国語の現代文の人気問題集について~矛盾がある論理の押し付けで意味不明な解説が多い

書籍通販サイトのレビュー欄や売れ筋ランキングを見ると、著名な予備校の講師の名を冠した「〇〇メソッド」「読解術」といった現代文の解説書が高い評価を集めています。「この一冊で現代文の構造がすべて見通せる」といった評判は、難関大を目指す受験生やその保護者にとって非常に魅力的な選択肢に映るはずです。

しかし、実際の教育現場において、こうした特定の解法フレームを前面に押し出した教材で「どうしてそんな考え方をするのか分からない」「どうしてこの論理でこの解答になるのか分からない」と生徒から質問されることが多くあります。学力が低い生徒ではなく、神戸大学や大阪大学に進む学力の生徒ほどこのような状況になります。

そうして、質問されても私も分からない。「明日までに考えておくから」と私が熟考しても分からないことがとても多い。明らかに矛盾があり、こじつけられているのです。

なぜこんなことになっているんでしょうか?

もちろん、こんな問題集の解答を熟読しても手数が上がるわけもありません。それでもアマゾンのレビューなどで高い評価がつく。これは私や私の塾で神戸大や大阪大学に進む学力の生徒がおかしいのでしょうか?

長年現場でこのような状況を見てきた視点から、この現象が生じる構造的な理由と、実戦的な読解力を養うために必要な教材の選び方について記します。

「事後的な合理化」によって作られた解法フレーム

「独自メソッド」を標榜する教材の解説を精読すると、ある一貫した特徴が見えてきます。それは、「あらかじめ正解が判明している状態から逆算して、自らの解法体系に沿うよう論理を後付けで構築している」という点です。

入試問題などでは、その解答が大学側の正解であるかどうかは分からずとも、あらかじめ正解と認知されている解答があります。あるいは、製作者側の塾の講師が独自問題を作って、正解としている解答があります。

まず、正解と認知されている解答の場合に、その独自メソッドを押し込めるとどうなるのか?その文章を素直に読解して論理的に整理した結果として自然にその正解に至るのではなく、自らの提唱する「対比」「同値」「構造図」などの枠組みを無理やり当てはめるために、本文の文脈や記述に無理なこじ付けを行っているケースが散見されます。これが、優秀な生徒も分からないし、私も分からない場合の大半の原因です。

あるいは、独自のメソッドを当てはめられるような文章を選んで自作している場合でも、「そんな論理性や思考回路を取らないだろう」というものが散見します。講師の独自メソッドが完全に当てはまる文章などはなく、同じ文章の大問で(1)では当てはめられるように問題を作れても、(2)の問題を作ろうとすると矛盾が起こっているという場合も多いです。

なぜアマゾンの評価が高いのか?

大人が論理的に読み解けば、「文章を読んだ場合、その思考プロセスを辿ることは不自然である」「その理屈付けを経由しても、必ずしもこの解答のみが導き出されるわけではない」という飛躍や恣意性が明確に分かります。

しかし、まだ批判的思考力が未成熟な高校生は、スーパー予備校講師の書籍に書かれている解説であるという権威性を疑うことができません。「これが難関大に受かるための高度な思考法なのだ」とそのまま丸呑みしてしまいます。結果として、客観的な読解ではなく、特定のフレームへの無理な当てはめを学習してしまうことになります。

アマゾンの評価は、理解が出来た評価ではなく、有名講師の論法を学習したという満足感から、書籍の客観的評価ではなく、自己肯定感の評価をしているに過ぎないと私は思っています。だから、神戸大学や大阪大学に進む生徒のように客観的な判断ができる層が高い評価をしているのではなく、客観的な評価ができずに自己満足で終わっているレベルの生徒たちが高い評価をしているだけではないか?・・そう思います。要するに、高い商品ほど、性能は分からないが、高い商品を買った自己肯定評価から高いレーテイングがついているのと同じだと考えています。

高のような問題集を使うデメリット 試験本番における「再現性の欠如」

多くの場合、その講師が無理やり解答に当てはめている自己都合の論理性など通用するわけがないという、当たり前の理由によるものです。

信頼に足る教材の基準

では、どのような問題集を軸に据えるべきか。

結論として、旺文社などの老舗出版社が長年刊行しているような、奇抜な理論を排したオーソドックスで標準的な問題集を選ぶことが最も堅実です。

これらの教材は、特定の個人の解法理論に偏ることなく、長年の入試分析と複数の編集者・教育者の検証を経て編纂されています。「なぜこの選択肢が正解で、他が誤りなのか」を、本文の文脈と平易で普遍的な日本語の論理のみに基づいて解説しています。

そこには一見して目を引くような魔法の解法はありません。しかし、余計な夾雑物を挟まず、素直に活字と向き合い、客観的な根拠を本文中から探す訓練を重ねることこそが、関西学院大学やそれ以上の難関大、国公立大の個別試験に通用する、揺るぎない読解力を養う唯一の道です。

高校の国語の学習についてはこのブログも参照にして下さい

高校生の現代国語の学習方法

高校生の現代国語/小林秀雄的な作為的に意味不明な説明文の読み方

特に後者のような論旨がない文章に、あたかも論旨があるような方法論を書いてある問題集は要注意です。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。