高校の数学 普通の入試問題と難問の差

普通の入試問題にも2通りある

まず、簡単な方から。これは教科書やチャート式の例題レベルの問題で、「大学受験に失敗する数学の学習・成功する数学の学習」で書いた「数学の基本的な考え方」を理解していれば解ける問題です。大学で言えば教科書レベルは甲南、チャート(青・黄色)レベルは関大や関学などの入試問題で出題されます。だから、このレベルの問題が解けない高校生はまともな大学に進めず、受験に失敗すると書いたのです。

2番目は、国立大学の平均レベルの入試問題で、チャート式の章末問題レベルか少し上です。数研の入試問題集の頻出問題レベルと言ってもいいでしょう。これは、考え方が少し複雑で面倒になるだけで、「数学の基本的な考え方」を理解している生徒が一生懸命努力して慣れて行けば到達できます。でも、このレベルの問題を解くには、チャート式などを終えた後半年以上のトライが必要です。だから、特に理系では高校2年生の夏休みにはチャート式を終えて入試問題集を始めろと言っているんです。

いわゆる難問とは?

難問にも2通りあります。まずは、高校で学習する「数学の基本的な考え方」は踏襲しているんですが、そんな使い方思い浮かばんやろ?という捻くれた問題です。解答を見ると「アア~、やられた~」となるんですが思い浮かばない。先日書いた中学の図形の難問と似ています。基本的な考え方の組み合わせが頻出題とは違うんです。まあ、これを本番で出されたら、よほど数学が得意な生徒でないと解けないと思います。この「よほど」とは努力で手に入るものではないです。普通の高校の野球部でレギュラーを取るのと、プロ野球でレギュラーを取るのの差です。天性の何かがないと、努力だけではいかんともしがたい。あるいは、予備校の数学講師のように、1日中入試問題にまみれて10年という場数を踏んでいるかです。

二つ目は、チャート式には乗っていない、独特の問題で、解き方は決まっているが普通の高校生は知らないというものです。京大の整数問題などが有名です。ここに狙いを定めた参考書が「大学への数学」とか、こういうyoutubeちゃんねるです。予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」鈴木貫太郎。こちらは知っていると解けるようになります。まあ、予備校などでこういう内容の授業を受けるのは、鉄緑会などごく一部の特別なところだけですし、こういうところの講師などは医学部などの学生も多いですからどうしても数学バカの意味不明な自己満足の解説になりがちです。youtubeを見た方が充実した解説を聞けると思います。

京大や阪大の普通の学部ではセンター入試メインになっている

これは現役生が増え、難問を学習する時間がないからです。前者の普通の問題を解くだけでほとんどの生徒が手いっぱいになります。本来なら得点差が開く二次の数学が難しすぎて得点差が開かないんです。だからセンター入試の得点差が二次で逆転できないんです。難しい問題で自己顕示したいのか、優秀な学生を取りたいのか分かりませんが、本末転倒とはこういうことを言います。

ただ、京大なんかでも上位の学部、あるいは他の大学でも医学部などで私立の名門校、灘や甲陽などが多いのは、学校でこういう難問を学習する機会があるからです。また、彼らは鉄緑会などでそういう解法を学ぶことも多いです。何より重要なのは、彼らが応用問題レベルを早い時期に学習し終え、そういう難問を吸収する余裕と学力があることです。

だから、超進学校でも下半分ではそいう速いペースで普通の授業をされて、理解もできていない段階で高難易度の問題を投げつけられ、普通の応用力を身につける余裕もなく、公立校で普通の授業を受けていたより酷い状態になります。数学ではありませんが、今塾で学習している進学校の生徒も、高1で授業も満足に始まっていないのに英語長文問題精講レベルの問題集を「宿題」を投げつけられています。この間まで中学生だった子供に、いきなり大学入試問題を解けと宿題に出されるんです。だから超がつく進学校でも下位は悲惨なのです。

ちなみに公立高校の最上位校の下半分が悲惨なのは、特段難しいことを教えているわけではなく、いい加減な授業を速いスピードで行って生徒に学習を丸投げしているからです。まあいずれにせよ、進学校の下位の生徒は、能力は優秀なはずですが、学校に潰されているわけです。

数学のランク・アップには努力と辛抱が必要

チャート式の例題を解けないもの、解けるもの、標準的な入試問題を解けるもの、難問に手を出していけるもの、数学には明確なランクがあります。ベネッセなどの標準的な模試で、偏差値55ならチャート式の例題はOK、60少しあると標準的な入試問題は解けます。70近くになると難問に手を出そうかどうかというレベルになってきます。

数学の学力は、リニアに分散しているんではなく、このレベルの生徒はこのレベルの問題は解けるという階段状に集約されています。だから、後偏差値を少し上げるなどという学習はありません。ワンランク上に上がると、成績は飛躍的に伸びます。成績があげられない生徒は、上のランクに到達するまでの長い努力を辛抱できない生徒です。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。