ジョーカーを育てないために/最近の復讐事件から考える

アメリカ人が恐れた映画、ジョーカー

ジョーカーというのは、ヒーロー物の映画のバッドマンの悪役です。通常この悪役は、ひとを騙し、部下や仲間を平気で裏切り、破壊や殺人を楽しみ、悪の目的もない生まれながらの悪という典型的な能天気悪役キャラで描かれます。ヒーロー物の勧善懲悪にはなくてはならない悪役なわけです。

でも、彼を主人公にした「ジョーカー」は全く異なった視点で描かれました。知能が足らず障害もある主人公が、人から社会から差別され蔑まれ続ける。その境遇を受け入れるしかなかった主人公は、差別してくる側の人間を殺すことによって自我を保ち尊厳を手に入れることができるようになった。これが新しいジョーカーの誕生です。

格差社会のアメリカでこの映画を見た勝ち組が、「明日は私も殺されるかもしれない。」と心中穏やかならぬ状況になって反響を呼んだというのです。

ジョーカーに子供が育つ最初のパターン

まず、今回の愛知県の中学3年生の殺人事件のように、特定の人物に虐げられていると感じる場合です。この事件では、どのような内容であったのかは分かりません。一般論です。

例えば、周囲からは優等生だと認められているような生徒の圧力の下に常に置かれる場合。「最悪のクズ生徒、それは進学校の超優等生でした/芦屋市役所のパワハラで思い出した黒歴史」のような生徒に、常にいじられる場合です。会社で言えば、上のウケも良いデキる課長に標的にされて、どこに訴えても「彼がそんなことするはずはないだろう。」と取り合ってもらえない場合です。

また別のパターンでは、逆にワルのヤンキーなんかに標的にされる場合もあります。こちらは分かりやすいと言えば分かりやすい。この場合、旭川の女子のように、酷い姿をSNSなんかにバラまかれて自殺にまで追い込まれることも多いです。

いずれにせよ、問題は学校に解決能力がなく、いくら訴えても無駄だということです。後者の場合は証拠を押さえて刑事事件にして解決もできるでしょうが、前者の場合のように口でネチネチやられるだけでは何も対処のしようがないです。

こういう場合は、さっさと学校を変えてください。

尚、後者のようなワルから逃れる一番有効な方法は、偏差値の高い進学校に行くことです。「オープン・スクールも利用 進学でイジメから逃れよう!」の通りです。稀に前者のような質の悪い生徒もいますが、ごく少数です。基本的に進学校にはイジメをして楽しむような生徒はいません。有名大学から進める一流企業でも同じです。一方で、このヤンキーたちが集まる職場では学校の延長のようなことが起こります。「大手メーカーを早期退職した59歳男性「退職金4000万円上乗せ」も大後悔のワケ

いじめられる素因のある子供の場合 、中学受験させて進学校に入れることです。公立校に比べてイジメをするようなクズはほとんどいないですし、学校の監視も公立校よりしっかりしています。だから、私立校でのイジメのニュースは少ないです。

映画に近いジョーカーに育つパターン

これは、このジョーカーの映画や、昨今の電車内での事件の通りです。劣悪な職業に生活環境に我慢を強いられてきた人間が、自分達を踏み台に良い給料と幸せな生活を送る人間たちに復讐を始める。

このような事件を私が最初に目の当たりにしたのは、池田小学校の事件です。受験や就職に失敗した犯人が、エリートで前途洋々な子供を標的にした。そして、秋葉原の事件です。派遣社員などで食いつないできた男が、職も失い、幸せそうに繁華街で休日を楽しむカップルを切りつけた。

こうならないためには、経済が縮小するなか椅子取りゲームをしている日本の社会では、他の人間を押しのけてでも勝ち組に這い上がるしかない。大企業が派遣社員を使って何にでも参入してくる現在、派遣社員を使う側の大企業に潜り込むしかない。自営業や起業で一発当てようなんて、怖くてできない。仮に一発当てても、大企業が押し寄せて、すべて持っていかれる。

そうしたら、勉強するしかないじゃないですか。クラブ活動だ、人物育成だなんて言っている世の中じゃないと思います。「勉強する理由 なぜ学歴が大事なのか?」の通りです。

でも、その大企業でも数千人単位の中高年をリストラしながら、安い給料の新入社員を採用して、「大手メーカーを早期退職した59歳男性「退職金4000万円上乗せ」も大後悔のワケ」 のようなことになりかねません。だって、転職した中小企業では学校でイジメをしていたような人間が就職しているんことも多いんですから、当然の帰結です。大手企業から流れてきて不満顔の人間など、格好のターゲットにされます。

結局、解決方法は

勉強して進学校に行き、有名大学に進んで、大企業に勤めることです。社会の虐げられる側に回らないこと。そして、イジメをするような質の悪い人間のいない世界で生きること以外にありません。

リストラ、再就職の危険があるにしても、最初からロクでもない奴らと関わり合いになることはない。

社会なんて変わりませんし、質の悪い人間を諭しても更生させようとしても無駄ですから、自分が逃げる以外ないんです。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。