Fランク大学一直線を防ぐには/中学生の若年性健忘症を防ぐ
公立中学の通知簿3の大半は若年性健忘症、いや意図的健忘症です
教えても、教えても、教えても、簡単なことが、アホみたいなことが、なんでああ綺麗にサッパリ忘れるんでしょうか?・・・正直、昔飼っていたラブラドールの方が利口なんではないか?とよく思います。ラブラドールは一回覚えたら、忘れへんでぇ~。
理由は、まあ、真面目にやっていないことですね。いくら教えても、問題を解いても、頭の中素通りです。「中学3年の冬休みまで本気を出さない子供たちの将来」に書いた通りです。ところが、大人は騙されるんですよ。最近の子供は親の過干渉下で育つので、表面上「やっているフリ」を取り繕うことだけは長けているんです。まあ、倦怠期の嫁がダンナの話を賢く聞き流して、ダンナは満足しているようなもんです。コレ、親はもちろん、私でさえたぶらかされることがありますから。煩い親の監視下で人生の全てを生き抜いた来たヤツらはプロ中のプロなんですよ。
若年性健忘症の残り2パターン 丸暗記組・基礎学力以前の学ぶことが分からない
ところが、真面目に一生懸命やっていても、すぐに忘れる生徒もいます。原因は二つです。まず、多くは、「理解する・分かっている」=「正解が分かった」=「解法丸暗記」の思考しかできない子供です。理解の裏付けがない解法丸暗記なので、1週間もすれば忘れます。学校の復習で学習しても、定期テスト前にはスッカラカン、そこで学習しなおしても少し経った実力テスト前にもキレイサッパリ・・が延々と続きます。典型的な、テスト60~70点代、通知簿3の子供です。
もう一つのパターンは、ベースとなるロジックが身に付いていない生徒です。これ、多くの大人が、大人になってから始める仕事や趣味と同じです。その分野のベースとなるロジックが身に付いていないから、そのロジックの延長線上にある説明を何度されても分からないんです。で、表面上なぞったようなことを繰り返し、一向に上達しない・・・これが、新しい仕事では「若手社員が何をしゃべっているのか分からない」状況となり、大人から始める趣味では「コーチの言う通りやっているつもりが、ちっとも上手くならないので嫌気が差して止めてしまう」原因です。
小学校の時に学習のロジックが身に付いていない子供が通知簿の3の下半分です。最近の小学校では中学受験組とそれ以外の子供にスッパリと別れて、小学校ではまともに教えていないんですよ。厳しくしつければ親がうるさいですしね。だから、中学校に入る時には算数の分数計算も単位計算も、社会の地名も、漢字を手で書いて覚えることも、何も身に付いていない子供が結構多いんです。中学校では、そういう基礎学力が身に付いているという前提で学習が上積みされるから、何もできなくなる。
いや、それ以前に、「考える」「以前習ったことの上に積み重ねる」という学習の根本的なロジックを小学校では厳しく要求されたことがないことも大きな原因です。その場その場で適当にごまかしても教師には当たり障りのないことしか言われず、5段階評価でもない訳の分からない通知簿では親も子も愚かさが分からなかったんです。だから、改善もしなかった。そして、中学校で学習が難しくなって、急に「考えろ」と言われて右往左往するだけ。「これは以前学習した問題を利用して・・」なんて言われようものなら、どういう思考回路なのか分からなくて頭の中が真っ白になるんですよ。
・・・まあ、簡単に言うと、今まで動かしたことがないので、頭の歯車が錆びついているんです。ホンマ、チョットしたことも考えられないですから。いくら講師が動かそうとしても、脳みその歯車なん1ミリも動きません。神経ニューロンが回路を作らずに、直線で止まっているんじゃないかと思います。
もちろんこの二つのタイプは、被っていることが多いです。にっちもさっちもいかないから丸暗記に走るんです。
高校に入ってどうなるか?
でも、優秀な生徒の多くは中学受験で抜けていますから、若年性健忘症の生徒でも入試前に少し頑張れば中堅公立高校ぐらいには進めるわけです。「中学3年の冬休みまで本気を出さない子供たちの将来」に書いた通りです。
しかしそこで、「意図的健忘症」では、「また入試前に少し頑張れば大丈夫」と高校入試の成功体験に一層増長するわけです。それで、気が付いた時には、高校の学習は難しくって「少し頑張れば」では済まなくなっているわけです。それに、コイツらがバカなのは、中学校でも高校でもいない最優秀の「中学受験組」が大学受験では帰ってくるのを忘れていることです・・・彼らがいない甘い競争で味を占めていたコイツらに勝ち目なんかありません。
「丸暗記組」の生徒も、また丸暗記で乗り切ろうとします。ところが、いくら努力しても、解法が複雑になり、バリエーションも多くなる理数系科目にはまったく対処できなくなって、Fラン私立文系一直線になります。最後の「学習のロジックが分かっていない」のは、もうどうしようもありません。授業で何を説明しているのか、参考書の説明は何を書いているのかも分からなくなるはずで、赤点すれすれ低空飛行を繰り返します。おそらく、学ぶというロジックが分からないので、学習だけでなく仕事でも趣味でもダメダメなはずです。
で、後者の二つが混ざっている生徒なんか、結構頑張って学習する(丸暗記する)んですが、もう可哀そうなぐらい悲惨です。
解決策は小学校時代にある
小学校の中学年から、学校に頼らないで、中学受験塾に放り込むべきです。ただし、「進学塾や進学校の生徒が抱える学習問題・・根っこは親です」などに何度も書いていますが、六甲に上位で進めない生徒、大学付属校に進まない生徒は受験目的ではなく、上に書いたような状態にならないように「躾」「基礎学力を身につける」「学習のロジックを身につける」ために行かせることです。
だから、上位クラスの受験実績だけで名前を売って下のクラスは授業料徴収要員で放りっぱなしの大手ではなく、親の送り迎えの負担もない自転車で通える程度の近場で気軽に通えて、下のクラスの子供もしっかりと躾てくれる小さめの中学受験塾を選んでください・・・ちなみにウチの宣伝ではありません。小学生教えてませんから。
経済的なことから中学受験は無理でも、しっかりとしている子供なら近所の公文や学研でもOKです。きっと、公立校から良い大学に進んでくれます。その準備をして下さい。尚、親が中学受験なんか無理だと思っている子供では、公文や学研や緩い塾では野放しになりますから、行かせても同じです。進学塾で尻を叩きあげて、基礎学力と勉強の仕方を叩き込んでください。