youtube漬けなのに情報を取れない子供たち
youtubeが大好きでも情報を取れない子供たち
芦屋の中学ではブラスバンド部が大人気です。生徒の1割が入部している学校もあります。ところが、ほとんどのこの部員たちが、自分の楽器のプロの演奏を聞いたことがないんですよ。彼らが好きなyoutubeではいくらでも動画が上がっているのに、見るのはヒカキンなんかのエンターテイメント系だけなんです。
別にこれはブラスバンド部の子供たちばかりでなく、ピアノを習っていることが多い芦屋の女の子でも同じです。本当にプロのピアニストの演奏を聞いたことがない。CDでもyoutubeでもいいですが、ピアニストが必ず通るショパンの練習曲さえ一流ピアニストの演奏を聞いたことがない。
・・・で、自分の立ち位置も分からずに趣味か本業かも理解せずに、ただ集団行動に満足してやりがいを感じて、勉強を犠牲にしてクラブ活動に邁進している。
志望校の入試問題も、自分の学校の進学実績も見たことがない子供たち
そんな状況はクラブ活動に限ったことではなく、中学生はおろか高校生でも志望校の入試問題さえ見たことがない子供が、私の経験ではほぼ100%です。「入試問題集」「過去問題集」っていう形で目の前に渡さないと見ないんですよ。いくらでも無料でネット上にあるのに「〇〇大学」「過去問」っていうキーワード2つさえ入力することもない。
もちろん、「○○高校」というホームページを開いて、「進学実績」というところをクリックすればすぐに分かることもしません。自分の学校で何人どの大学に進むのか、何番くらいにいればどの大学に行けるのか見もせずに、「○○大学志望です。」って塾に言ってくる生徒しかいません。不思議なことに、これは成績の優劣に限らず、どの生徒にも共通です。
子供が情報リテラシーのない原因
こういう主体的な情報取得というのは、親や学校に依存して、情報も全て与えられて生きている子供には難しいのかと最近は思っています。このあたりが、外国から指摘される日本の教育の問題点なんでしょうねぇ。勉強漬けとか入試方法の問題点とかに論点がすり替えられていますが、問題点は学校や親への従属性が過ぎるということだと思います。
でも、いくら入試制度を変えても、より学校に従属させ、思考停止の集団主義で安易な管理を強いるクラブ活動がこれほど盛んでは、独立性など子供に求めるのは無理だと思います。だから、偏差値や学力に関係なく、どの子供も主体的に情報を取りに行くことがないんです。トップ校が「文武両道」なんて言って子供をクラブ活動と膨大な宿題で学校に縛り付けている限りは、子供の自主性なんか求めるのは無理です。
本当のトップ校とは「生徒に任せています。そのくらいのことは自分たちでできる子供ばかりです。」と言える高校だと思うんですけどね。少なくとも、昔のトップ校はそういう気風がありましたし、教師も余計な干渉はしませんでした。
情報リテラシーは老人以下
最近はニュースなどで「ネットを使えない情報弱者の老人は・・」とかステレオタイプの切り口がされますが、今70歳くらいの老人は企業でパソコンが導入された世代にあたり、パソコンやネットなど使える方が数多くいます。私が通っているスポーツクラブなどでは、旅行先の情報など多くの老人はネットから詳細な知識を得ています。youtubeでエンタメ動画しか見ずに、友達とSNSや別途ゲームしかしない高校生などより、よほどネットを活用しています。
高校生にiphoneなど宝の持ち腐れです。