指定校推薦の個別指導
中堅少し上の公立高校の場合、そもそも指定校推薦の定員は少ない。その上、関西の有名大学に希望者が集まるので、競争も厳しいです。そして、特に気を付けないといけないのが、この推薦の内情なわけです。
大学からは評定の指定、簡単に言うと5段階評価の通知簿4.2以上の生徒というような指定が高校に来ます。高校側には成績が4.2以上の希望者の中で、上から順番に選ばないといけないという縛りは一切ありません。条件を満たしている生徒であれば、誰を選んでもいいわけです。もちろん応募人数も合格者も公表されません。応募してきたのが一人かもしれません。でも、反抗的と言うか、大人に受けの良くない生徒では、応募人数がどうだったのかに関わらず指定校推薦に選ばれた例を私は知りません。
近所の公立高校では、指定校推薦で落とした生徒が私の塾で頑張ってその大学に合格してきたときに、「受かるなんて思っても見なかった。」と言ってのけた担任の教師がいます。公立校の指定校推薦は思い通りにならない生徒への教師の復讐の場でもあります。定員枠が埋まらなくても気に入らない生徒は「当校からの推薦にふさわしくない」と落としているのではないかと思っています。
だから生徒によっては指定校推薦など考えずに、文系なら一般受験に関係のない数学など捨てて、学校の成績も気にせずに英語の予習と古文では学校の復習に絞れといいます。一方、指定校推薦の可能性もある生徒は、英数などの予習の配分と学校の学習の進め方を生徒と相談して軌道修正しながら学習を進めます
もちろん、私立高校の場合は違います。進学実績を上げるために、選考基準を満たしている生徒の中から一般入試では受かりそうもない生徒をあえて選ぶこともよくあります。一般入試との合計で人数でなるべく進学実績を上げたいからです。
その際は、生徒には先生から定員枠が埋まっているか空いているかの情報を取るように指示します。もちろん先生はそんなことを喋ることはできませんが、やはり先生も人間です。かわいい生徒が一生懸命になっているのを見れば、「僕だったら、ここを選んだりするだろうねぇ」などと言ってくれることがあります。もちろん、ここでもキーワードは「かわいい生徒」です。それに学校側からも定員枠を余らせて進学実績を下げるもったいないこともしたくないわけです。
そして、ギリギリまで情報を仕入れて期限最終日に「ココや~!」と申し込みをさせます。とても有効です。こういう指導こそが、オーダーメイドの個別指導であり、毎日横について教えるだけが個別指導ではありません。