中学受験や高校受験で親が尻を叩かなければいけない場合、その親の努力は無駄になることが多い
どうせ思春期で本性が出る
中学受験や高校受験で親が尻を叩いてやっと進学校に合格させても、せっかく合格した学校で怠けて落ちこぼれる生徒は多いです。
どの教科でも、どの問題でもマイペースで悠長に学習して呆然と問題を解く。この問題ではどの学習ポイントを聞かれていて、それをどういう観点から答えさせようとしているのかなど考えもしません。同じ問題がテストに出ても、解けないばかりか、学習したことすら忘れていることさえ多い。自分で脳ミソを働かせて考える意思がないのです。
こういう生徒では、目標の学校がなく、かといって本能的な上昇意欲も闘争心も持っていないことです。テストで失敗しても結果を前に悲しい顔をして「次は頑張る」等と言いますが、かといってその反省を活かして前倒しで準備するとか、分からないところを自分で考えるような学習をすることはありません。中堅高校に進む中学生のような脳ミソを動かさない学習を始めます。
親が中学受験では全面的に丸め込み、高校受験でも尻を叩いてやっと進学校に入れても、その学校でこんな調子で学習する生徒は進学校では半数近くに上ります。だから、進学校に進んでも関関同立にも行けず、産近甲龍がやっとの優等生が、兵庫県では公立のトップ校、中高一貫の私立の3番手あたりでもかなり出てきます。
私立中学の場合入試が終わって中学2年生の反抗期になったあたりからこういう状況になる生徒が多く、公立では中学時代に親が管理して乗り切っても高校に入った途端ダメダメになる場合が多いです「働きアリの法則/進学校で7割の生徒はなぜ失敗するのか?」。
どうすれば解決するんでしょう?
高校受験の場合は、今まで何度も書いていますが、こういう悩みは入試直前に解決することが多いです。中学3年生の2学期期末テスト後、調査書が出そろった後に最終的な面談で志望校が決められ、冬休みに滑り止めの私立の過去問題を解き、合格点がないという状況になって初めてこの問題は解決します。
それまで、ボケ~っと「問題のポイント・・・ハァ・・なんすか?」とやっていた生徒が、「この問題のここが分からないんです。どうしたらいいですか!」と自分でポイントを押さえようと質問してきます。こうして3年近く「ハァ・・わかりましぇん」と言い続けてきたバカ野郎が後がない状態になって初めて脳ミソを動かし始めて、ほんの1ヵ月で全て問題を解決して入試本番で合格点を取ります。中堅高校の合格点など、こういう生徒がこうして入試直前になんとかしたものなのです「中学3年の冬休みまで本気を出さない子供たちの将来」。だから、こういうバカ野郎が冬休みに「合格点がない」と言って来たところで、私は焦りなど微塵もありません。
「この学校に行くと、この大学に行けて・・・」なんか希望を唱えてこういうバカ野郎の自助努力を促そうなど、まったくの無駄です。塾で何度根気強く教えても徒労に終わるだけです。私の経験上、こういう子供を変えるには、褒めるも教えるも効果はなく、「もう後がない」という恐怖を与えるしかないと考えています。だから、その変えようもない子供を預かって船の上から落として「ここにいたら殺される」という恐怖を味合わせた戸塚ヨットスクールは、やり方は不適切ですが、やりたいことは理解できるのです「真剣な学習ができない子供たち/大人の通過儀礼が必要なのか?」。
こう書くと一部の方から「戸塚ヨットスクール」と言うキーワードを使っただけでも「虐待」と非難されますが、そんなことは書いていません。私がここで書きたかったのは、だらけ切っている子供は説教や指導をいくら行っても立ち直ることは難しく、何らかの大人になる通過儀礼で厳しさを知って自分から立ち直らないと解決にはならないと書いているだけです。
高校でだらけたらもうダメです。
