「神戸大落ちたら関西学院でいい」と言うヤツで、神戸大に受かったヤツはいない
進学校に通う高校生やその親御さんと面談をしていると、ため息が出ることがよくあります。志望校の話をしているとき、悪気もなくサラッとこう口にする生徒がいます。
「もし神戸大に落ちたら、関西学院大でいいです」
特に文系の生徒がこれを言った瞬間、私は「あ、こいつは神戸大どころか、関学にも受からないな」と確信します。
これまで長年現場で生徒を見てきて、神戸大や大阪大といった難関国公立に受かっていった生徒の中に、「ダメなら関西学院でいいや」と言って受かったヤツはただの1人もいません。受かるのは例外なく、「落ちたら1年浪人してでも絶対に行く」と腹を括っているヤツだけです。
なぜ「関学でいい」と逃げ道を作ったヤツが全滅するのか。 その理由は、文系と理系の入試構造を比べると残酷なほどはっきり見えてきます。
文系にとって、国公立と関西学院の差は「3倍」ある
文系の生徒が「とりあえず神戸大も目指す」とするのは、文字通り自殺行為です。
関西学院などの私立文系専願であれば、やるべき科目は「英語・国語・社会」の3つだけ。数学は完全に捨てて逃げ切ることができます。
ところが、神戸大を目指すとなると「数学」という巨大な怪物を背負わなければなりません。暗記科目と違って、数学は理解から網羅系問題集の周回、記述演習まで、学習強度が桁違いに高い科目です。文系がこの数学に手を出すだけで、勉強の負担は私立専願の軽く2倍に跳ね上がります。
さらに共通テスト用の理科基礎や情報まで乗っかってくる。 こなさなければならない学習の総量は、関学専願の軽く3倍に達します。
「ダメなら関学でいい」と甘えている文系は、秋を過ぎて数学の重さに耐えかね、一番差がつく英語や関学個別入試の社会を仕上げる時間がなくなって自滅します。 中途半端に3倍の科目に手を出したヤツが、高校生活のすべてを3科目に絞って研ぎ澄ませてきた「私立専願組」に関学の入試会場で叩き潰されるのは当然の結末です。
理系なら「神戸大狙いからの関西学院」はまだ通用するかもしれない
では、理系はどうなのか。 実は、理系に限っては話が少し違ってきます。
理系は関西学院(個別日程)を受けるとしても、どうせ数Ⅲ・Cまでやらなければなりません。国公立を受けるのと数学の負担自体はそれほど大差がないのです。
決定的な違いは「理科」です。
- 関学(私立): 物理・化学・生物のうち「1科目」で勝負できる。
- 神大(国公立): 「物理・化学」あるいは「生物・化学」の「2科目」が必須。
理科1科目を仕上げる負荷は、理系の英語1科目分に匹敵します。 しかし、理系の数学を完成させるほどの負担ではありません。神戸大のボーダーにいる生徒なら理科は二教科完成させられる可能性はあるでしょう。あとは共通テスト用の社会を1科目足すくらい、全体の学習量から見ればそこまで致命的な差にはなりません。
このレベルに達している理系であれば、「本気で神戸大を狙いに行き、結果としてダメだった時に関学に受かる」というプランはまだ現実的に通用します。文系の数学を取らないという格差に比べれば、理系で理科をもう一教科学習して共通テストの社会も一教科プラスするなどそれほど大きな差ではないからです。
でも、問題は、その「理科2科目」をやり切れるヤツが何人いるかだ
しかし、現実の公立高校生を見てごらんなさい。 大半の生徒は、数Ⅲの重さに喘ぎ、物理も化学も中途半端な仕上がりのまま秋を迎え、両方共倒れになって爆死していきます。
理科2科目を完璧にやり切る自信もないくせに、「関西学院でいい」と口先だけの保険をかけている理系は、文系と全く同じルートを辿って関学にすら蹴られます。
「関西学院でいい」ではなく「関西学院に行きたい」ヤツしか受からない
そして、いい加減、関西学院をナメるのはやめなさい。 関学は「神戸大のすべり止め」として片手間で受かるほど甘い大学ではありません。関学に受かるのは、「何が何でも関学に行きたい」と腹を括って、関西学院の受験科目に絞って学習してきたヤツだけです。「神戸大学に行きたい」と多くの教科を上滑りして、結局はその3教科の学力も満足に見につかない生徒は、確実に落ちます。
- 文系: 中途半端な数学など今すぐ捨てろ。「英語・国語・社会」の3科目に専念し、死ぬ気で関西学院を獲りに行け。
- 理系: 理科2科目を完璧にやり切る自信がないなら、無理に国公立に手を広げるな。余計な科目を捨てて「英語・数学・理科1科目」に関学一本で絞り込み、穴をなくすまで必死に頑張れ。
退路を断って、好きなことも我慢して、学習に全振りして神戸大を獲りに行く気がないのなら、自分に出来る範囲で関西学院の受験科目3教科に全振りして、自分ができる精一杯の努力で関西学院を本気で獲りに行かないと、確実に失敗します。ところが、その振り切りができずに、プライドだけは高く、中途半端な努力で失敗する生徒が進学校には多い「中高一貫校は中学から4年以上高校の学習をする。それでも、関関同立にも合格できない生徒がなぜ多いのか?」。
最後に身も蓋もないことを書いておきます
学校の先生や大手予備校は、こんな本当のことは絶対に教えてくれません。学校は国公立の受験者数の実績が欲しいし、予備校は共通テスト対策や数学の講座をフルセットで買わせたいからです。彼らの甘いポジショントークを真に受けて「関学なんて滑り止め」と油断している連中から順番に討ち死にしていきます。
特に、高校受験で成功して進学校に滑り込んだ生徒ほど、この現実がまるで分かっていません。
「おれ様は高校受験を突破したんだから、本気を出せばいつでも巻き返せる」と、過去の小さな成功体験にすがって根拠のない万能感を抱いています。
しかし、高校受験と大学受験はまったくの別物です。中学レベルの狭い範囲なら直前の詰め込みで何とかなったかもしれませんが、抽象度も学習量も桁違いの大学受験でその舐めた態度は一切通用しません「中間テストの反省をしよう/高校と中学の数学の学習の違いが分からないと失敗する/並の進学校の下位だと関関同立は無理」「高校生と中学生の学習の違い/数学の学習が決定的に違うことが分からない高校生は失敗する」。
高1・高2の「今この時点」で必死になれないヤツ、高校の高度な学習に対する自分の適性やキャパシティを冷静に見極められないヤツは、その時点で完全にアウトです。厳しいことを言いますが、この話を聞いて「そんなはずはない」「まだ本気を出していないだけだ」と反発するようなヤツは、そもそも関西学院にすら受かりません。
なぜなら、自分が背負える学習量の限界や、自身の能力・努力のキャパシティを客観的に判断するだけの「受験で勝つための根本的な知力(自己分析能力)」が欠落しているからです。
自分の足元すら正確に見えていない人間が、どれだけ机に向かって勉強したところで、関西学院の合格ラインまで成績が伸びるわけがないのです。神戸大の3倍の重圧に最後まで耐え抜く覚悟があるのか。それとも、不要なプライドを捨てて関西学院の枠を精一杯の努力で奪いに行くのか。自分の知性とキャパシティを冷徹に見つめ直した上で、今すぐどちらかに腹を括りましょう。
最後に
そんな根性で有名大学に受かるんだったら、有名大学の値打ち何ぞあるかい!
以上です。


