中学・高校に必要な大人のチューター制度
大学でも社会人でもあるのに、なんでないの?
大学や社会人1年生になると、先輩が指導係や相談係として新人をお世話することがよくあります。密接な関係を築いて、仕事だけでなく人間関係や、時には私生活の面でも右も左も分からない新人をサポートする制度です。もちろん、それなりの若手がチューターとして選ばれるのでしょうから、人間的に合う合わないというような問題もあるでしょうが、概ね素晴らしい制度だと思います。
ところが、年齢も幼く、社会も分からす、判断能力もない中学生や高校生には何故かそういう制度がありません。これが小学校のような担任がお世話係で張り付いているのなら良いんですが、まだまだ子供の中学生や高校生が学習方法や受験について何のアドバイスもないまま学校では放り出されたままです。まともに情報も取れない子供相手に、自分の科目のことしかわからない担任や普段授業もしない塾の教室長が成績や偏差値だけを頼りに、1学期に1回ほど20分程度のお話をして終わりです。
そんな雑な人事査定は大人の社会でもありえへんやろ。たとえ面談の機会は少なくても、上司はいつも部下の仕事ぶりは見ているでしょうし、問題があるようならすぐにフォローするはずです。
なんで、一番不安定な時期の子供が放り出されているんでしょう?
親がいるじゃないかって?
それはその通りなんですが、残念ながら親御さんは、愛情はいっぱいでも、教育や進学に関しては素人なんです。その上、愛情で目が曇って、教育産業の都合の良い情報・宣伝を真に受けている方もとても多いんです。まあ、恋愛中は夢中でいいところしか見えてなかったのが、結婚してみると色々分かるというのが子育てや教育でも多いわけです。
だから、このホームページでくどいほど書いているように、自分たちに都合がよく嬉しい進学塾の口先三寸のおだてに乗って塾に入れても、思うほど成績が伸びない。塾が宣伝している進学実績とは大違いな学校に進んで「中学受験なんかするんじゃなかった。」ってなる。さらに、成績が少し良い生徒では、塾のおだてに乗って進学校の進学実績に目がくらんで身の丈に合わない学校に進ませた挙げ句、子供は落ちこぼれて「こんなことなら公立校で楽しくクラブ活動しながらもっとマシな大学に行けた。」「ムリをせずにもう一つ下も高校に行っておけばよかった。」と将来が台無しになってしまう。
プロなら身内には決してしないような「お仕事」を真に受けて、プロに騙されて良いようにお金を払わされて使い捨てられるんです。銀行員や保険会社が投資信託や外資保険売りつけるのとまったく同じです。塾に必要なのは看板になる「進学実績」であり、その後の大学進学や将来のことなど知ったことではありません。
だから中高生には大人のチューターが必要
だから、中学生や高校生には、小学校の担任のようにその子供を日頃からずっと見ている利害抜きのプロの大人が必要だと思うんです。ところが、そういう学校はもちろん、塾も無理なわけです。
先輩生徒などのチューター制度があっても、子供が子供の世話をするんですから、ほとんど意味ないです。それに実情が分かっている先生や講師がアドバイスできる体制をとっていても、組織の縛りがあって、どこまでホンネで正直にものを言えるのかは疑問です。「もう少し下の学校を受験させたほうが、後々良い。」なんて言おうものなら、「進学実績を下げるつもりか?」とその講師はこっぴどい目に合うでしょう。学校の先生にしたって、「その成績ならどうせ私立の文系になるんだから、数学や理科なんか勉強する暇があれば、英語と古文でもしときなさい。」なんか言えば問題になるでしょう。まあ、昔の先生は言ってくれましたけれどもね・・。
ということで、昨日の投稿の件も含めて、子供のことを分かった正直者のプロのアドバイザーは子供にこそ必要だと思うわけです。それに、教育業界の「うれしい」「おいしい」情報で頭が一杯で現実が見えていない親御様には、もっと必要だと思うわけです。