進学校や進学塾への誤解/何度も書いてきたことですが・・・
いい学校や塾にはいい授業があるという誤解
進学実績が良い学校や塾には素晴らしい授業があり、優秀な教師がいるから、「ウチの子もあそこに入れば!」と考えている親御さんは結構多いです。
こう考える理由の一つは、授業内容など外部からはブラックボックスで分からないことです。学校もカリキュラムの進度程度しか発表していないから、結局は進学実績で妄想するしかないんです。
だから進学実績=素晴らしい授業と教師という思考回路が生まれるんです。
じゃあ、本当に素晴らしい授業はあるのか?
私の20年の経験で、そんな例はほとんど聞いたことがないです。「さすがに進学校やな」「さすがに名の知れた進学塾や予備校やな」という経験はないですし、そういう学校や塾は一つとして知りません。
「トップ公立高校の授業のレベル/進学実績は生徒頼り以外にはない」「スイミングスクールと学習塾や進学校は同じビジネス手法です」などに書いてきたことが私の長い経験で言えることです。
では進学校や進学塾とは何なのか?
一言で言うと、「成績の良い子供が多くいるから、進学実績が良い学校や塾」以外の定義はありません。
要するに、進学校・塾は、進学実績や名前で優秀な生徒を搔き集めることができ、その生徒たちがまた優秀な進学実績を出し、更に優秀な生徒を集めることができる・・・というビジネスサイクルを持っている組織なわけです。
ですから、学校の順位=偏差値=優秀な生徒を集める能力はほぼ固定化していて、他の高校が進学コースなんかを作っても上位の進学校への逆転はほとんどありませ
あるとすれば、 「子供を魅惑する夢の処方箋/偏差値が上がる学校作り」 に書いたように、男子校が共学化され、いい進学校がなかった女子がなだれ込んだ場合などです。経営の改善であって、授業や教師の改善のためではありません。
親が誤解する理由
こう考える原因の一つは、有名校から一流大学に進んだ生徒の陰で、より多くの生徒が二流大学に行かざるを得なかった事実が学校からは出ないし、そういう情報があったとしても親は見向きもしていないからです。
「上位国立大学○○人」しか親の印象には残らない。中位や下位で入学することになる自分の子供の進学はどうなるんだろうと考える親御さんは本当に少ないです。「学校間で起こる逆転は学校内ではおこらない/無理に上位校に行ってはいけない理由」というようなことを、進学実績から読み取る能力のある親御さんはほとんどいないからです。
この傾向は特に中学受験で顕著です。