授業進度が遅くても公立高校の浪人は有利に働かない?

最上位公立高校の国立大学への進学実態

先日、このあたりの最上位公立高校の、京都・大阪・神戸大学への進学実績の資料を見る機会がありました。まあ、神〇高校のことですねどね。

内部資料なので写しも取っていませんし、詳細は省きますが、上位2~3割にいないと現役で神戸大学以上の国立大学への進学は難しいことがわかります。このことはミドリゼミのブログでずっと言い続けてきたことです「働きアリの法則/進学校で7割の生徒はなぜ失敗するのか?」「高校で逆転される進学校の生徒の特長」。

そして、何よりも目を引くのは浪人の受験生の多さです。京都・大阪・神戸大学とも現役生と負けない数の浪人生が受験しています。問題は、この浪人をしても合格者が少ないということです。この事実は合格者数は載っているが受験者数が載っていない高校の進学実績のホームページを見ても分かりません。

公立高校で浪人する理由

大きな理由は、私立の中高一貫校に比べて授業進度が遅い点です。六甲や海星と言った神戸高校とほぼ同レベルの私立では、中学3年生から高校の学習が始まり、文系なら高校一年生で、理系でも高校二年生でほぼカリキュラムを終えます。

文系では高校三年生の一年間受験対策に使うことができますが、理系では早くても高校三年生の半ばに授業が終わる速度です。受験対策などしようがありません。

英数国や英国社の三教科受験の私立ならまだしも、共通テストがある国立大学ではなおさらです。ことに最近の共通テストでは、情報という新科目が加わり、社会では歴史総合や地理総合などという、従来学習の必要が無かった範囲の学習も求められます。わかりやすい歴史で言うと、日本史を選択科目にとる生徒でも、かなりの世界史を学習しなければならなくなったのです。

理科では科学や生物での学習量の増加が顕著です。生物は新分野の発展暗記量の増加によりや、有機や無機の範囲の暗記量の増加により、学習量は激増しています。このことによって、本来なら物理が苦手であるはずの文科系の生徒でさえ物理を取る生徒が増加しています。あるいはそれほど学習量の変化がない地学の授業を急遽始める学校さえ出てきています。

公立高校の生徒で特に理系では、共通テストがある国公立大学の受験には、ほぼ対応が出来なくなっているのが現状です「国立大学の理系には公立高校から現役では難しい?/中学受験は必須」「進学校で浪人が多い理由」。

十分な準備期間がある中高一貫校より、浪人すれば公立校の方が伸びる?

先補ほども書きました、公立の最上位校と同レベルの六甲や海星の中高一貫校では、中学3年生から高校の学習が始まり、文系なら高校一年生で、理系でも高校二年生でほぼカリキュラムを終えます。ということは理系でもまるまる一年間は受験対策に費やせるということです。大阪大学や神戸大学が上位の生徒の進学先になるこれらのレベルで、公立高校が中高一貫校に太刀打ちできることはありません。

これより上位の中高一貫校、灘・甲陽・洛南などでは、中学一年生で中学三年分の授業が終わり、中学二年生から高校の授業が始まります。ということは、文系では中学の間に高校の授業が終わり、理系でも高校一年生でも授業が終わることになります。京都大学や医学科が上位の生徒の進学先になるこれらの高校では、なおさら公立高校が中高一貫校に太刀打ちできることはありません。

これが、公立高校で浪人が多い最大の原因です。準備不足だった公立高校の生徒は「あともう少し勉強すれば志望大学に国立大学に合格できる」と能力的な問題ではなく、時間的な問題を理解しているため「じゃあ、その時間を作るために浪人しよう」という当然の選択になるのです。

その上、準備期間が少ない公立高校の生徒なら浪人をしてその時間を作れば、十分な時間を与えられているのに現役で不合格だった中高一貫校の生徒より伸びしろが大きく合格しやすいのではないか?と考えるのが普通です。だから、浪人組も多いのででしょう。

でも、浪人組の進学実績から考えると、どうもそうとは言い難いようです。

じゃあ、なぜ浪人しても有利に働かないのか?

