綿密な学習計画を作る生徒は、綿密でない日々の学習をする

学習計画を見れば分かる成績

成績の悪い生徒は、大抵はダラダラとだらしなく無計画に学習するだけ。目の前に落とされた課題を処理することしかしません。だから、学校や塾は効果が薄いと走りながらも「やらないよりはマシ」と宿題を出します。

ところが、成績の悪い生徒でも計画を立てる生徒がいます。私が今まで見てきた限り、そういう生徒の計画の特徴は、次のテストまでの形だけの計画です。1週間後の定期テストまでに何曜日にどの科目を学習するという計画を作りますが、もちろんそこでどのような学習をするのかは考えていません。以前も「思考と努力の跡がないノートなど無用/まとめノートなど成績不良の証」で書いたように、キレイに色分けした計画表を作って時間を潰して、勉強する時間を先延ばししようとしているんです。

だから、その計画で何をするのか、到達点はどこなのかは一切考えられていません。細かい計画表を立てて得意げになっている生徒で、成績の良い生徒は今まで見たことがありません。

成績の良い生徒の学習計画

まず、学習計画のゴールが定期テストではなく、「定期テストで何点取るか。」です。さらに、高校生では定期テストなどどうでもよくって「模試の偏差値」と「入試の合格」だけを目的に生徒もいます。彼らは、私などと相談して、テストから逆算して「だいたい、いつまでに何をして行くのか、どのようにステージアップして得点や志望校につなげるのか」を考え、「夏休みまでにこの参考書を仕上げる」「10月までには、次はこうする」というような大雑把な計画を決めます。もちろん、塗り絵で計画表なんか書きません。細かい計画など書いても、いろいろな都合で修正はあります。自分が決めたゴールまでに、必要な到達点に達するということだけを心に刻んで、それを実現化させます。

成績の悪い生徒との違いは、目的と目標が明確であり、その努力の道筋を生徒が理解し、実践していることです・・・結局は、覚悟の違いということです。

やらなければいけないことがはっきりしていて、工程も単純な学習などに計画表など必要ありません。「目標!大阪大学!」だから「この参考書を夏休み中に仕上げる。」と心に刻むだけで十分です。

綿密な計画と綿密でない学習

成績の悪い生徒が行う綿密な計画表に沿った日々の学習を見ていると、「今日の計画は数学の学習だから、この問題集をやろうと。」とその場で決めて、行き当りばったりで決めた問題を全部解き終わって、それから答え合わせを始めます。一方、ユルイ計画を作る成績の良い生徒の多くは、「テストまでにこの問題集を仕上げておけばOK」と曖昧な工程を考えています。そして、一問あるいは区切りのいいところまで解いて、短い間隔で答え合わせをします。

なぜそんな違いが生まれるのでしょう?

成績の悪い生徒はその日その日のスケジュールを果たすことしか考えていないから、分かっていても分かっていなくても関係なしにとにかく最後まで解きます。塾でも多くの生徒がそれで「解きました!」と講師を呼びます。それで、「答え合わせをしろ。」と言われて、○✗をつけて、正解を書き入れ「先生出来ました!」とまた呼びます。「どこが分からなかったの?なぜ間違えたの?」と聞いても「??」です。これを際限なく繰り返します。成績の悪い生徒は、計画表を埋めノルマを果たすことだけで、分からなかったところを確認して考えていないことが普段の学習から明確に分かります。

成績の良い生徒は、自分がつまずいたところで、そのつまずきを確認するので答え合わせの間隔が短くなります。「テストまでに仕上げて、分かった状態にする。」ことが目標だからです。

外観は中身から滲み出る

成績の悪い生徒は学習がほぼ終了というところまで解答冊子を使いません。以前も「解答冊子の位置で分かる学力」に書きました。だから解答冊子は邪魔にならないように問題集の最後に挟んだまま、あるいはカバンに放り込んだままになっています。講師が間違いに気づいて確認を求めると、ゴソゴソ解答冊子を取り出し、該当ページを探し出して・・とイライラさせられます。

一方、成績の良い生徒では、解答冊子はいつでも見れるように該当ページを開いたまま、あるいは何かを挟んで問題集の下や横においてあります。解答を確認しろと講師が言っても、サッと解答冊子が出てきて該当する問題の箇所を読み始めます。

この解答冊子の位置、そして出てくる速さについて、多くの生徒を教えてきて例外はありません。解答冊子をどこに置いているか、開いているのか・・多くの生徒を教えた経験のない保護者やボーッとしか生徒を見ていない教師が見逃しがちな机の上のちょっとした配置をベテランの講師は見逃しません。

勉強机の前に座っている子供の後ろ姿だけを見ていて「勉強してるのになんで成績が上がらないんだろう。」なんて言ってるお母さん、あなたはアマチュアです。肝心なところを見てないんです。

こんなときこそデジタル・デバイスの出番なんじゃないの?

学校も宿題を出して放置しておかずに、実質を伴わない努力に意味はないことを教えるために、ゲームと同じ手法をとればいいと思うんですけどね。

解答をタブレットに書き込ませて、解答が間違えていれば解説を読ませて、また解かせてクリアするまで次の問題には進ませないようにすればいいんです。いい加減なことをやっていれば、大音響で「このボケッ。自分で自分が恥ずかしないんかい!」ってアラートが鳴るようして、これが数回続くと親と教師に通知が行くようにすればいいんです。答えを丸写ししたノートを提出させて花マルのスタンプを押す形式だけの宿題管理より有効でしょう。こういうことを今回の休校中にでもやればいいんですよ。

学校や塾で教師や講師が怒っても褒めても効果のない怠け者には、甘えの効かない機械的な選別が一番有効だと思います。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。