休みに過去問題をやって合格点を取れないことが分かって、初めてまともに勉強し出す子供と同じレベルだとも言えます。「中学３年の冬休みまで本気を出さない子供たちの将来」
こういう子供は、この失敗を反省に高校では真面目に頑張ることなどほぼありません。却って「最後にちょっと頑張ったら合格できた！」と言う成功体験を自信に高校ではもっと酷いことをしだします。その結果が「高2生3割が勉強時間ゼロ 希望進路で差、文科省調査」の通りです。D判定を模試で取り続けても反省もありません。それで、中学の時と同じように高校3年生になって巻き返そうと少しばかり努力するんですが、高校の学習は難しくて彼らの努力程度では巻き返せることなどなく、アッサリと投げてＦラン大学や専門学校に自己推薦の願書を送ってほぼ無試験で合格を選びます。
それで4年後の就職戦線では、今のウクライナと同じく、突然に最終局面を迎えるんです。私には高校・大学生活という平和を満喫して、非正規やブラック企業で苦しんでいる若者と同じような見えるんです。
まあ、いくら勉強しても、中国に占領されたら、関係ないかも知れませんけどね・・・私はウクライナが平和ボケせずに核武装解除していなかったらこんなことにはなっていなかった思います。クリミアの占領後に、さっさと核の再武装しておけば良かったんです。原発もプルトニウムもしこたま持ってるんですから。「核放棄から始まったウクライナ危機、力なき外交の現実」 アメリカは核非武装国のイラクは嘘八百の難癖をつけ滅ぼし、リビアも核武装を解除させ滅ぼし、両国とも独裁は終わったが内戦状態になって何十万人も市民が犠牲になっている。一方で、核保有国のイランや弱小の北朝鮮にも手は出せないんです。
ウクライナの悲劇を見て、アメリカもNATOも軍事同盟も役に立たないと分かった今、多くの国が核武装を選択するかもしれません。受験生諸君も、平和ボケした情報などに安穏とせず、できるだけのことはして下さい。
余談：ロシアと中国は無敵である？
・・・イヤ、ウクライナはNATOと違うやろと言うアナタ。NATOのエストニアがロシアに攻撃されたら、ドイツはエネルギーの半分を依存しているロシアと本当に戦うと思います？ 日本が中国に侵攻されたら、アメリカは本当に核兵器を中国に向けると思います？
中国で重慶くらい焼け野原になってもどうってことはないかもしれませんが、アメリカでロサンゼルスにでも核ミサイル撃ち込まれたらどうなります？ 石原慎太郎が言った「中国にはどの国も勝てない。命の重さが違う。」という真実以上の戦力はないんです。ロシアや北朝鮮に他国が手を出せないのも同じです。
経済制裁も同じです。ロシアの前に食糧やエネルギーを輸入できない他の国が音を上げる。中国の工業製品でも同じです。命の軽さは、最大の武器です。
