ドナルド・トランプの英語・・中学レベルの文章でも、なぜ高校生も大人も読めないのか?

トランプ大統領のツイッター

これは7月3日のドナルド・トランプのツイッターです。最後の短い文を除いて中学の英語で書かれています。

Mail-In Ballots will lead to massive electoral fraud and a rigged 2020 Election. Look at all of the cases and examples that are out there right now, with the Patterson, N.J., being the most recent example. Republicans, in particular, cannot let this happen!

トランプの英語は小学生にも分かると言われます。日本人には聞きなれない単語がいくつかありますが、文法的には平易な英語です。最初の文章は全て中学3年間で学習する英語のみです。因みに、Mail-In Ballotsは郵送での投票のことです。

キチンと学習していれば、ほぼ中学生が読めるハズ・・・

Mail-In Ballots will lead to massive electoral fraud and a rigged 2020 Election. 典型的な中学の文章です。ただの第1文型です。「郵送投票が巨大なelectoral fraud and a rigged 2020 Electionを導くだろう」で終わりです。ここで中3レベルなのはriggedの過去分詞だけで、他は中1レベルです。この過去分詞も「不正に操作された2020年の選挙」という単純なものです。

でも、バックグラウンドを知らないと文法も単語の意味も正しくても読めないんです

でも、この聞きなれないriggedを辞書で調べて、たいていの生徒は最初に書いてある「装着する」なんかの意味で「装着された2020年の選挙」と訳して何の話やら意味不明になると思います。トランプが郵便投票では2020年の大統領選で不正が起こると言っているのを知らないから、辞書を引いて安直に意味を選ぶんです。

次のLook at all of the cases and examples that are out there right now, with the Patterson, N.J.も同じです。これはただの命令文で「ケースと例を見ろ。」だけです。それがthat are out there right nowという関係代名詞の名詞句で修飾されています。「たった今明らかになっているケースと例を見ろ。」と言う意味だと思うんですが、ここが一番難しいです。だって日本人がoutと言われるとアウト=ダメと直感的に思うからです。でもthereがあるからアウトではなく「そこで外に出た・明らかになった」という意味だと思うんです。だって次にwith the Patterson, N.Jと続きくからです。だからニュージャージーを示すthere=そこで明らかになっているという意味だと思うんです。「最近明らかになったニュージャージーの郵便投票で不正選挙が起きたでしょう。」と言う話なんです。

しかし、ニュースを知らない子供はout=ダメと訳して、with=一緒にという前置詞にとらわれて「すべてのケースと例は、パターソンも一緒にそこではたった今ダメなんです。」なんか言いだします。

言葉ですから、文法的には不明瞭な場合もあります

次にbeing the most recent exampleという注入句があります。これの意味は分かりますか? 「もっとも最近の例として」と言う意味なんですが、じゃあ何が最近の例なんでしょう? 分詞は主語として直前の名詞を修飾するんですが、それだとPatterson, N.J. is the most recent example.となって、都市名が例であるとなってつじつまが合わなくなります。それで、高校生なんかは分詞構文だと思ってしまう。そうしたら命令形の主文と主語は同じなのだから「読者が最新の例」なんて変な意味になるか、独立的な分詞構文として「最近の例ですが」くらいになるかなんですが・・・まあ普通の高校生はそこまで文法を掘り下げては読まないでしょう。

そこで少し離れているall of the cases and examples を修飾していると理解せざるを得ないのです。このthe cases and examplesはthat are out there right now,「今しがたそこで明らかになっている」で修飾され、with the Patterson, N.J.,「ニュージャージーのパターソンの件なんですが」でthereの説明がされ、おそらく、最後に、the cases and examples with the Patterson, N.J. 全体をare the most recent exampleで修飾しています。文法的には不明瞭です。

トランプは「最近の明らかになった例、ニュージャージーのパターソン市の件、そうあの最近の件ですよ。」とフォローワーに言いたかっただけなんだと思います。

このツイッターでただ一つの高校生の文法

Republicans, in particular, cannot let this happen! は高校生の原形不定詞で中3にはムリです。私立ならもう習っている高1は多いと思いますが、公立の高1はまだ無理かもしれません。「共和党員は、特に、このことが起こされるのを許すことはできない。」というめっちゃ簡単な文です。

と言うことで、このツイッターの正しい訳はおそらく「郵便投票は膨大な選挙不正と不正操作をされる2020年の(大統領)選挙を引き起こすでしょう。最近明らかになった例を見て下さいよ。ニュージャージーのパターソン市の件です。そうあの一番最近の件ですよ。共和党員なら、特に、こんなことを放置できないでしょう。」ぐらいです。

正しい訳をしても読めない理由・・・バックグラウンドを知らないから

でも、この簡単な文法のツイッターを高校生は読めません。何故か? 文法の学力不足が原因ではなく、社会的な知識が不足しているからです。自分が何の話を訳しているのか推測がつかないので、自分の訳が正しいのか間違っているのかさえも分からないからでです。

だから上にも書いたように、「郵便投票は最大の選挙詐欺と装着された2020年の選挙をリードする。最新の例だが、そこでニュージャージーのパターソンと一緒にダメなケースと例を見ろ。共和党員は、特に、これが起きることをさせてやることはできない。」なんて意味不明の訳が高校生では一般的になると思います。でも、どこにも間違いのない和訳なんです。学校も塾も親も「よく勉強したね」と子供を褒めないといけません。でも、正確な翻訳にはなっていません。

大学入試問題で出る英文の説明文を読めないのは、こういう社会的な文章が出された時に、文法的な解析を社会的な知識から補強して「これなら意味が通る。」と訳せないからです。社会的な知識の不足から読解ができないのは、国語の日本語の長文読解と共通です。「国語の読解力とは? 塾では対処のしようがないんですよ!」で書いた通りです。言葉は認知できても、文章として認知できないんです。

英文を日本語にするのが訳ではなく、文章の意味を把握するのが訳だと誰も教えない

学校でも塾でも「文の和訳」とは言いますが、「文章の内容を理解できるように読め。」とは言いませんからねぇ。私がそんな読み方を要求しても、関学に余裕で受かる子供くらいじゃないと、私が何を要求しているのかさえ理解できませんから。巷の解説で溢れているパラグラフリーディングというなら、段落内に「この内容ならこういうことが書いてあるはずだ」と憶測して、自分の文法の解析を内容で補正しながら正確に訳すのがパラグラフリーディングです。

勉強させてるだけで偏差値が上がると思っていのは愚かです

塾に行かせて勉強漬けにしているだけで英語や国語の読解力が上がると思っているのは愚かだと思いますよ。相応の社会的知識がなければ、国語も英語も読めません。

英会話で外国人と話していても、平易な文章で相手が話しているのに、全く何のことか分からないことがあります。これは相手が話している内容について、日本人である私たちが想像する内容と違うこと・知らないことを話しているからです。だからリスニングはできて、単語も文法も分かっていても、何を言ってるのか分からないです。逆に、相手も私の言っていることが、おそらく文法も正しく、単語もそれほど的外れなものを使っていななくても全く分かってもらえない時があります。英語の問題と言うより、お互いが相手の社会や習慣や考え方が理解できないから、何の話をしているのか分からないんだと思います。

長文読解も同じです。読解には、単語力、文法力などのお勉強の他に社会的知識が必要なんです。

ホームページはコチラ

芦屋で500人以上の個別指導の実績を持つベテラン講師が、定額で、毎日何時間でも指導します。来塾時間も帰宅時間も制限はありません。クラブなどと両立してなるべく多くの時間を学習して下さい。