高校生と中学生の学習の違い/数学の学習が決定的に違うことが分からない高校生は失敗する
まず、中学の学習とは
学校や塾で学習して、その内容が宿題で出されます。多くの場合、理解に難しいほどの学習ではなく、宿題の問題集でもして確認しておけば十分です。それで定期テスト前などに忘れているところはないかもう一度復習しておけばいい。
ここでこれから書くのは、キチンと授業を聞き、「ここはこうなっているんだ。」と考え、復習する生徒のお話です。公立中学なら通知簿4の上半分以上です。
それ以外の生徒は何度教え直したところで出来るようにはなりません。出来ない理由は二つです。そもそも能力的に出来ない。この場合、高校の学習など不可能です。公立中学で、通知簿3の下半分以下が該当します。次に、散々「親が知らない公立中学通知簿3と4のレベルとは?/中学受験は必須」などにも書いてきたように、ダラケ切っていてできない生徒もいます、通知簿3の上半分と4の下半分です。この場合も怠け者と言う性根の問題なので、高校に入って直るなんてことはほぼありません。
だから、ここで高校の学習について書いていくのは、中学でキチンと学習できていた子供に関してです。それ以外は「高校の学習方法はこう違う!」と言っていたところで、それ以前の能力と性根で話にならないからです。
優等生が高校で陥る学習
これは、中学でも高校の学習範囲に入っている私立の進学校も入るお話です。
真面目に中学で学習して来て、中学の基礎学力は持っている子供でも、高校の学習は難しく落ちこぼれることが多くあります。これは、上位の私立中学や、最上位の公立高校で、中学の範囲の学習なら何の不自由なくできた子供にも起こります。その多くの理由は、中学の学習の成功体験から、同じように高校の学習にアプローチするからです。
まず、高校の学習、特に数学は難しくなります。中学の学習で「フンフン、そうか」と授業で理解できて、問題集もパッとできた子供でも、高校の学習では「そうか」と理解できても、いざ独力で問題集を解くとまるっきりできないことが普通です。神戸高校や市立西宮など上位で「神戸大学行ける?」と言うレベルでもそれが普通です。京都大学や国公立の医学部に進むような特殊な学習適性を持つその上のレベルだけが、中学時代と同じく「フンフン、そうか」で進めます。
だから、ほとんどの子供が「そうか」と理解してから、悪戦苦闘して独力で問題を解き切って「出来る!」までの努力と時間が必要なのです。ところが、高校の授業進度は早く、中学の時のように復習に回ったらこの時間が確保できない。次の授業の予習なんて細切れの予習でも確保できない。この事実をほとんどの優秀な高校生は分かっていない。それで、「これはマズい」と言う状態になった頃には、授業ははるか先に進まれてにっちもさっちも行かなくなる。
難しく時間がかかる数学にあたふたしている間に、英語や古文などもしっかり勉強できなくなる。定期テスト前にもアタフタして理科や社会ができない。結局全部中途半端になって全体的に成績が下がります。これがほとんどの高校生で見られる現象です。
その結果、国公立大はムリ、関関同立もヤバい
数学が出来ていないと国公立大学は無理です。共通テストでも、ほとんどの場合二次にも数学があります。数学は得点差が開く科目です。数学が苦手なら、文系でも国公立はムリです「数学が不得意な生徒は、文系でも国立大学は不可能」。
それに、数学が苦手な高校生の場合、「数学を学習しない!その分英語を学習して関学に行く!」と私立文系で割り切ればいいのですが、ほとんどの高校生では「やっぱり共通テストもあるし。」とそれができずに、中途半端に数学に手を出して、上に書いたように肝心な英語にまで悪影響を及ぼしてしまいます。これは、進学校で非常に多い。それで、英語と古文だけでもまじめに勉強しておけば行けた関関同立にも行けなくなる。
この状況は兵庫県のトップの公立校の半数以上で起こります。進学実績を見れば明らかでしょう。神戸高校でも上位3割ほどで神戸大学、真ん中で関関同立なんですから。
だから、高校では高校に則した数学の学習をしましょう
この状況を克服して国公立大学に進むためには、徹底的に数学の予習をして、学校の進度との間に大きな余裕を作っておくことです。そうすれば英語をはじめ、他教科の復習も十分できます「春休みには数学の予習を半年分やる!/その予習が必要な生徒とは?」。
そのために春休みに半年分、夏休みに半年分の予習を知るのです。自分で考え、自分で問題を解く時間がかかる学習を長い春休みや夏休みにやっておく。これが、普通の優等生が国公立大学に進む唯一の方法です。
上位国立大学に進める条件
上位の国公立大学には「勉強ができる」だけでは行けない。
このように適切なアドバイスを受けられる塾・環境、それを理解し受け入れられる自頭、そして厳しい学習計画を遂行できる根性、この3つが揃っていないと行けない。