警察学校や自衛隊のような厳しい親の管理のもと、中学受験や高校受験を乗り切っても最初に書いたように、中学受験組では中学2年生の反抗期で親の言うことを聞かなくなって、そのままアウトになる生徒は多いです。でも、こうしてソコソコの進学校に入っても、以前の受験の反省を活かしてがなる生徒などほとんどいません。元の状態に戻って、まただらけ始めます。こういう進学校は遅くても中学3年生から難しい高校の範囲に入りますから、ダラケていれば高校にはいる前に確実に落ちこぼれます。公立中学から上位の公立高校に進んだ生徒でも、高校1年生で同じようなことが起こります。
中学時代の簡単な学習とは違い、高校の学習は難しくて、特に数学で落ちこぼれた後は改善はとても難しいです。今までブログに散々書いてきたように、難しい学習で落ちこぼれれば、以前の学習を復習してからでないと今の学習に対応できませんが、そんなことを両輪でやることは、今までの学習でも出来なかった生徒に出来るわけがないからです「「分かっている」こと、「自分で解ける」ことが分からない生徒たち/大学受験のレベルから解説」「中高一貫校で4年間も高校の学習をして、なぜ多くの生徒は関関同立にも合格できないのか?」。
だから高校の学習でこういう状況に追い込まれると、高校2年生の後半から「入試に向けて!」と今度も切羽詰まって頑張り始めても取り返すのは難しい。かなり上位の進学校で自頭が良くて数学を捨てて英国社の3教科に絞っても、せいぜい関関同立が上限ということが多いです。自頭がそれほどでなければ産近甲龍がやっとです。だって神戸高校レベルで下位1/3だと産近甲龍でしょ?
親が心しておくこと
中学受験や高校受験を乗り切ってきた進学校の優等生でも、肝心な大学入試で中堅以下の学校に進んだダレダレの子供と同じようなことをやりだすのが結構いる。というか、かなり多い。 思春期になって、親の抑えが聞かずに本性が出ただけなのか?
基本的に闘争心や上昇意欲の薄い子供で親が尻を叩いてやっと中学・高校受験を成功させた場合、大学受験までのいずれかの時期に破綻するので、親の努力は無駄になることが多いのです。残念ながら。
だから、中学受験や高校受験で親が管理してやっと上位の成績なら関関同立、ホドホドなら産近甲龍の付属校をお勧めします。どうせ、いつかはダラけます。これ以上の大学に行けることはない。進学校に下位でやっと入れても上に書いたように、国立大学なんて途方もない状態になることは必至ですから、安全策を取る方が賢いです「中学受験塾、下位クラスの生徒/付属校に入れる以外道はなし」。
でも、大概の親は「アホなこと言うな。神戸高校・六甲レベルに入れるんだから、うちの子は神戸大学くらい行くに決まってるでしょ。」と言い、このありがたいアドバイス(自画自賛)を無駄にして、大学受験前に泣くことになります。まあ、そういう親子は「ああいうことを言ってくれた塾もあったな。」などと思い返すこともなく泣くだけなんですけどね。親がこんなだから、こんな子に育っているだけとも言えます。
これは遺伝なのか環境なのか? 私は遺伝だと思います。なぜなら、努力できる資質は遺伝だと言われているからです。一卵性双生児が里子に出された場合には、養育先の子供たちより異なった環境で育った遺伝的兄弟の方に生育結果は結果は酷似するからです「努力できる遺伝子/グローバル化・中流没落が生む選民思想」「子育て論の本質/結局は遺伝子」。
だから、ダラける子供を親が抑え込んでやっと進学校下位の子供を見て「私や、私の兄弟もこうだった。」と思う親御さんは、付属校の選択一択です。親が出来なかった期待をだらしない子供に託しては、絶対悪い目に出ます。限りないほど見てきましたよ、私は。
私は潔く付属校に進み、そこで楽しくダラけている子供を塾で見るときに、そこの親を尊敬します。子供を見ていると「塾で尻を叩いても、まともに大学受験させたら付属校の大学にも行けない。」ことが大半だからです。