スイミングスクールと学習塾や進学校は同じビジネス手法です

スイミングスクールのビジネス手法

別にスイミングスクールだけじゃありませんが、野球・サッカーなどの運動系から将棋などの文科系まで、子供を相手にして親から金を巻き上げるビジネスの手法は同じです。

まず、オリンピックのメダリストや将棋の藤井くんのような突出したヒーローが現れると、子供は憧れ、親もなんとなくそんな気分になって子供をスクールに通わせます。そしてスクールに入ると、バシャバシャ泳がせて1ヶ月、プロの目にはすぐにモノになるかどうかの才能の差が見えます。才能のある子供は選手養成コースに入れてマンツーマンに近い指導と、ミッチリとしたトレーニングで叩き上げられていきます。

そうして、残念ながらそうでなかった99%の子供たちは集団で「ハイ、バタバタバタ~」という投げやりというか、事故さえ起きなければどうでもいいというコーチングでただの授業料巻き上げられ要員となります。もちろん、99%から巻き上げられる授業料は1%の選手養成費に当てられ、彼らが次世代のメダリスト・ヒーローになり、さらに99%の授業料巻き上げられ要員が彼らに憧れて入ってきてスポーツクラブは繁盛していくわけです。

学習塾のビジネス手法

スイミングスクールのオリンピックメダリストを灘中学・神戸高校理数科合格者と置き換えるとまったく同じです。成績最上位の生徒の進学実績に目がくらんだ親御様方は、自分の子供の才能が如何ほどかとも考えずに、受験塾に放り込みます。塾の方は、体験授業などの段階で、コイツはモノになるかどうかなどお見通しです。モノになる生徒たちは最上級コースでみっちりと鍛え上げ合格実績を上げてもらい、また次の世代の入塾希望者の撒き餌になります。

その他大多数は「まあ、甲陽は難しいかも知れませんが、六甲目指して頑張りましょう。」「神戸高校は難しいですが、御影なら」とか、励ましの言葉でもなんでもない明らかに意識的な嘘八百を並べて、親をその気にさせて入塾させてしまいます。その後はバタバタバタ~と同じです。分かっても分からなくてもどうでもいいようなマニュアル的に授業を進め、成績が下がっても言い訳ができるように大量の宿題を放り投げます。だって、熱心に授業をしてワンランクぐらい上の中学・高校に行ってもらったところで、塾の宣伝になるような学校にはどうせ進めないんですから。

子供相手の習い事は、業種関係なく、とても良く似たビジネス手法なんです。

そんなビジネスに乗せられた結果は

そして、1年も子供に無理強いして塾から足抜けできなくなる頃には「六甲は・・ウ~ン、中学受験せっかくするんですから、将来も考えると関学や関大の付属はいかがでしょうか?」などと言い出し、受験前には「いや、関学は・・・○○に行って頑張れば、国立も狙えますから。」などということになります。これ、中学受験塾で特に酷いですよね。さすがに高校受験塾では通知簿3の生徒に「神戸高校任せて下さい。」とまでは言いません。中学の通知簿とは違い、小学校の通知簿が分かりにくいことからこんな事が起こるんです。「進学塾とはなにか」「進学塾の予習授業の理由」「進学塾の過大な宿題と進学実績」に書いた通りです。

散々塾にお金を搾り取られ、私立に高いお金を払って進ませても、肝心の子供はボ~っとヤル気もなく塾時代と同じ調子で学習をして、成績は一向に上がらず「こんなことなら公立に行っておけば良かった。」ということになるわけです。

もちろん進学校も同じビジネスモデルです

進学校の進学実績を京都大学・大阪大学・神戸大学に書き換えれば全く同じです。そういう宣伝になる生徒を伸ばす授業を行い、半分以上の生徒は落ちこぼれて、身の丈相応の公立高校に進んでいれば身に付いた基礎学力さえも身につけられずに、考えもしないほど惨めな大学に進むことになるのです。「進学塾や進学校の生徒が抱える学習問題・・根っこは親です」「進学校の生徒が普通の高校の生徒に追いつかれる理由」にも書いた通りです。

進学校の進学実績は全員に素晴らしい授業を行っているからではなく、優秀な子供を集められる看板があり、上に書いたようなビジネスが上手く回っていることに尽きます。だから下位で合格しても悲惨なだけです。

ただ、スイミングなどとは違い、塾や学校選びは子供の将来に禍根を残す

スイミングや将棋なら、そのまま辞めても別にどうってことはありません。上手くならなくたって習っていれば将来の趣味にできます。ところが塾や学校は大きな禍根を残します。学習塾の場合は、塾側は少しでも進学実績を上げようと、なるべく上位の中学や高校を受験させます。要するに、上位の進学校に下位の成績でもいいから放り込むわけです。

これで、どれだけの子供が道を踏み外して、大学受験を失敗してきたことか・・・もう、こういう塾のビジネスは子供の将来を潰す国家反逆罪に等しいと思います。

ギリギリで進学校に入り、上位の生徒の進学だけを考えた難しい授業をされて落ちこぼれ、針のムシロで数年間過ごしてやさぐれて勉強する気力も失い、「こんなことなら、普通に公立校に行っておけばよかった。」ということに親子ともなるわけです。公立校なら、学校生活もクラブも楽しめて、結局は同じ大学に進むことになるわけです。下手をすると、落ちこぼれて勉強に嫌気が差して、気楽に公立に行っておけば進めた大学にも行けないという悲劇までおこります。

そういう目を覆いたくなる例は、数え切れないほど見てきました。「進学塾や進学校の生徒が抱える学習問題・・根っこは親です」「進学校の生徒が普通の高校の生徒に追いつかれる理由」にも書いた通りです。

中学受験撤退の勇気も必要

中学受験塾で成果が出ない時、無理に受験をさせるのではなく、「基礎学力養成のため」と塾は割り切って、公立校に進ませるのも大事な選択です。公立の小学校でろくにトレーニングも受けていない子供と、中学受験の塾でトレーニングを受けてきた子供とでは、それほど塾での成績が良くなくても、算数の基礎学力は全く違います。何より、漢字が覚えられないというような馬鹿なことは言い出しません。それだけの価値はあったと、受験から撤退することも大事なことです。「Fランク大学一直線を防ぐには/中学生の若年性健忘症を防ぐ」の通りです。

成績の良い生徒の場合は、必ず上位で合格できるワンランク下の学校に進むことは、中学受験でも高校受験でも鉄則です。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。