学校・塾とスポーツクラブの類似性

子供用スポーツクラブとの類似性

子供の習い事の代表例としてスイミングがあります。オリンピックなどで日本人がメダルを取ると、親も子供もその気になって入門者が増えます。知り合いの子供が○○中学に合格して京都大学に行ったって聞いた親も同じです。早速子供を塾に放り込もうとします。

でも、スイミングスクールでオリンピック候補になる子供など、1カ月もバタバタ集団で泳がせていればすぐに分かります。明らかに泳ぎ方やスピードが違うからです。そういう子供は選手養成コースに上げられ、丁寧でみっちりした指導を受けます。他の子供は集団で「ハイ、バタバタバタ~」という事故が起きなければどうでもいい指導をアルバイトのコーチが受け持ちます。「スイミングスクールと学習塾や進学校は同じビジネス手法です」の通りです。

これって塾に似ていませんか? 塾では有名校に進んで塾の宣伝になるような子供は体験授業の段階で分かっています。その生徒は進学コースに入れて丁寧にみっちりとシゴキ上げます。その他の、熱心に教えれば三流校が二流校になる程度の子供など放ったらかしです。だって、二流校に行ってくれても宣伝にもならないでしょう?

スイミングも塾も、有名選手や有名校合格者を出して、彼らを撒き餌にその他のどうでもいい子供を多数かき集めて金を搾り取ってビジネスが回っていけばいいだけの話なんです。

見込みもない子供に、「夏期講習20万円」なんて平気で言う塾など、壺を売っている団体と同じだとしか思えない。

大人用スポーツクラブとの類似性

大人用のスポーツクラブは選手用養成などのニーズは少なく、健康のために、あるいは「おしゃべりの機会」のために通うわけです。だから、指導などはなく野放しで、事故さえ起きなければいいという管理方式です。だから、管理はよりユルユルになりがちです。こういうスポーツクラブでは、コロナの状況下で「おしゃべり禁止!」なんかの張り紙をやたらめったら張り出しているんですが、おしゃべりを目的に来て、しかも図々しさが身に付いているご婦人方や老人には何の効果もありません。

この5年間の生徒・親の変化/中流の崩壊は大人社会だけではない」「理解の壁/公立中学の通知簿3と4間に立ち塞がる途方もない壁」で私が悪口を書いたようなやる気がない生徒相手の補習塾も同じです。おしゃべり半分リハビリ半分で通っている老人相手のスポーツクラブと同じ運営に補習塾もなるわけです。

そして、このユルユルの管理の下、アルバイトのインストラクターなどは全く注意もせずに、面倒な仕事などしないでいいように人の少ない方少ない方を選んで監視しに行きます。この時期に職場でコロナがクラスター発生して閉鎖になれば一番困るのは自分達だという意識もないほどボンクラなんですよ。

だってユルユルの補習塾に通っていた連中がユルユルの職場で働いているんですから、まともに働くはずがない。人生の一大事の入試が目の前にぶら下がってもダラダラだった奴が、ユルい職場でまともに働くはずがないんです。だから、こういうサービス業で現場がもう少しシャキッとしないといけないところでは、ベトナム人を採用し出します。

中間管理職が機能していないのも同じ

では、なぜこんなユルユルの職場になっているんでしょうか? それは、こういうスポーツクラブで、こういうユルユルの職員を監視に回っている店長などのマネージャーがいないからです。職場を歩き回って管理しているマネージャーは少ないです。事務室に引きこもって、何をしているんだろうと思いますよ。自分の職場がキチンと運営されているか見回われないほど事務作業が大変なんですかね? 

10分ぐらいずつ日に数回見回れば済むことでしょう。自分の職場がキチンと運営されているか直に目で見るのは、顧客数の管理などを数字で見るよりも大事だと思うんですけれどもねぇ。スポーツクラブは初期投資が大きく、ライバルがそう多くもないから、こんなダラケた運営ができるんだと思います。まともなライバルが近くに開業すれば、一発でアウトです。

けれど、初期投資が少なく、やたらめったら開業する塾で、スポーツクラブと同じようなユルユルの管理が多いのは驚きです。その理由は二つあります。

・補習塾では生徒のやる気がないか決定的に基礎学力が不足しているんだから、見回ってキチンと運営しても同じ。それならば、イケメンの良いお兄さんやきれいで優しい女子大生をアルバイトでかき集めて生徒の気を引いた方が、生徒は長く通ってくれる。「教師・講師の能力とは?/個別指導のキャバクラ・ホストクラブ化」。教室長の仕事は、教育よりアルバイト確保が重要。

・進学校や進学塾の上のクラスでは、そう熱心に教えなくても、自分で問題を解決して成績を勝手に上げて行ってくれる。だから、塾の管理職の仕事は、如何に教えるかに注力するより、いかに優秀な生徒をかき集めるかに重きを置かれている。だから、管理職の仕事は現場を回るより営業になる。

こんなことだから隠匿がはじまる

こういう管理体制だから、学校では各教室の管理は各教師に丸投げされています。都合が悪い虐めなどが起きれば教師は隠匿する。それで事件まで発展するんです。それで問題が表面化すると、キチンと管理できていなかったことを隠すために、今度は校長や教育委員会が事件をひた隠す。

問題は、そういう管理職や教育委員会を処罰する上位組織が、企業よりないことです。この上位組織がないということは、スポーツクラブよりも、塾よりも、学校という組織が腐っている最大の原因だと思います。

旭川のいじめ事件なんか、いまだにまともな調査もされていませんから。腐りきっています。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。