脳筋の一等賞の物理/進歩のない解説の化学/物理を取っていい生徒とは?

物理と化学の計算問ができない

高校では、理科は物理と化学、生物、そして地学に別れます。地学を履修する高校は多くありません。この中で、一番分かりにくいのは物理です。ほとんどの生徒は理解できません。化学は暗記半分、計算半分ですが、この計算問題を苦手とする生徒も多いです。

物理も化学も計算問題が苦手になるのですが、その理由は違います。

どうして物理ができないのか

これは、教え方が徹底的に悪いからです。教える方が、分からない人間が何を分からないのか理解できていないばかりでなく、できない人間を見下しているから分かるように教えようとしていないようにさえ思えます。分からない人間の何が分からないのか理解して教えようとするなら、あんな馬鹿げた教科書や参考書、授業になるはずがない。

スポーツや楽器の演奏で、上手いヤツに聞いても「こうすればできるじゃん。なんでできないの?」と上から目線で言われるアレですよ。物理なんかも、この公式をこう当てはめればいいじゃん、ってな解説ばかりで、なんでそう当てはめるのかが皆目見当がつかないのに、「なんでわからないの?」と言われます。

その結果、多くの生徒はニュートン=Fと仕事=Jの違いも分かっていないんです。F×距離=Jで「どれだけの力で、どれだけ動かせば仕事量になる。」って言う一番肝心なことも教えずに、F=kXなんて教えて、W=Fsなんて教えるもんだから、「W=Jって?、x=s=m??」って、単位の段階で訳が分からなくなっている。

ここをキチンと解説してある参考書も見たことがないし、整理して教えている授業を受けた生徒も見たことはないです。公式を放り込んだ問題の解答を棒読みしたような授業ばかりです。教師が「この解説なら、生徒は分からんなぁ・・」と考えられない脳筋なんです。偏差値は高くても、運動のコーチの脳筋と変わらない。

だって、昔からこういう授業なんですから、こういう授業で出来るようになった人間だけが物理の教師をしているからです。だから、「分からない人がどこでつまずくのか」考えたこともないような授業で、教科書の解答棒読みのような授業が綿々と続く伝統になっている。

化学の計算問題ができない理由

これも、物理と同じで、学校や塾の授業で問題集の解答棒読みの授業をするからです。その解説がとても分かりにくいんです。化学の場合、mol/l程度の単位のみが基礎になるから、物理と違って脳筋の解説で初歩段階で躓く生徒は、ソコソコのレベルではいません。ところが、少し応用問題になるとできなくなります。

それは、濃度や体積からモル数を出して整合性を順に取っていけばいいのに、全部ひっくるめた式ひとつで解こうとするからです。どの参考書も、授業もこんなバカなことをして生徒が分からなくなっている。研究室の現場で、バッファーうあ反応液なんかを作る時にそんなバカなことをする研究員はいません。みんな、必つずつ単位を割り出していきます。その方が速く確実だからです。要するに、毎日使っている研究員でさえ、ひとつひとつの単位を一つの式で出して、それを積み上げるのに、現実に即さない複雑な呪文見たな式をひとつで出そうとしているんです。

化学は昔からこうです。式ひとつで出すことを至上の美点にして、思考停止しているとしか思えない。研究室でソコソコの経験のある教師がいたら、こんなバカな教え方はしないでしょう。

こちらは脳筋というより、経験不足です。自分で計算したことがないから実際のやり方を知らない。だから問題集の解答を棒読みで教えるんです。研究室経験のある修士を出た学生を採用すればすぐに解決します。

理科の教師の脳筋はスポーツクラブのトレーナーと同じ

生徒の場合「分からないのはお前の勉強不足」と言っていればいいんですが、大人が金を払って入るスポーツクラブでそんな暴言を吐くと顧客に一発で辞められますから、そうは言ってられません。

でも物理の教師と同じで、教える方は自分が苦労せずに自然と上手くなったものだから、何をどう教えていいのか分からないからフォームなんかを真似ろと言い出すんです。ところが素人が頑張って真似ても「違う、違う!」なんて言われて、また「こうするんです。」と公式のようなフォームだけを教えられる。それで、素人は「そうしてるやんか!」と言って嫌になるんです。物理と同じです。

物理の単位をキチンと教えずに公式を教えるのと同じで、筋肉の動かし方の結果合理的なフォームができているのを教えずに形だけのフォームを教えるから、素人は真似るだけでは肝心なところに力が入っていないんです。だから「違う、違う!」ってなるんです。

でも素人は「真似して頑張ってるのに!」と物理の授業と同じことになるし、教える側も「ここの筋肉をこう動かして、それから・・」なんか考えずに上手くなった連中なのでどう教えればいいのか分からないんです。物理と同じです。

物理を取っていい生徒

だから、物理をと手ちい生徒とは、分かりにくい授業をする教師の解説を聞いて「ああ、そうか」と感覚的に分かる生徒だけです。授業で分からないから後で考えようというレベルでは、一流大学を受験できるほど学力が上がることは非常に難しいです。

物理基礎の段階で力?仕事?ってなっている生徒では、確実に物理は捨てましょう。

物理の学力は数学の学力と比例します。数学が不得意で物理が得意な生徒は見たことがありません。基本的に物理は、「数学が得意で、数学の教科書くらい分からないところはない。」レベルの生徒でないと取ったらダメです。

と言うことは、化学を取ることになるが・・・

でも、化学はまともな授業を受けていれば分かるようになります。物理ほど難解ではないです。まずモル数を出して、単位ごとに計算していけば解けるようになります。

こちらは、「中学の数学の方程式の単位計算が分かる。」レベルであれば大丈夫です。でも、教え方があまりにも悪い。経験不足で実学を知らないからです。

だから、物理はもちろん、化学のモル濃度なんかでつまずく生徒は生物を取ることになるのですが、そうすれば選択学部が狭まる。化学の計算問題も解けないようでは、どうせ数学も不得意なはずです。理系に行ってはダメです。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。