本田圭佑と米津玄師のツィートを、安倍さん事件から振り返る

本田圭佑のツィート

2017年5月30日、時事通信の「若い世代の死因、自殺最多=15~39歳『深刻』―政府白書」という記事に対し、本田圭佑は「他人のせいにするな!政治のせいにするな!!生きてることに感謝し、両親に感謝しないといけない。今やってることが嫌ならやめればいいから。成功に囚われるな!成長に囚われろ!!」と発言した。

米津玄氏師の反論ツィート

米津玄師は「言ってることがよくわからない。人生や親に感謝するのはいいと思うんだけど」と部分的には認めつつ、「少なくとも元の記事には他人や政治のせいにして自殺した人の様子なんてひとつも出てこないし、そこからの『成功に囚われるな、成長に囚われろ』という言葉もどこから出てきたのかよくわからないっていうのが正直な感想です」と疑問を呈した。

これをどう見るか

米津玄師の言う通り、若い世代の自殺に「他人や政治のせいにした自殺」は描かれていない。

けれど、年長者の自殺のように病気苦が原因ではない若い世代の自殺原因は何なのか?この記事には出ていなかったとしても、それは社会で生き場がない絶望感からだと言うことが、他の多くのデータから分かっている。

私は本田圭佑のツィートを読んで、「他人をあてにしても改善しない。やり直せ、成功しなくても、成長している実感=将来に希望が持てる状態にしておけば、この手の自殺は防げる。」という意味に、私は捉えました。これは、ごく真っ当な意見です。彼は上昇志向を煽ったわけではないよう読めます。でも、これを文面通りにしか読めない若年層は、従来からの根性主義に読む人も多いわけです。

米津玄師は、若者が嫌う従来の根性主義を批判したに過ぎない。それが、若者の代表として人気があったミュージシャンの本音なのか、若者を取り込もうとしたビジネストークなのか分かりませんが、恐らく前者でしょう。

こういう若者が30歳を超えて起こす事件が増えている

けれど、社会を考えずに、将来を見据えずに、その場その場で楽しく生きてきて成長を考えなかった若者、あるいは悲しいながら家庭の事情で未来ある成長が選択ができなかった若者が、30歳を超え40歳になって、鏡で自分の顔を見て「若さという武器」を失ったことを自覚した時、今まで何も感じていなかった心が絶望で埋め尽くされるはずです。何も考えずに過ごしてきた日常が地獄に変わるはずです。「人生には何があるか分からない/安倍さんの事件に不謹慎かもしれませんが、塾の生徒に言いたいこと」「「ジョーカーを育てないために/最近の復讐事件から考える

だから、しっかりと道を選んでほしい

別に勉強が嫌いなら塾に来て頑張らなくてもいい。けれど医療系の資格を取るとか、しっかりと成長をして社会に居場所を作ることが大切です。

日本人は組織内以外に友達は作れません。生徒の皆さんも、学校という組織を越えて、友達はどれぐらいいますか? 大人になっても、会社や勤務先以外の友人を作れることは少ないです。特に男性は退職すると妻以外話を出来る人間はいないと言う人も多く、妻に付きまとうために嫌がられることも多いようです。ですから、単身者で社会に居場所が作れなかった男性は孤立し、寿命も短い傾向が高い。この傾向は多くの外国では見られません。

日本という村社会と同族社会では給料という面だけではなく、社会での居場所を作ることはとても大切なことです。結婚できるかどうかも、多くの場合、収入によります。日本では人間関係を保持するために成長をするのです。別に自己実現と成功のためだけの成長と努力ではない。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。