数学の学力を上げる最良の方法
入試問題を自力で解き切る
私の一番のおすすめ方法は、数研の入試問題集の別冊子になっている解答・解説を封印して、問題集本体の巻末にある解答だけを見て自力で解くこことです。その前提は、チャート式ぐらいは終えていていることです。それすら出来ていないのなら受験生ではありませんので、この話には関係ありません。
入試問題を解く初期段階では、たとえ分からなくても、その解答に合わせるように、自力で式を立てて解き切らなければなりません。安易に解説を読んで納得するような学習では、いつまでも独力で解けるようにはなりません。
まず、いろいろな試行錯誤をしながら、あらゆる方針を立てて正解を自分で探し出す。それでも分からない時には、解答だけを見て、こういう答えになるには、どういう式を立てればいいのか、どう条件分けをすればいいのか、だったら問題はどういう構成で書かれているのか・・・下流から上流に遡って考えることになります。
あらゆる可能性を考え、結論から逆算して問題点を把握する。これこそが、題意を把握する最良の訓練だからです。
解答から式を、そして題意を考えるのはおかしいことではない
私たちが仕事をするときには、結論=目標から目標達成のための方法論市場調査をして事業を展開することもあるでしょうが、よほどその分野で熟練していないと市場の真実など見えません。逆に目標を決めて必要な技術や人材を充当しながら事業を展開していき、最終的に、市場ニーズを知ることも多くあります。
言ってみれば、市場調査をして事業を構想してから展開するのは、ある程度受験数学に場慣れしている生徒が題意を把握して解いていくのに似ています。一方で、まだ初心者の生徒には、やはり未熟なベンチャーのように、とにかく目標を決めて走り出して、あちらこちらで痛い目を見ながらビジネスを知り、最終的に市場=題意を知ることになります。
仕事でも数学でも、頭をぶつけた回数が多い程本物になっていくんです。
まず、きれいに解くことを考えないで、這いずり回って解くこと
あちらこちらに頭をぶつけながら、こうでもないああでもないと進んでいくことが、数学でもビジネスでも初期の段階では一番大切なことです。そうして数学や事業に自分なりの勘や知恵が身についてきて、そこから他人様のアドバイスや授業が「なるほど」と分かってくるんです。
いくら予備校に行っても、チャート式を眺めていても一向に成績の上がらない生徒は、他人さまから知識を受け取る知恵がまだないんです。その知恵を手に入れるために、自力で這いずり回って解き切ることを覚えなければいけません。メソッドや解法が役に立つのはそれからです。
何で国立大学の入試には文系でも数学があるのか
知恵を手に入れる泥沼を乗り切っていろいろな解法を身につけられる受験生だけが上位国立大学の挑戦資格、偏差値60台後半に乗ってきます。しかし、この泥沼の中を這いまわり知恵を蓄積していくというのは、仕事でも一番大切なことではないですか? 泥沼を這いまわって経験を積んで初めて他人様からのアドバイスを受け取れることを知った受験生は、社会人として大切な資質を育成したと私は考えます。
だから文系でも数学のある国立大学の学生が就職戦線で高く評価されるのももっともだと思います。
〇〇メソッドに釣られる親って・・・
それが理解できてない若造は、何か言うとメソッドとか講習とかほざくんです。これはお父さん方ならよくご存じのことです。そんなヤツら使い物にならないでしょ?
ところが、そういうお父さんも、塾や予備校のパンフレットで、パワーポイントみたいな図で「理解」→「挑戦」→「成果」〇〇メソッド、なんか書かれるとコロッとやられるんです。塾や予備校のパンフみたいなスカスカな資料を部下が持ってきたらどうするか考えたらいいと思うんです。
あんあスカスカなパンフに釣られるのは、アホな受験生は仕方ないとしても、受験経験も社会経験もある親は何を考えているんだと思います。