中学受験の本質が生む悲劇/溢れかえる「合格しました!」ツイートの5年後
これから溢れかえる「合格しました」のツイート
今月末にかけて、こういうツイートが溢れかえります。「〇〇中学合格!」
中でも昨年度秀逸だったツイートは 「東大寺合格!この喜びを父にも少しの間酔わせてくれ・・」というものです。このツイートに中学受験の全てが凝縮されています。
①まず、なんでわざわざツイートするのか? 要するに中学受験は「私たちこんななんです!」とマウンティングしたい親の欲求から始まるということです。要するにインスタに写真を上げているのと同じということです。「受験と言うインスタ」
②中学受験は親の満足のためにある。こういう中学受験のツイートに対して、「東大合格! この喜びを父にも少しの間酔わせてくれ・・」という大学受験時の親のツイートはあまり見ません。あるのは「東大合格!やった~」というような受験生本人のツィートです。
だって、中学受験は手の内にあって思い通り動く子供を「合格させた」親が主役であり、一番大切な大学受験ではすでに親の手が離れた別人格の子供が主役であるからです。だから、中学受験では主人公で血道を上げていた親が、肝心な大学受験では脇役で冷めていることが多い。「中学受験・高校入試で燃え尽きる母親/役割を放棄する父親」
親が主役だから起こる中学受験の悲劇
マウンティングとインスタ映えが欲しい親は、なるべく自慢できる上位の中学を受験させようとします。一番大切な大学受験まで考えれば何が最適解かなど考えていない親がほとんどです。
それで、下位で進んだ進学校で、上位の生徒の進学実績だけを考えた身の丈に合わない授業をされて落ちこぼれる。より下位の成績の生徒が進み、6年間遊び惚けて進む付属の私立大学に、苦労して苦労して、惨めな思いを6年間我慢して、進まなければいけなくなる場合が大半なんですが、そんなことは中学受験時の親の頭にはないんです。「大学入試で逆転する学校間格差・逆転は難しい校内格差/上位校に下位で進んではいけない理由/哀れさえ感じます」
灘などの超トップ校を除いて進学校の下位1/4は普通に公立に行って理解できる普通の授業を受けていたなら落ちこぼれずに進めたより下の大学にしか進めなくなります。半数は公立校でのんびりと学習していたのと変わらない大学進学になります。「進学校に進んで、4年半も高校の学習をして、なぜ多くの生徒は関西学院大学にも合格できないのか?」「浪人に悩む親/進学校の浪人増加の背景」「私立で落ちこぼれを生む土壌/体の発育は良いが脳ミソの発育は良くない子供たち」
理由は簡単です。進学校では上位の国公立校の進学実績しか宣伝になりません。その進学実績に目が眩んだ親は有名私立の付属校を蹴って進学校に下位で子供を放り込むわけです。だから、学校側とすれば上位国立大学に進める上位の生徒に最適な授業をして、残りの3/4は授業料さえ払ってくれればそれでいいからです。「スイミングスクールと学習塾や進学校は同じビジネス手法です」「進学校や進学塾への誤解/何度も書いてきたことですが・・・」
小学校からお尻を叩かれ、やっとの思いで入った進学校では身の丈に合わない学習をされ、劣等生扱いされ、苦労して苦労して並みの大学に多くの生徒は進みます。その原因は親の見栄です。「進学塾や進学校の生徒が抱える学習問題・・根っこは親です」
中学受験させて良い結果がでる場合は限られる
・明らかに特別に頭がいいと思える子供。トップの進学校から東大・京大・医学部に進みます。
・友達が塾に行くのを見て「自分も頑張る」と言い出し、親が尻を叩かなくてもソコソコ頑張り2番手3番手の中学に余裕を持って上位で進む生徒。大阪大学や神戸大学に進めます。頑張って中位下位で進む場合は、関関同立の大学付属校に進む以上の結果は出ません。落ちこぼれれば関関同立も無理です。
・少しマシで、本人も親から言われたことに真面目に取り組み、関関同立の付属校に放り込める場合。この場合、親の欲目でその上の進学校に無理やり入れると、必ず落ちこぼれ、関関同立には行けなくなります。
以上です。