これが大きな疑問です。考えられることは一つだけです。

上位の公立高校に進んで上位の国立大学に進むような高校生なら、当然この状況は分かっています。だから、授業進度が速い塾や予備校に行って準備をしようと考えるはずです。

公立校で浪人しても大きな有利がないのは、上位の国立大学に進むような公立高校の生徒は、予備校や塾で中高一貫校並に予習中心の進度の早い授業をしているからでしょう。そうであれば中高一貫校に比べてハンデはそれほど大きくない。ミドリセミが予習中心に普段授業を進める大きな理由です「高校生の予習と進学する大学のレベル」「新高校1年生は半年分の数学と英文法の予習を進める! その進捗とは?」「春休みには数学の予習を半年分やる!/中途半端な学習をするくらいなら英国社に専念しよう」。

だから、こういう意識もなく塾にも通っていない高校生が「浪人すれば何とかなる」と考えたところで、上位国立大学に必要な学習などできないということなのでしょう。

授業料無償化だから私立に高校から行かせようという・・・間違いです

こんなことを書くと、「じゃあ授業料無償化になったことだし高校から私立に行かせよう」という方が出てきます。全くの無駄です。

理由は、私立だと言っても高校の授業を早く進める学校など、ほとんどないからです。上にも書いたように、私立の中高一貫校では授業内容の簡単な中学の授業では授業進度を早めて授業期間を圧縮します。一方高校の授業では圧縮してますか?最上位の中高一貫校でも、公立高校とほぼ同じ授業進度で高校の授業は進みます。高校の授業は難しいため、最上位の私立に進むような能力の子供でも授業進度を早めて教えると理解不足に陥るからです。

最近は少子化の影響で親世代よりも高校生の数は半数に入っています。公立高校の定員はほぼ変化がなく、私立に至っては進学校や進学クラスが乱立する状況になっています。ということは、同じ高校であっても親世代の学力を子供は維持していないということになります。だから最上位の公立高校レベルであっても、学校から配られる問題集や教材の理解が難しくなっています。こんな状況で高校三年分の授業を二年間で終わらせるなど不可能なのです「授業料無償化は公立高校のレベル低下を生むのか?/普通の問題集がやりきれない公立のトップ高校の生徒たち

だから私立が7時間授業をしようが土曜日授業しようが、効率よりも劇的に早い進度で高校の授業が進むことはありません。日に6時間月曜から金曜までの授業で生徒のキャパシティはギリギリで、それ以上教えても生徒が受け取れる余力はないからです「土曜・7時限目授業の私立の方が公立より有利なのか?中学受験と高校授業料無償化を考える」。

ということで、高校から私立に進んだとしても、高校の授業二年間で終わらせて一年間受験勉強の余裕ができるということなどありません。中高一貫校や公立高校と同じ三年間かけて高校の授業が終わります。公立高校に行こうが私立に行こうが、高校からの選択は大きな差はないのです。 大きな差が出るのは中学受験を選ぶか高校受験を選ぶかということだけです「私立高校は公立高校より有利なのか?高校無償化の影響を考える」。

私立だからとても丁寧でわかりやすい授業をしているという例も、長年高校生を教えてきて私は知りません。公立高校でも私立高校でも授業の内容などほぼ同じです。だってチャート式に載ってるようなことを教えるわけでしょ?他にどう教え方に違いがあります?そんなことはないという方は、スタディサプリでも、個人が発信している動画でも見て下さい。特別に分かりやすい教え方などありませんから「進学校や進学塾に素晴らしい授業や進路指導があるという誤解」。

じゃあ、塾ではなぜ進度の速い学習が出来るの?

高校3年分の授業を2年生終わらせるような速い授業を無理やり進めると、多くの落ちこぼれが出ます。実際、進度が速いことを売り物にしているアイロングリーンなる予備校では、落ちこぼれて辞める生徒が出ます。

一方で、ミドリゼミなどでは、速い進度の学習を受け止められる生徒にしかそういう学習はしない。通常の進度でしか学習出来ない生徒には、「国立大学を諦めて関関同立にしろ」と明言する指導をしています。

学校では落ちこぼれることを想定した授業はできないし、ミドリゼミのように学力ごとにクラス分けして授業進度を変えることも難しい。私立では特進コースや普通コースなどにも分かれます。公立校でも総理などの進学コースと普通コースがある上位校もあります。しかし、授業進度にそれほど大差はありません。大きな理由は、高校受験時の学力と高校の学習適性に相関は大きくないことだと思います。また上位クラスでも、高校受験では親の言うことを聞いて頑張った生徒でも、高校では自我が出てきて勉強しなくなる生徒が多くなる。だから、特別に速い授業震度のクラスを設定するならミドリゼミのように個人を見て個人に合ったものを用意するしかないが、学校ではそこまでできないということでしょう。

じゃあ、公立の中高一貫校に行かせよう!も大間違い

芦屋にも公立の中高一貫校があります。しかし、文科省と地方行政の傘の下にある公立では、中高一貫校でも中学校で中学の学習をやり、高校で高校の学習をします。普通の公立の中学・高校の学習進度と全く変わりはありません。進学実績も全くよくありません。高校受験のプレッシャーがない分、子供がダラケて悪影響があると思えるほどです。

だから、中学受験で公立の中高一貫校に行かせるなど、ただの無駄です。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。